年1回の「別冊」を今年も発刊しました。
前回(2011年2月)は「医療費のしくみ」をテーマにして日本の医療保険制度や医療保険制度の仕組み、医療費の患者負担、診療報酬の基本、高額療養費制度などについて解説。また、DPCを導入している市立函館病院、函館五稜郭病院、函館中央病院の実際の疾患例を基にして医療費を算出。具体例として脳梗塞の治療や急性心筋梗塞の手術、腹部大動脈瘤の治療、胃がんの手術、大腸がんの手術など9疾患を取り上げました。
今回は「病院をどう選ぶか」をテーマに、函館市内の医療機関等を、医療費の定額支払い制度を採用しているDPC(診断群分類包括評価制度)対象病院・準備病院、DPC以外の病院、診療所等などに分けて、昨年1年間の手術数や治療実績を紹介します。
病院で治療を受ける場合、患者が自分に最も適した「良い病院」をどのように選んだらいいのだろうか。病院選びには、友人・知人などからの口コミ、新聞・雑誌の広告や記事、病院のホームページ、かかりつけ医からの紹介などがありますが、こうした様々な情報に加えて、患者が病院を選ぶ際に手術数や治療実績を基準とする考え方が注目されるようになってきました。それは手術数や治療実績が多いほど病院の「医療の質」が高いのではないかということが認められるようになってきたからで、最近では新聞社や出版社からの手術数に基づいて選んだ病院ランキングに関する書籍や雑誌等が相次いで出版されるようになっています。
手術数が病院選びの基準になると考えられる理由は、手術数の多さが医療技量の高さに結びついているという研究等もあって、そのような認識が広く知るようになってきたこと。そして、手術数の多いことが看護師や診療放射線技師、理学療法士などの医療スタッフを充実させ、同時に手術経験も増えることから、術後のケアやリハビリなど病院トータルの「質」の高さが期待できるようになってきているからです。
取り上げた医療機関
「DPC対象病院・準備病院」は市立函館病院、函館市医師会病院、函館五稜郭病院、函館新都市病院、函館中央病院、函館脳神経外科病院
「DPC以外の病院」は秋山記念病院、江口眼科病院、国立病院機構函館病院、函館協会病院、函館渡辺病院
「診療所等」はすどうスキンクリニック、函館整形外科クリニック、函館泌尿器科、川瀬デンタルクリニック、吉田歯科口腔外科、益井東洋治療院
また、今回は前回と同様に小誌の創刊号から最新の第43号までに掲載したものを疾患別にまとめた「この病気には、この病院が、この医師が」
函館や近郊にある病院と診療所の住所や電話番号、診療科目を紹介した「函館市(北斗市・七飯町)の病院と診療所の一覧」
病院や診療所を選ぶ際の参考となるように各医療機関の特色や、診療所であれば院長の経歴や所属学会などの情報をコンパクトにまとめた医療機関ガイドの「医療機関選びは、この詳細情報で」についても再編集をして紹介しています。
別冊は114頁、880円。函館市内の書店やローソンで発売中。