最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

汗まみれの山登り

2007年08月23日 11時04分08秒 | 山歩き・散歩・温泉
真夏の太陽がぎらぎらに燃え盛っていた先週のある日、汗まみれになって山登りをしてきた。
激しい日焼けの後、顔と耳に続いて現在は両腕が皮のむけかかった見苦しい状態が続いている。
歩いてきたのは袴腰岳(はかまごしだけ、1108.3m)。隣の横津岳は航空レーダー基地が作られてから登山の対象とはならなくなったが、その横津岳と袴腰岳を結ぶ縦走路が復活してからは毎年整備も行われていることもあって、多くの登山者が訪れるようになった山である。行程は往復4~5時間程度。


航空レーダー基地(写真左)と関連のアンテナ施設(写真右)

快晴のしかも30度を超える真夏に登る人などそう多くはないはずと思っていたが、スキー場上のゲート前の駐車場には10数台の車がある。
この近くには昭和46年に墜落事故があった「ばんだい号」の避難者慰霊碑が建っている(旧東亜国内航空のYS-11が横津岳に墜落、乗員・乗客68名が犠牲になった)。
出発点であるゲートからは舗装道路を歩くが、周りは低い木しかないので見通しはよい。航空レーダーの手前にある縦走路の分岐点までは30分。分岐後もしばらく舗装道路が続くが、レーダー基地関連のアンテナ施設があるためだ。この最後の施設の裏側が縦走路の入口ともいうべき笹の刈り分け道となる。
道南地域の山では珍しく広大な尾根に道が続いていてとても気持ちがよいが、陽射しを遮る場所がないだけに容赦のない太陽の光は激烈そのものだ。途中には湿地帯があって、小さな沼もある。以前はその場所まで行くことができたが、今は手前にロープが張られていて遠くから眺めるだけだ。やはり足を踏み入れることなくそっとしておかなければいけない。


ここから下り、急斜面を登って袴腰岳(写真)へと向う

湿原からはゆっくりとした登りが続いていてほどなく烏帽子岳への分岐点。袴腰岳へは一度、急な道を下りコルへ。この辺りはダケカンバの林が木陰となっていて山の涼しさを堪能できる場所だ。ぐったりと休んでいる登山者もいた。少し休憩して水を飲むが、すでにぬるま湯となっている。
コルからは行程中で最もきつい部分である急斜面を登る。頭から汗が流れるように噴き出して眼があけられない。それでも吹き抜ける風は下界のそれとは違っている。登りきったところからいくつかピークを過ぎて頂上に到達する。午後から登ったので山のてっぺんではひとりぼっちだ。
山裾にはヒグマも多く生息する。この山にはダム(新中野ダム)の上流から登るコースがあるが、その途中の三角山でヒグマの真新しい糞に出会ったことがある。人の気配を察知してすぐに笹原の中に移動したのであろうが、遭遇直前であったことは間違いない。それにしても道の真ん中ですることはないよなあとも思ったが、ヒグマにしてみれば一番いい場所だったのだろう。


袴腰岳頂上(写真左)、靄にかすむ函館山(写真右)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花火とカメ

2007年08月02日 16時26分18秒 | 函館・道南情報
函館港まつりが昨日開幕したが、初日の目玉である花火大会が同日夜、緑の島(函館市大町)で行われた。
新聞によると打ち上げ数は道内最大規模の約1万発。函館港の豊川埠頭などには浴衣姿の家族連れら約7万人が訪れ、次々と繰り出される色とりどりの花火に歓声を上げていたそうである。
この花火大会は50年以上も前から開催されていて、小学生の頃には毎年のように港の岸壁近くまで行った憶えがあるが、その後は一度も見たことがない。
昨夜は花火が始まる午後8時にちょうど取材が終わり、8時半頃には五稜郭公園(堀の外側)を走っていたが、公園の北側で大きな花火の音が連続して聞こえてきたのでその方向に眼をやると空に光の渦が広がっていた。
遠くの低い空の花火ではあったが、久しぶりの光のショーをしばらく眺めていた。
音が止んだので走り出すと、地面を何か黒い生き物が動いているのに気がついた。
カメだった。
堀に向かって、カメとしては急ぎ足で歩いているようだ。おそらく堀から公園の外を散歩したが、やっぱり住処が恋しくなって戻ってきたのだろう。
きっとカメはお祭りの縁日などで売られているもので、飼ってはみたが面倒になって公園の堀に放したものに違いない。泳いでいるカメを見たこともあるが、そうしたカメが相当数住み着いているはずだ。
堀の石垣はほぼ垂直で2メートル以上の高さがある。どうやって水に戻るのだろうと薄明かりの中で眺めていたら、石をがりがりさせる音のすぐ後で「ポチャーン」という音がした。
ダイビング? 飛び下りたというか、落ちたのだ。
花火はまだ続いているようだがランニングを再開。蒸し暑い夜の空気が身体中を包み込んで猛烈に汗が噴き出してくる。
刹那的なものの代表である花火と長寿のシンボルとされるカメの両方に偶然にも出会うことができた貴重な真夏の夜となった。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする