最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

ルルドの洞窟のある当別丸山

2007年11月15日 17時09分15秒 | 山歩き・散歩・温泉
函館の隣町である旧上磯町(現・北斗市)の当別トラピスト修道院の裏にしっかりとした形容を誇示している山が当別丸山だ。500mに満たない標高だが、独立峰であるので函館からはその姿をはっきりと眺めることができる。
雨上がりの文化の日にこの当別丸山を登ってきた。一緒に登ったのはお馴染みの?Yさんである。
海岸線の国道から踏み切りを渡り、坂を登っていくとまっすぐな道の奥に修道院の建物が見える。建物の手前に一般観光客向けの駐車場があるが、登山やルルドの洞窟を訪れる場合は修道院の建物の左側を回ってさらに奥へと進むと行き止まりのゲートがありそこに車を停めることができる。
同修道院の正式名は「厳律シトー会灯台の聖母大修道院」で、日本最初の男子修道院として知られている。
聖母が一人の少女の前に現れたという地がフランスにある「ルルドの洞窟」で、この丸山にもその「ルルドの洞窟」が作られている。

 
ルルドの洞窟(写真右はYさん)

登山口であるゲートからは農地の中の舗装道路を進む。右手に十字架の並ぶ墓地があり、牧草地に沿って道は続いている。牧草地から杉林になり、少し歩くと階段のある分岐点があり、ルルドの洞窟までは階段が近道となっている。
洞窟前のベンチでひと休みをして、いよいよ山道を登り出す。この日はとても呼吸が苦しかった。原因は二日酔いで景色を楽しむよりは落葉ばかり見つめて歩く。落葉を踏み締めながらの登りは快適なはずだが、二日酔いの苦しい呼吸と噴き出す汗によって頂上までは試練の道程となった。
杉林がブナ林となると斜面も急になる。途中何度も休んだが、これだけ多く休憩した山登りは初めてだ。


写真左は小径のブナ林、右は山頂

傾斜も緩んできてようやく頂上に達した。360度の展望が得られる一等三角点の山からは函館近郊の山々がくっきりと見渡すことができる。
四角いコンクリート製の柱がある。天測点と呼ばれるもので星(恒星)を観測して座標(経度、緯度)を決める測量(天文測量)に使用したそうだ。昭和26年から昭和33年の5年間で全国に48点を設置、道南には写万部山にもある。
Yさんがシートを広げてくれたので寝転がり青い空と急ぎ足の小さな白い雲をぼんやり眺めていた。
帰路は途中で別の道に入りベンチが設置されている展望台に立ち寄る。ここからは修道院の全貌を見下ろすことができる。


函館山

下山後の温泉は木古内にある「枕木山荘」に立ち寄った。
ここの温泉は冷泉で二つの井戸の源泉から湧出。泉温は十三度、暖めなおして使われている。
現在、この枕木山荘を営んでいるのは横浜から移り住んだ松橋さん家族。夫の重美さんは秋田生まれで、和食の調理人としてのキャリアは長い。妻の月瑞さんは台湾生まれ。来日して静岡県で同じ会社に勤めていた重美さんと知り合い結婚した。
入浴の後は山菜そばを食べる。Yさんが台湾出身の月瑞さんといきなり中国語で話を始めた。
Yさんは大学時代に1年間台湾への留学経験のあるそうで、その流暢な中国語にはとても驚いた。
山と温泉ですっかり二日酔いも霧散。新しい気持ちと身体でまたお酒が飲めそうだった。


写真左は展望台からの修道院全景、右は「枕木山荘」の玄関

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