最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

陽(シ)コあだネ村

2011年10月07日 15時57分49秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。9月28日掲載は「陽(シ)コあだネ村」。


 フランス語と聞き間違えるテレビCMが話題となった津軽弁。難解な方言として知られているが、その響きは忘れていたような感動を与えてくれる。
 弘前公園近くの郷土文学館には「方言詩コーナー」があり、津軽の詩人が方言で作った詩を地元の人の朗読により聞くことができるが、その中でも高木恭造の「陽(シ)コあだネ村」は頭の芯をしびれさせる。陽の当たることのないさびれた漁村。そんな村の独りの古老が「みんな貧ボ臭せくてナ 生臭せ体コしてナ」とつぶやく方言詩はあまりにも強烈だ。
 昭和6年に刊行した方言詩集「まるめろ」で知られる恭造は満州医科大学を卒業後、眼科医となり、終戦後は満州から引き上げて弘前市内で眼科医院を開業する。医学と文学を並行させた彼は詩や小説などの創作活動も続けたが、方言の閉鎖性を超えた彼の方言詩は英訳されるなど海外にも紹介されてきた。
 数学者でエッセイストの藤原正彦さんは、文学館の方言詩の朗読を「余りの感動に打たれた私は立ち上がることができず何度も聞いてしまった」と新聞のコラムに書いていたが、私も同じ気持ちで何度も聞いた。藤原さんは方言を話す男性なら誰でも信用しそうになるし、女性なら惚れそうになるとも書いていたが、津軽弁に関してはまったく同意見である。 県外者には標準語を話す津軽の女性も、イントネーションだけは津軽弁だ。その津軽弁が大好きだ。   
             (メディカルはこだて発行・編集人)

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緑の島からの夜景

2011年10月04日 18時06分45秒 | 函館・道南情報
函館港の「緑の島」にはヨットハーバーがあり、ヨットでの小さなパーティーに誘われた。
港の夜景は眼の高さから眺めるとまた違った美しさのあることがわかった。
下は金森赤レンガ倉庫。



ヨットから見上げる函館山山頂の明かりは小さくて淡い。
ヨットを揺らす風はワインを飲みすぎた身体もゆっくりと揺らしてくれた。
心地よさは風なのか、それとも酔いなのか判別がつかなくなる。
夜の時間はゆっくりと過ぎていく・・・


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