最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

市立函館病院の産科再開後は年々、分娩数が増加。妊婦の急変時・緊急時には各診療科と連携し、迅速に対応

2019年03月30日 16時01分16秒 | メディカルはこだて
第69号のトピックスニュースは「市立函館病院の産科再開後は年々、分娩数が増加。妊婦の急変時・緊急時には各診療科と連携し、迅速に対応」

市立函館病院(森下清文院長)は平成27年7月、9年ぶりに産科を再開、今年4年目を迎える。産婦人科は医師4人・助産師12人体制で、最新の「産科診療ガイドライン」に基づいたエビデンスのある診療を行っている。また、自然分娩を基本として、妊娠中から安全なお産を目指して保健指導に力を入れ、医療介入を極力減らすように努めてきた。異常時には産科医と小児科医が連携をして対応、生まれた赤ちゃんは生後3カ月まで夜間休日を問わず小児科医師が診察をしている。年間分娩件数は一昨年が108件、昨年が127件と年々増加を続けてきた。
同病院は地域周産期母子医療センターとして、NICU(新生児特定集中治療室)4床を有し、32週以降の早産を受け入れている。助産師の伊藤恵子さんは「妊婦の様々な合併症など、他の医療機関からの母体搬送を受け入れています」と話す。分娩には安全管理面で厳しい基準が要求される。「救急科専従医師のいる救命救急センターや多くの診療科があって、妊婦の急変時・緊急時には各診療科と連携し、迅速に対応できる体制を目指しています」。
母体の健康状態や胎児の発育を確認するために超音波検査は欠かせない。同病院では、最新鋭の4Dエコー診断装置を導入し、妊婦健診を行っている。「お腹の中の赤ちゃんの表情やしぐさなどを動画の映像で見ることができる4Dエコーは、赤ちゃんの解剖学的構造が明瞭に抽出できる点や画像の美しさも特徴です」。4Dエコーの映像はDVDに録画し、妊婦健診通院中の妊婦に無料で渡しており、好評である。


写真左から助産師の伊藤恵子さん、杉浦沙知さん、武田明莉さん。

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誰かがやらなくてはいけないことは私がやります。思考や行動の根底にあるのは「世のため、人のため」

2019年03月30日 16時00分19秒 | メディカルはこだて
第69号のトピックスニュースは「誰かがやらなくてはいけないことは私がやります。思考や行動の根底にあるのは「世のため、人のため」

看護師が自宅を訪れて、患者の生活を支える訪問看護は在宅医療の重要な柱の一つだ。訪問看護ステーションフレンズ(函館市末広町)では、住み慣れた地域や自宅で最期まで安心して暮らせるように支援を行っている。
障害者や障害児の地域での生活をサポートするため、函館市では日中活動の場を提供し、見守りや社会適応のための訓練などを行う「日中一時支援」を行っている。フレンズでは5年前から函館市の委託事業として開始した。所長の保坂明美さんは「事務所内にベッドのあるキッズルームを設けて、障害児の日中一時支援を行っています。障害児の訪問看護を担当していた際に、一時支援事業を始めたいと考えていました」と語る。障害児の中には人工呼吸器を装着している子どももいる。
「誰かがやらなくてはいけないことは私がやります」。保坂さんのモットーだ。北海道の訪問看護ステーション出向支援事業も道南地区で最初に行った。この事業は病院の看護師に在宅を知ってもらうことを目的としたもので、昨年4月にスタートした。「昨年10月、訪問看護がどう患者や家族と関わっているのか。訪問看護の視点がどこにあるのかを知ってもらうために、病院の退院支援を担当している看護師と2週間一緒に仕事をしました」。
訪問看護に必要であれば、さまざまな資格取得や講習も受けてきた。在宅褥瘡管理者や日本腹膜透析医学会指導看護師の資格、在宅・介護施設療養者の摂食嚥下・排便を考える多職種連携システムの構築(AMED研究事業)主催の超音波検査法を用いた大腸観察や嚥下内視鏡を用いた嚥下観察などの教育プログラムに参加し、全課程を修了。最近ではICT(情報通信機器)を用いた死亡診断書の取り扱いについて、医師による遠隔での死亡診断をサポートする訪問看護師を対象とした研修会にも参加している。


「人が好きで、患者が好きです。だから患者を守り、ケアの質も守ります」と語る訪問看護ステーションフレンズ所長の保坂明美さん。

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昨年8月、函館五稜郭病院の看護部長に就任。働き続けられる環境の構築や看護の質向上を推進

2019年03月30日 15時58分58秒 | メディカルはこだて
第69号のトピックスニュースは「昨年8月、函館五稜郭病院の看護部長に就任。働き続けられる環境の構築や看護の質向上を推進」

昨年8月函館五稜郭病院(中田智明病院長)の看護部長に就任したのが松田美也子さんだ。乙部町生まれの松田さんは函館市内の高校を卒業後、北海道立衛生学院看護学科(札幌市)に進学。昭和58年函館五稜郭病院に入職し、消化器内科や集中治療センターで勤務してきた。
平成10年同病院を退職。「夫の転勤で旭川へ移りました。8年間看護師の職を離れたことで、様々な体験をして、多くの人たちの考え方を知ることができました。ケアマネジャーの資格を取得し、在宅で仕事をしましたが、このケアマネジャーの経験なども今に繋がっています」。18年同病院へ復職した後は、HCU(高度治療室)や呼吸器内科を経て副看護部長となる。この間、日本看護協会の「認定看護管理者」に合格、経験や知識を積み重ねてきた。
平成21年がん診療連携拠点病院の指定を受けた同病院は、地域のがん診療の中心的な役割を担っている。「当院は道南の急性期医療を担う中核病院として、設備・アメニティの質の向上を図るなど、患者のニーズに応えられる病院づくりを実践してきました」。函館市の高齢化は急速に進行している。「入院患者は高齢者の占める割合が高く、認知機能が低下した患者も増えています。高齢化や医療の高度化などの背景から、業務の煩雑・多様化や責任の増大があり、その状況に対応できる看護師を育成するため、さまざまな教育研修を導入しています」。


「最先端の医療を提供している病院の看護を担っているという自信と誇りを持ち続けてほしいと思っています」と語る看護部長の松田美也子さん。

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アドバンス・ケア・プランニングとは。共同のものがたりを紡ぐ作業

2019年03月30日 15時43分05秒 | メディカルはこだて
第69号の特集は「アドバンス・ケア・プランニングとは。共同のものがたりを紡ぐ作業」

函館稜北病院 副院長・総合診療科科長の川口篤也医師に話を聞く特集の3回シリーズで、今回が最終回だ。

1回目は急性期病院を持ち回りで開催する「函館オープンカンファレンス」、前回は日常臨床に常に存在するモヤモヤする事例の倫理的課題を検討するツールの「臨床倫理4分割カンファレンス」をテーマとして話を聞いた。3回目となる今回は医療や介護現場で広がっている「アドバンス・ケア・プランニング」について取り上げる。
自らが希望する人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって意思表示ができる段階で医師や看護師、介護職員ら周囲の信頼できる人たちと繰り返し話し合いをし、共有する取り組みをアドバンス・ケア・プランニング(ACP)と呼んでいる。ACPは欧米で活用が始まって以来、その重要性は認識されるようになってきた。
2018年3月に改訂された厚生労働省の「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」においても、ACPは人生の最終段階を迎えた本人や家族などと医療・ケアチームが、最善の医療・ケアを作り上げるための合意形成のプロセスを示すものとして明文化されている。2018年の診療報酬改定では、地域包括ケア病棟入院料・入院管理料1および3の施設基準や在宅患者支援病床初期加算の算定には、それぞれACPを踏まえた看取りに関する指針の策定と、それに基づく意思決定支援が要件となった。厚生労働省はACPの取り組みを普及させるために愛称を募集し、「人生会議」に決定した。わかりやすい呼び名を付けることで、ACPを身近に感じてもらうことが狙いだ。
ACPは終末期の治療方針について、患者や家族が医師らとあらかじめ話し合うことだが、人生の最終段階の方針を決定する際には、「本人の意向がわからないことが多い」と川口医師は話す。「終末期には約70%の人が、自分で意志表示をすることができません。ですから、もっと早い段階で、周囲の人と話し合っておく必要があるのです」。人生の最終段階では、まだまだ家族と医療者のみで決めていることが多いが、人生の中で、学校や部活、就職、結婚、住む家など、ある程度は自分で決めてきたはずだ。そうであったなら「生き方」も「逝き方」も自分が決めるということは当たり前のことに違いない。
「患者さんには、何歳くらいまで生きたいと思っているのか。こういうことを外来でも在宅でも普通に聞いています」。ACPは特別な難しいことを話し合うことではない。「生きている間、どんなことをしたいのか。体が弱ってきたときでも、今の家に居たいのか、早めに施設に入りたいのか。まずは、こういうあたりから考え、話し始めるのはどうでしょうか」。心の中であらかじめこうしよう、こうなるだろうと考えておくことが「心積もり」だ。「ACPは、対話によってその人の心積もりや価値観を周囲の人、医療者が共に理解していくこと。プロセス(過程)なのです」。


昨年8月26日、市民公開シンポジウム「人生の最終段階について考える〜備えあれば憂いなし〜」が函館市内のホテルで開かれた(南渡島地域包括緩和ケアネットワークなどの共催)。
第1部では川口篤也医師(写真)が「心積もり〜話し合って考える人生の最終段階〜」と題して講演をした。



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災害時における透析施設の対応と課題。MCA無線は非常時の連絡手段として活躍

2019年03月29日 17時42分58秒 | メディカルはこだて
第69号の特集は「災害時における透析施設の対応と課題。MCA無線は非常時の連絡手段として活躍」

昨年9月6日の胆振東部地震は、北海道全域の約295万戸が停電する全域停電(ブラックアウト)という異常事態を引き起こした。この大規模停電は全道の市民生活に大きな混乱をもたらしたが、特に電気と水が途絶えると施行不能に陥る人工透析医療への影響は甚大であった。大規模停電後、函館泌尿器科医会透析部会では人工透析を提供している函館・七飯地区の14の医療機関を対象に緊急アンケートを実施した。
その結果を12月にまとめ、今年1月末には同部会の集会で報告、当時の医療現場の状況や問題点を共有した。さらに災害時における新たな体制作りや自家発電機の新規導入、MCA無線運用方法の見直しなどについて協議した。
2011年の東日本大震災では、大津波に襲われた沿岸部を中心に数多くの医療機関が機能不全に陥った。この大震災以降、災害時に向けた透析施設間のネットワーク作りに取り組んできたのが五稜郭ネフロクリニックの鈴木勝雄院長だ。函館泌尿器科医会は泌尿器科以外の透析医を取り組む形で「函館泌尿器科医会透析部会」を発足させ、透析施設間の緊急時の通信手段として、2013年3月にデジタル業務用移動通信「MCA無線」を導入した。MCA無線は一般の無線と違って個々人が特殊な免許を取得する必要がなく、自治体や企業などにおける豊富な導入実績がある。同部会では函館・七飯地区の14施設にMCA無線を導入、MCA無線による送受信訓練を実施してきたが、全域停電の際の通信手段として威力を発揮した。
今回の大規模停電に対して、透析施設はどのような対応をしたのか。函館泌尿器科医会透析部会のアンケート結果や集会での協議などについて、五稜郭ネフロクリニックの鈴木勝雄院長に話を聞いた。2回連載する。


五稜郭ネフロクリニックの鈴木勝雄院長


MCA無線機

一定数の周波数を多数の利用者が共同で利用するMCA方式を採用した業務用無線システム。混信に強く、無線従事者の資格が必要ないなどの特徴がある。
利用者は同じ識別符号を持った会社等のグループ単位ごとに無線通信を行うことができ、他のグループとは通話できないようになっている。


道内初の最大震度7を記録した昨年の胆振東部地震では、厚真町にある火力発電所の発電機が損壊したことから、全域停電(ブラックアウト)という未曾有の事態が発生した。透析医療については自家発電のある施設のほとんどは自前でまかなうことができたが、設備のない施設は他の施設に透析を依頼することを余儀なくされた。函館では3施設が臨時透析の患者に対応したが、函館五稜郭病院では6日と7日の2日間で78人の透析患者を受け入れた。停電時の対応について、同病院臨床工学科科長の雲母公貴さんに話を聞いた。
同病院は2016年10月に「透析センター」をリニューアルした。リニューアルのポイントは患者の療養環境と治療の質の重視で、治療面では電気再生純水装置の新規導入により、超純水透析液を使用した治療が可能になった。現在のベッド数は42床。血液透析には血液中の老廃物の除去率を高めたオンライン透析がある。同病院では一部の装置でオンライン透析を行っているが、今後はすべての装置でオンライン透析が出来るように整備計画を進めている。同病院の臨床工学科に在籍する臨床工学技士は27人。当日は当直の技士が地震直後より院内ラウンドを開始して、院内の被災状況を確認した。最初の技士が駆け付けたのは午前3時半。すぐに透析センターと手術室の状況を確認、MCA無線の
電源をオンにして待機する。診療の体制に影響を与える被害は確認されず、午前7時までに8人が集合した。


函館五稜郭病院臨床工学科科長の雲母公貴さん


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「メディカルはこだて」第69号が発刊

2019年03月28日 01時10分16秒 | メディカルはこだて
函館・道南の医療・介護の雑誌「メディカルはこだて」第69号が発刊しました。



現在、函館市内および近郊の書店で販売中です。

【特集】
災害時における透析施設の対応と課題。MCA無線は非常時の連絡手段として活躍

透析施設への胆振東部地震と停電への対応に関するアンケートの集計結果
鈴木勝雄(五稜郭ネフロクリニック院長)

大規模停電時に透析患者を受け入れ。市内全体としては大きな課題が
雲母公貴(函館五稜郭病院臨床工学科科長)

【特集】
川口篤也を知る(函館稜北病院副院長・総合診療科科長)
アドバンス・ケア・プランニングとは
共同のものがたりを紡ぐ作業

【ドクタークローズアップ】】
全身を診るという考え方の総合診療を実践
道南では数少ない糖尿病専門医の資格も取得
板谷 利(函館中央病院内科医長)

【トピックス・リポート】
市立函館病院は患者向け無料WiーFi 接続サービスを開始
病院1階・2階の外来や待ち合い、レストラン等で使用可能
河野尚秀(市立函館病院事務局医療情報企画課主査)

病院機能評価で全国的にみても非常に高い評価を受ける
職員からの「私が変える稜北病院」の意見を取り入れて整備
笠原 毅(函館稜北病院事務次長(兼)リハビリテーション部部長)

サービス付き高齢者向け住宅で「看取り」の介護を実施
日中、夜間とも複数のケアパートナー(有資格者)が常駐
吉泉 晶(ティー・エス常務取締役)

昨年8月、函館五稜郭病院の看護部長に就任
松田美也子(函館五稜郭病院看護部長)

誰かがやらなくてはいけないことは私がやります
保坂明美(訪問看護ステーションフレンズ所長)

市立函館病院の産科再開後は年々、分娩数が増加
伊藤恵子(市立函館病院産婦人科助産師)

北海道看護協会道南南支部は5月11日に「看護の日」記念講演会を開催
新井山ちづる(市立函館病院医療連携室がん相談支援センター)

「省エネ事業」への取り組みと全国の病院や福祉施設における省エネ・環境改善の成功事例の紹介
大鎌電気株式会社

「かよわくて、きっとつよい」 〜今日の一歩、踏み出す勇気〜
平田恵子(函館中央病院小児科外来看護師長)

手術後のドレーン排液の色調表現を統一
佐藤沙紀(国立病院機構函館病院ICU看護師)

身近な漢方医学の知識 不眠に対する漢方治療
久保田達也 (久保田内科医院院長)

「セラピア便り」  扇の要、函館から
平田 聡(特定非営利活動法人理事長)

健康に生きるための歯列矯正 4 歯ぎしり、くいしばり
古田樹己(ふるた矯正歯科院長)

智歯(親知らず)における歯科用CTによる画像診断
川瀬 敬(川瀬デンタルクリニック院長)

歯周病は歯を支えている歯茎や骨が破壊される病気です
村田真介(吉田歯科口腔外科院長)

5分で分かる歯科の話 〜オーラルフレイル(口腔の虚弱)〜
伊藤正明(函館新都市病院理事・歯科科長)

「オーラルフレイル」について
向山英明(向山歯科桔梗クリニック院長)

顕微鏡歯科治療をご存知ですか?
鎌田 俊(シュンデンタルクリニック院長)

東洋医学の治療院から〜鍼灸治療の実際
益井 基(益井東洋治療院院長)

岡村昭彦の資料室が静岡県立大学付属図書館に開設
佐藤純子(栄文堂書店)

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立ち枯れしたオオウバユリ

2019年03月24日 19時25分18秒 | 山歩き・散歩・温泉
郊外の林の中で見つけたオオウバユリ。
高さは1.5から2.0mくらいで、夏に10から20個程度の黄緑色あるいは緑白色の花をつける。
立ち枯れしたオオウバユリの実には多くの種が入っていた。

鱗茎(りんけい、地下茎の一種)はデンプンを含み、食用にできる。
北海道ではアイヌにより「トゥレプ」の名で食用にされ、アイヌ民族が用いる植物質の食品の中では穀物以上に重要な位置を占めていたそうだ。




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市立函館病院の本年度12月末の収益は前年同期比約7億円増

2019年03月24日 16時34分55秒 | 函館・道南情報
北海道新聞3月23日付の記事は下記の通り。



 市立函館病院で、収支改善に向けた取り組みが成果を上げている。薬や消耗品といった備品費の単価を抑制したり、地元のクリニックとの関係を強化し患者増につなげたことで、本年度12月末の収益は前年同期比約7億円増となった。
12月末の収益は2億5983億円。前年同期のマイナスからプラスに転じた。
本年度の赤字見込みは1億7千万円で、当初予算見込みの7億3千万円から圧縮されるが、恵山、南茅部の2病院を加えた全体の累積資金不足額は33億9千万円となる見通しだ。(記事より一部抜粋)

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地獄と極楽の移動時間を計算

2019年03月24日 16時31分29秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
3月11日掲載のタイトルは「地獄と極楽の移動時間を計算」の教え。



 極楽の蓮池の下は地獄の底で、三途の川や針の山の景色がはっきりと見える。御釈迦様が蓮池のふちをぶらぶら歩いていると、蓮の葉の間から、人を殺したり家に火をつけたりした男の姿が目にとまった。御釈迦様はその悪人が林の中でクモを踏み殺さなかったことを思い出し、極楽の蜘蛛の糸を地獄の底へおろした。
 芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を題材に、地獄と極楽を移動する時間とクモの糸の強度を計算した岡山県の小学5年生の女の子の研究が、「算数・数学の自由研究作品コンクール」で審査委員特別賞を受賞した。同コンクールは日常生活や社会で感じた疑問を、算数や数学的な見方・考え方を活用して創意ある研究内容を競うもの。
 研究リポートでは、地獄と極楽の距離を1万里(約4万㌔)と仮定し、近所の公園の登り棒で人が登る速さを測り、そこから12.7年かかることを計算。クモの糸の強度は千人がぶら下がったと仮定し、ピアノ線の3千倍以上の強度があることを導き出した。
 問題意識や状況設定のオリジナリティが評価されたが、女の子は悪人がクモ1匹を助けただけで極楽に行くのは都合がよすぎる話で、それを確かめるために計算。不眠不休で12年以上も登り続けるのは御釈迦様もよく考えたと解釈した。「地獄からの復活劇~御釈迦様からの試練」とした研究テーマのタイトルも秀逸だ。(メディカルはこだて発行人・編集人)



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