日本人のがんによる死因トップとなっているのは肺がんだ。
北海道は肺がんの罹患率、死亡率ともに全国でもとりわけ高い地域になっている。
早期の肺がんは自覚症状がほとんどなく、症状を自覚した時点ではかなり進行しているケースが多い。
そのため治療には早期発見が重要になる。
国立がん研究センターは25日、たばこを多く吸う人や、過去に多く吸っていた50~74歳には、年1回の低線量CT検査を推奨するとの「肺がん検診ガイドライン(指針)」2025年度版を公表した。
肺がんによる死亡率が減るとの科学的な根拠が得られたため。厚生労働省は今後、自治体による住民検診など公費負担の対策型検診に反映するかどうかを検討する。
指針改定は2006年度版以来。対策型検診では現在、40歳以上のヘビースモーカーらに年1回の胸部エックス線検査をし、50歳以上はさらに痰(たん)の検査を追加している。
低線量CT検査は、エックス線を使って数十枚の胸部断面図を得る検査。放射線量は診断で使うCT検査の7分の1~3分の1に抑えられている。胸部エックス線検査と比べると10~20倍だが、がんが増えるほどの線量ではないとされる。
センターによると、胸部エックス線検査と比較するなどした欧米での試験結果から、たばこを多く吸う人への低線量CT検査は肺がんでの死亡リスクを16%下げることが分かった。胸部エックス線検査では臓器と重なって見えづらいがんや、小さな早期のがんを発見できるためとみられる。
指針では、1日20本以上かつ30年以上吸っている人を「たばこを多く吸う人」とした。
加熱式たばこは、カートリッジ1本をたばこ1本と換算。50~74歳は低線量CT検査に加え、禁煙指導もする。40~49歳、75~79歳は胸部エックス線検査を推奨し、痰の検査は、がん発見の実績が少ないことを踏まえ、検診では推奨しない。
一方、たばこを吸わない人や時々吸う人は06年度版同様、胸部エックス線検査を推奨し、対象を40~79歳とした。低線量CT検査は、死亡率が低減するとの科学的な根拠が不十分なため、対策型検診では実施しないことを推奨し、自費による任意型検診では個人の判断に委ねるとした。
肺がんは国内で年間約12万人が診断され2番目に多く、年間約7万5千人が死亡し、がんでは最多。喫煙者は肺がんの発症リスクが喫煙しない人に比べて約4倍になる。
(共同通信社より)
北海道は肺がんの罹患率、死亡率ともに全国でもとりわけ高い地域になっている。
早期の肺がんは自覚症状がほとんどなく、症状を自覚した時点ではかなり進行しているケースが多い。
そのため治療には早期発見が重要になる。
国立がん研究センターは25日、たばこを多く吸う人や、過去に多く吸っていた50~74歳には、年1回の低線量CT検査を推奨するとの「肺がん検診ガイドライン(指針)」2025年度版を公表した。
肺がんによる死亡率が減るとの科学的な根拠が得られたため。厚生労働省は今後、自治体による住民検診など公費負担の対策型検診に反映するかどうかを検討する。
指針改定は2006年度版以来。対策型検診では現在、40歳以上のヘビースモーカーらに年1回の胸部エックス線検査をし、50歳以上はさらに痰(たん)の検査を追加している。
低線量CT検査は、エックス線を使って数十枚の胸部断面図を得る検査。放射線量は診断で使うCT検査の7分の1~3分の1に抑えられている。胸部エックス線検査と比べると10~20倍だが、がんが増えるほどの線量ではないとされる。
センターによると、胸部エックス線検査と比較するなどした欧米での試験結果から、たばこを多く吸う人への低線量CT検査は肺がんでの死亡リスクを16%下げることが分かった。胸部エックス線検査では臓器と重なって見えづらいがんや、小さな早期のがんを発見できるためとみられる。
指針では、1日20本以上かつ30年以上吸っている人を「たばこを多く吸う人」とした。
加熱式たばこは、カートリッジ1本をたばこ1本と換算。50~74歳は低線量CT検査に加え、禁煙指導もする。40~49歳、75~79歳は胸部エックス線検査を推奨し、痰の検査は、がん発見の実績が少ないことを踏まえ、検診では推奨しない。
一方、たばこを吸わない人や時々吸う人は06年度版同様、胸部エックス線検査を推奨し、対象を40~79歳とした。低線量CT検査は、死亡率が低減するとの科学的な根拠が不十分なため、対策型検診では実施しないことを推奨し、自費による任意型検診では個人の判断に委ねるとした。
肺がんは国内で年間約12万人が診断され2番目に多く、年間約7万5千人が死亡し、がんでは最多。喫煙者は肺がんの発症リスクが喫煙しない人に比べて約4倍になる。
(共同通信社より)