最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

放射線診断技術の治療的応用

2018年06月28日 16時16分11秒 | 講演会・勉強会
明日(29日)は第70回「五稜郭セミナー」が18時30分より函館五稜郭病院管理棟4階会議室で開催される。
対象は医療従事者。→「医療従事者」ではないが、広い意味での医療関係者ということで、講演やセミナーなどには参加を認められることも。
内容は一般演題が、函館五稜郭病院放射線診断科医長の村上健司医師「上腸間膜動脈閉塞症における血管内治療の有用性について」。
特別講演は聖マリアンナ医科大学名誉教授の中島康雄医師「IVRをもっと社会に役立てるためには」。

IVRはインターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology)の略。
日本語訳として一般的に「放射線診断技術の治療的応用」という言葉が用いられるが、「血管内治療」「血管内手術」「低侵襲治療」「画像支援治療」もほぼ同義語として使われている。
エックス線透視や超音波像、CTを見ながら体内に細い管(カテーテルや針)を入れて病気を治す新しい治療法。
IVRは手術を必要としないため、身体にあたえる負担が少なく、病気の場所だけを正確に治療でき、入院期間も短縮できるというメリットがある。
高齢者や状態の悪い進行がんなどの治療に広く応用され、その他に緊急状態(大出血)からの救命や血管などの閉塞、あるいは動脈瘤に対する治療にも有効な治療方法だ。

IVRの講演は初めてなので、非常に興味がある。




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光のもとで 函館・トラピスチヌ修道院

2018年06月27日 04時11分12秒 | 函館・道南情報
創設から120年を迎えた「天使の聖母トラピスチヌ修道院」。
北海道新聞函館支社報道部は、この節目に合わせて17年3月から1年以上にわたり取材を続け、夕刊一面で20回もの企画記事を連載してきた。
6月10日に発行された「光のもとで 函館・トラピスチヌ修道院」(北海道新聞函館支社報道部編)は、取材をしてきた修道院の1年間の暮らしを1冊にまとめたもので、未発表の写真も多く掲載されている。

修道院院長のセシリア青木秀子さんは修、道院と修道女のことを次のように教えてくれる。
「神様から呼ばれて修道女となった私たちは、塀に囲まれた居住区域『禁域』の中で、神様と向き合い、神のみ業(わざ)に感謝し、賛美しながら共同で生活しています」
「私たちは神様に仕えるのが目的ですから、生活様式は異なりますが、八百屋さんや魚屋さん、会社員など、社会にさまざまな仕事があるように、私たちも社会に中の一つの存在であり、決して特別な人間ではありません」
「社会で起きていることは人ごとではなく、私たちは『祈れ、そして働け』の日々を通して人々とつながっています。私たちの心の中には世界中の人々がおり、いつも一緒に生きています」

写真も文章も秀逸で、四季の修道院の情景や修道女の暮らし・生活・活動がよく伝わってくる1冊だ。


「光のもとで 函館・トラピスチヌ修道院」(北海道新聞函館支社報道部編)



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緑と青の日暮山

2018年06月25日 05時52分22秒 | 山歩き・散歩・温泉
昨日は天気予報をあざ笑うかのように午前中から青空が広がっていった。
小沼と蓴菜沼の中間に位置する日暮山(ひぐらしやま)は、標高303㍍のお椀形をした山だ。
国道5号の西大沼交差点から道道大沼公園鹿部線を進むと「日暮山展望台」の道路標識がある。
それを右折して、砂利道を10分程走ると駐車場に到着する。
頂上の展望台までは駐車場から100㍍ほど。
展望台からは小沼や大沼、駒ケ岳が一望できる。
この山は昭和初期頃までは「小沼山」、あるいは持ち主の名前をとった「笠原山」と呼ばれていたが、その後この山に登って眺望を楽しんだ人たちが、その景色の美しさに我を忘れ、気がついてみると日暮れになっていたことから「日暮山」と呼ばれるようになった。
樹木の緑と空の青が眩しかった。


山頂への道


日暮山の山頂(展望台)から




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第8回函館オープンカンファレンスが開催

2018年06月20日 21時03分34秒 | 講演会・勉強会
昨日は函館五稜郭病院で第8回目となる函館オープンカンファレンスが開催された。
カンファレンスには、症例の患者に関わった函館五稜郭病院と函館稜北病院の医師や看護師、ソーシャルワーカー、理学療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー、臨床工学技士、管理栄養士、訪問看護ステーションの看護師、ケアマネジャー、訪問入浴看護師などの多くの職種の関係者が報告した。
進行役の川口篤也医師(函館稜北病院)は「今回の事例では、初めての機器や初めての経験を乗り越えるために、関係者が何度も何度も集まってカンファレンスした事例です。我々は何のために医療をしているのか。そんな姿勢が問われたと思う」と語っていた。


進行役の函館稜北病院総合診療科の川口篤也科長



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イオン案 集客力の不満。「棒二森屋」閉店で地元商店街

2018年06月20日 18時56分54秒 | 函館・道南情報
北海道新聞6月19日付の記事は下記の通り。



流通最大手イオン(千葉市)幹部は18日、閉店を検討しているJR函館駅前の老舗百貨店「棒二森屋」について地元商店街幹部と面会し、建て替えを説明した。行政の補助金を活用しマンションやホテルを建設するイオン案に対し、「食品・物販スペースが小さくなり、地元市民の集客力が弱まる」と不安を伝え、再検討を求めた。





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横津岳の夕暮れ

2018年06月20日 18時37分40秒 | 山歩き・散歩・温泉
昨日30日は七飯町の横津岳(1167㍍)で初冠雪を観測した。
平年より5日、昨年より6日遅かったそうだ。

今月上旬、夕暮れ時に横津岳を訪れた。


横津岳山頂から眺める駒ヶ岳。
日暮れと同時に北の空が淡いピンク色に染まっていった。



山頂で寒さに震えながら暗くなるのを待った。
下山中に振り返ると、山頂の航空路監視レーダーは建物が黄緑色の明かりに照らされていた。



横津岳山頂からの函館山と市街地。
白く点在する光はイカ釣り船の漁火。
久しぶりにヘッドライトを使用した。


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どんなケアを目指しますか? 最初の面接はすべて私が行います。

2018年06月20日 10時25分09秒 | メディカルはこだて
第66号ではウィズ代表取締役の葛西宣彰さんを取材した。


3月下旬、コンテ日吉に高齢者施設を開設したウィズの葛西宣彰さん。

移り住んだ人が地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができる「生涯活躍のまち」として、全国的にも注目されているのが函館市の福祉コミュニティエリア整備事業だ。
市内日吉地区で整備が進められてきた「函館日吉コミュニティエリア(コンテ日吉)」では介護施設などの建物も完成、3月23日には内覧会も開催されたが、社会福祉法人善智会が運営する高齢者4施設への入居は見合わせになっている。こうした中、介護事業者のウィズ(函館市亀田町)が運営するグループホーム、看護小規模多機能型居宅介護事業所と、社会福祉法人結絆の会が運営する地域密着型特別養護老人ホームは予定通りに開設されるなど順調なスタートとなった。
平成13年に葛西宣彰さんが設立したウィズは、これまでグループホーム2施設や小規模多機能型居宅介護事業所5施設、またヘルパーステーションと訪問看護、ケアプランセンターの各事業所も加え、
函館市や北斗市、七飯町、森町、木古内町などの地域で介護サービスを提供している。葛西さんは函館中部高、日大経済学部を経て、昭和52年関西の専門商社に入社、主にマーケティングを担当した。昭和60年には医療機器メーカーの営業所長となり、その後は地元・函館にUターンし、病院と老人保健施設の事務長を務めてきた。





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緩和ケアは特別なケアではなく、患者さんの日常を支える看護の基本です

2018年06月20日 10時10分59秒 | メディカルはこだて
第66号では函館おしま病院看護部長の秋庭聖子さんを取材した。


「カナダのホスピスで行われている音楽療法が緩和ケアを目指すようになった出発点」と語る
は函館おしま病院看護部長の秋庭聖子さん。

今年4月函館おしま病院(福徳雅章院長)の看護部長に就任したのが秋庭聖子さんだ。3月まで青森県立中央病院で緩和ケアを担当していた秋庭さんは愛知県の出身。地元の高校に進学後は公務員や教師を目指していた。「大学の入試試験は目標を実現させるための第一歩でしたが、試験当日はしっくりとしない気持ちに襲われました。看護学校を受験する友人を見て、大学以外の選択肢があることに気がつきました」。
名古屋赤十字看護専門学校を卒業後、名古屋第一赤十字病院へ勤務。希望した外科病棟ではなく、配属は中央手術室だった。「最初は役立たずの自分に自己嫌悪の毎日でした。『術野を見るように』と先輩から言われたことを忘れずに、イメージトレーニングを繰り返しました。そして医師の指示がなくても、次に必要な器具を予測できるようになり、新人でも評価されたことは自信につながりました」。
「当時、胃がんの患者に告げられる病名は胃潰瘍です。進行がんの場合も事実を知らされることもなく、亡くなる事例を目の当たりにして、疑問や憤りを感じていました」。昭和62年厚生省で「末期医療に関するケアの在り方の検討会」が開催され、同時期に東京で「ホスピスケア研究会」が発足。研究会に参加して、がんの痛みがとれることを知った秋庭さんは、病院の仲間と「ターミナルケア研究会」を設立する。「院内のがん患者に対する疼痛管理に改善はありませんでしたが、これは名古屋だけの問題ではなかったのです。自分が担当した白血病の患者3人が真実を告げられないまま亡くなった後、病院を退職しました」。




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自分を見つめ、人を理解することが看護の第一歩です。

2018年06月20日 10時07分38秒 | メディカルはこだて
第66号では函館厚生院看護専門学校副学校長の藤田富士子さんを取材した。


「シミュレーション教育やアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れる」と語る
函館厚生院看護専門学校副学校長の藤田富士子さん。

函館厚生院看護専門学校(中田智明学校長)は新校舎に移転して1年が経過した。建築後40年近くが経過していた旧校舎は老朽化が進み、函館厚生院の法人本部とともに斜め向かいの敷地に新築移転した。新しい建物は鉄骨造4階建て、延べ床面積は約3000㎡。学校部分は約2300㎡で、従来の約1・5倍に拡充された。
同校は昭和20年開設の函館慈恵院付属中央病院看護婦講習所が出発点。看護師養成は昭和37年に定時制2年課程を開設したが、これは全国3校の中の1校ということで非常に注目された。昭和62年からは現在の3年課程のみの看護科として、函館厚生院の理念を受け継ぎ、地域住民の健康の担い手として貢献できる質の高い看護師を育成してきた。これまでに社会に送り出してきた卒業生は2400人以上。副学校長の藤田富士子さんに話を聞いた。





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がん手術支援ロボットの時代に。ダヴィンチ手術の保険適用が一気に拡大

2018年06月20日 09時29分20秒 | メディカルはこだて
第66号の特集は「がん手術支援ロボットの時代に。ダヴィンチ手術の保険適用が一気に拡大」。

◎前立腺がんなど泌尿器科はダヴィンチ手術がスタンダードに
函館五稜郭病院(中田智明病院長)は2013年3月にダヴィンチを導入、最初の前立腺がん手術は同年5月31日に行われた。同病院泌尿器科のこれまでのダヴィンチによる前立腺がんの手術件数は230例を超えるが、泌尿器科科長の高橋敦医師はそのうち80例を担当してきた。
泌尿器科は医師6人体制で診療を行い、泌尿器科に関する急性期疾患は全て受け入れている。診療内容は尿失禁のTVT手術(中部尿道スリング手術)、尿路結石の経尿道的尿管結石破砕術(TUL)、前立腺肥大症に対するグリーンライトレーザーによる光選択的前立腺蒸散術(PVP)。泌尿器科のがんでは副腎腫瘍、腎がん、腎盂尿管がん、 膀胱がんでの腹腔鏡下手術、そして前立腺がんのダヴィンチなど低侵襲な治療を積極的に実施してきた。平成28年の手術合計件数は1135件と、道内のトップクラスの実績がある。
ダヴィンチは、ロボットアーム(ロボット本体部分)と医師が操作をするコンソールボックス、助手や看護師が見るモニターやカメラコントロールユニットなどを搭載しているビジョンカートの3つの機器で構成されている。ロボットアームには3D内視鏡と3本のアーム(手術器具)があり、アームの先端にはメスや鉗子(かんし)などの手術器具が取り付けられています。「ロボットといっても機械が勝手に手術をするわけではありません。腹部に開けた小さな穴(通常は6カ所)にアームを挿入し、執刀医がコンソールで体内の画像を見ながらアームを遠隔操作します」と高橋医師は語る。


函館五稜郭病院泌尿器科の高橋敦科長


◎胃がんのリンパ節廓清に対して、ダヴィンチは非常に有効な手術法
2013年3月道南地区では初めてとなる手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入した函館五稜郭病院(中田智明病院長)。同病院でのダヴィンチによる胃がんの最初の手術は2014年7月、高金明典副院長が執刀した。
これまで消化器外科など保険適用されていないダヴィンチの手術費用は自由診療で行われていた。首都圏など道外の病院では、ダヴィンチによる胃がんの手術費用は200万から300万円程度だが、同病院では入院費用などもすべて含めて70万円で手術を行ってきた。現在までのダヴィンチによる胃がん手術実績は17例で、函館でも患者の身体への負担を減少するダヴィンチの手術を希望する人が少なくないことを示す数字だ。今年4月からは肺がんや食道がん、胃がん、直腸がん、膀胱がんなどのダヴィンチ手術に対する保険適用が承認されたことで、外科の高金副院長が行ってきた胃がんのダヴィンチ手術が注目されている。
同病院の外科は9人の専門医が外来診療や検査、手術ならびにがんに対する新規抗がん剤や分子標的薬などによる最新医療を提供している。高金副院長は「外来化学療法室や放射線科(治療科・診断科)、緩和ケア科(緩和ケアチーム)などと協力して集学的治療を促進。手術では腹腔鏡を用いたがん手術を積極的に行っていて、全国規模の医師主導型多施設共同臨床試験にも多数参加している」と語る。


函館五稜郭病院の高金明典副院長



函館五稜郭病院が導入した手術支援ロボット「ダヴィンチSi」


ダヴィンチ支援手術下では、執刀医はサージョンコンソールという、いわゆるコックピットで手術を行う



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