北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
11月9日掲載のタイトルは「有島武郎とダチョウ」。
飛べない鳥「ダチョウ」が60年も生きるのはケガの治りが早く、感染症にもほとんどかからない免疫力の高さにあるようだ。そのダチョウの卵で作る抗体を染み込ませた「ダチョウ抗体マスク」が商品化されたのは2008年。ダチョウが作り出す抗体は、ウイルスやバクテリアの病原体を不活性化する能力が非常に高く、新型コロナウイルスに対応した最新のマスクも販売されている。
後志管内ニセコ町にある「第二有島だちょう牧場」はダチョウ製品の販売に力を入れ、放牧期間中はダチョウに餌やりを体験できる。乾燥させたトウモロコシの入った袋を破り、餌の与え方を迷っていると、柵から勢いよく首を伸ばして袋ごと飲み込んだ。
牧場の前身は「有島第二農場」。「或る女」や「カインの末裔」の小説家有島武郎が所有していた農場だった。有島は1922年(大正11年)、小作人による土地共有を前提として農場を無償解放、旧小作人は組合を組織して農場を運営した。その翌年、婦人公論記者の波多野秋子と軽井沢の別荘で心中したが、二人の関係は秋子の夫・春房に知られ、脅迫を受けて苦しんだ。
有島の農場にはダチョウが走り回り、情死した別荘は移転して1階はカフェになっている。イケメンの有島は妻に先立たれてから、女性にモテた。有島がダチョウのマスクをしていれば、秋子のアプローチを防ぐことができたかもしれない。(メディカルはこだて発行人・編集人)
「第二有島だちょう牧場」のダチョウ
11月9日掲載のタイトルは「有島武郎とダチョウ」。
飛べない鳥「ダチョウ」が60年も生きるのはケガの治りが早く、感染症にもほとんどかからない免疫力の高さにあるようだ。そのダチョウの卵で作る抗体を染み込ませた「ダチョウ抗体マスク」が商品化されたのは2008年。ダチョウが作り出す抗体は、ウイルスやバクテリアの病原体を不活性化する能力が非常に高く、新型コロナウイルスに対応した最新のマスクも販売されている。
後志管内ニセコ町にある「第二有島だちょう牧場」はダチョウ製品の販売に力を入れ、放牧期間中はダチョウに餌やりを体験できる。乾燥させたトウモロコシの入った袋を破り、餌の与え方を迷っていると、柵から勢いよく首を伸ばして袋ごと飲み込んだ。
牧場の前身は「有島第二農場」。「或る女」や「カインの末裔」の小説家有島武郎が所有していた農場だった。有島は1922年(大正11年)、小作人による土地共有を前提として農場を無償解放、旧小作人は組合を組織して農場を運営した。その翌年、婦人公論記者の波多野秋子と軽井沢の別荘で心中したが、二人の関係は秋子の夫・春房に知られ、脅迫を受けて苦しんだ。
有島の農場にはダチョウが走り回り、情死した別荘は移転して1階はカフェになっている。イケメンの有島は妻に先立たれてから、女性にモテた。有島がダチョウのマスクをしていれば、秋子のアプローチを防ぐことができたかもしれない。(メディカルはこだて発行人・編集人)
「第二有島だちょう牧場」のダチョウ