最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

病気とユーモア

2017年02月27日 18時15分07秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
2月6日掲載のタイトルは、「病気とユーモア」。



 昨年12月から今年1月にかけて、パーキンソン病やリウマチ、透析、脊髄小脳変性症、脳外傷、がんなどの患者会の代表や事務局担当者に話を聞いた。
 手のふるえや転びやすいなどの症状で知られるパーキンソン病の患者会は、月2回の例会を行っている。例会では函館の会員が作詞した「パーキンソンて何さ、泣きたくなったら泣けばいいい、涙の数だけ笑えばいい」を参加者全員で歌う。
 代表のKさんは小学校の元教員。黒板に字を書く際にチョークを落とす回数の多さから病気が見つかった。Kさんは「病状が進行して、特にこの2、3年の進み方は急ですよ」と話すが、カラオケの話題になると一緒に歌いたくなるほど楽しい雰囲気になった。
 であい友の会は脊髄小脳変性症と多系統萎縮症の患者会。運営委員のYさんは元僧侶で、永平寺の厳しい修行や托鉢で日本一周をした話には、メモを忘れて聞き入った。
 Yさんにふらつきなどの症状が現れたのは50歳を過ぎてから。檀家からお酒を飲んでいると寺に苦情が入るようになる。「私は僧侶のプロからアマになったが、尼ではない」。そう話すYさんの笑顔は少年のように輝いていた。
 KさんやYさんも含めた全員に共通しているのは驚くほど明るい表情とユーモアあふれる話をしてくれたこと。辛さや失望をユーモアに転換する心をもつことが、病気に負けない人生を作り出していると確信した。
                                      (メディカルはこだて発行・編集人)




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