最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

第25号は6周年記念号

2007年09月25日 08時57分40秒 | メディカルはこだて
小誌「メディカルはこだて」の第25号「6周年記念号」を発刊しました。
すでに昨日中には道南の主な書店の店頭には並べられているはず。
初めて拙い絵を表紙にしなかったことで、早速、感想や意見なども寄せられていたが、
やはり少し勇気が必要だったことは確かである。
「上手になったらだめよ」というアドバイスそのままの「才」を発揮してきた訳だが、
ヘタな絵だからこそ逆に目立ったのだろう。
編集内容や編集デザインなども少しづつリニューアルしてきた。
でも変えるモノ、そうでないモノのメリハリはもっと明確に大胆にやることも
必要なのかもしれない。
とにかく6年間多くの人のお世話になってきた。
お礼はこの雑誌を発展させながら継続させることだとおもっている。



特集は「気になる女性の悩み」。
女性患者の訴えは多岐にわたることが多い。月経や妊娠、更年期など女性には独特の生理現象が起こることもその要因となっているが、40歳以降になってくると閉経によるホルモンバランスの変化から体調の異常を引き起こすことが少なくない。
自分の体のことは意外とわかっていないもの。どうも変だなあと感じても、病院に行くべきかどうか判断がつかないために受診を遅らせてしまったり、痛みも少しぐらいならと我慢を続けている女性は多いはずだ。
今回から3回のシリーズで「気になる女性の悩み」をテーマに、女性特有の病気から貧血や肩こり、頭痛、腰痛など様々な病気を取り上げる。また、このシリーズでは微妙な症状も詳しく解説するので、気になる身体や心の悩みがよく理解できるようになるはずだ。
第1回は喘息の薬と妊娠・出産、乳がん術後の辛い後遺症、尿漏れなど下記の8つの「気になる悩み」について、その症状や治療法を紹介する。

■喘息の薬と妊娠・出産 金井晶子(市立函館病院呼吸器内科医長) 
■乳がん術後の辛い後遺症を解消 早川善郎(函館五稜郭病院外科主任医長)
■尿漏れで悩む中高年女性 丹田勝敏(函館中央病院泌尿器科診療部長)
■おすそ(陰部)がかゆい 小葉松洋子(湯の川女性クリニック院長)
■五十肩って何ですか? 永澤雷太(函館五稜郭病院整形外科医長)
■頭痛持ちの人生を変える薬 佐藤 茂(函館脳神経外科病院診療部長)
■手足の水ぶくれや痒み 梅木 薫(うめき皮膚科院長)
■多彩な症状を惹き起す貧血 阿部雅一(函館中央病院血液・腫瘍内科科長)

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バブル期だったからこそ誕生した

2007年09月20日 09時55分19秒 | その他
ザ・ウィンザーホテル洞爺

洞爺湖の温泉街から山の上のその特徴的な建物の上部が見える。「ザ・ウィンザーホテル洞爺」だ。来年の主要国首脳会議(G8サミット)で首脳会合の会場に決まって以来、宿泊客に加えて日帰り客も大幅に増加しているようだ。その日帰り客の一人としてホテルを覗いてきた。
バブルの象徴から再生のシンボルと言われている同ホテルだが、開業は1993年の6月、「エイペックスリゾート洞爺」という名前だった。札幌の建設会社カブトデコムが700億円もの巨額を投じて建設したが、資金の大半は北海道拓殖銀行が融資した。会員制ホテルとして話題にもなったが、拓銀は会員集めに企業を回っていて、函館のある経営者も数千万円もする会員権や拓銀のバブル熱に冒された異常さから「預けていた金をすべて他の銀行に振り分けた」という話を聞いたことがある。
ホテルは洞爺湖に西方にある山(標高656メートル)に建っているが、間近で見るそれは豪華客船のイメージそのものだ。威容であって、同時に異様でもある。ロビーに入るとその印象はもっと強くなるが、イタリア製の大理石と正面の大きなガラス窓から眺める洞爺湖の景色はリゾートホテルとして申し分ないのかもしれない。
エイペックスの時代から5~6回は泊ったことがある知人にも聞いたが、国内のホテルでは設備の豪華さはやはり半端ではないようだ。バブル期だったからこそ誕生したホテルだったのだろう。

正面の大きなガラス窓から眺める洞爺湖
コメント (4)
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大腸がんの新治療薬「アバスチン」、市立函館病院では10人の患者に治療開始

2007年09月19日 17時49分19秒 | メディカルはこだて
日本でも患者団体などから早期承認を求める声が上がっていた大腸がんの新しい治療薬「アバスチン」。6月より厚労省の承認を受け全国のがん専門医療機関の一部で使われ始めたが、市立函館病院(函館市港町)ではこれまでに10人の患者にアバスチンによる治療を行っている。
抗がん剤の多くは血液の中に入って全身をめぐり、がん組織を直接攻撃するが、その際にはがん組織だけではなく正常な細胞にも作用がおよぶことからさまざまな副作用が起こる。アバスチンはこのような従来の抗がん剤とは違う「分子標的薬」と呼ばれる新しい薬だ。
同病院消化器科医長の畑中一映医師は「私たちがとった栄養や酸素は、全身にはりめぐらされた血管というパイプにより身体の組織に届けられます。がん組織は正常な組織と同様に栄養をとって成長しますが、大きくなるスピードが早いことから元々あるパイプからの栄養では足りずに、自分専用の新しいパイプを従来のものにつなげてしまいます。これが血管新生で、アバスチンはこれを阻止する薬剤なのです」と話す。
つまり血管新生阻害剤と呼ばれる新しいタイプの薬であるアバスチンは、がん組織を栄養不足や酸素不足にして追いつめるという、これまでの抗がん剤とは異なるメカニズムで働いているが、がん組織は栄養や酸素を絶つだけではしぶとく生き残ってしまうため、アバスチンを使用するときは抗がん剤と一緒に使用される。
大腸癌の化学療法は抗がん剤のオキザリプラチン、イリノテカン、5-FU、抗がん剤の効果を高めるアイソボリンのうち、組み合わせによって、FOLFOX、FOLFIRIなどと呼ばれる治療法がある。
「アバスチンはFOLFOXやFOLFIRIなどと一緒に使うことで病状の悪化を防いだり生存期間を延長させることができます。がん細胞が広がらないことによる延命効果に関してはFOLFOXやFOLFIRIによって平均寿命が約21ヵ月間にまで延びていますが、アバスチンによりさらに数ヵ月以上の延命効果が見込まれます」(畑中医師)。
大腸がんの患者にアバスチンは使用されるが、そのすべての患者が対象となる訳ではなく、大腸がんでも治癒切除不能な進行性の場合、それと再発した大腸がんの場合に限られる。また脳に転移があったり、胃潰瘍や高血圧症など、治療について慎重に検討しなければいけないケースもあるという。


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経腸栄養管理(EN)に関する総合情報サイトが開設

2007年09月04日 08時06分23秒 | メディカルはこだて
高齢化の進展に伴って栄養管理の重要性は一層高まっているが、アボットジャパン(本社・東京都)では、栄養管理の質の向上を支援することを目的に、栄養管理に携わる医師やコメディカル、患者のための経腸栄養管理(EN)に関する総合情報サイト「EN-sure.jp」を開設した。
(アドレスは http://www.en-sure.jp)
このウェブサイトには栄養管理全般に関して臨床現場で役立つ実践的な情報が豊富に掲載されている。
具体的には①経腸栄養管理の「処置」を緊急時でも素早く探せる「Emergency Room」。②患者教育に利用できる経腸栄養に関する手技ビデオ「Video Library」。③医療施設の栄養管理奮闘録「MY NST~NSTのある風景~」。④栄養に関するカロリー計算やSGAシートなどの医療現場の必携ツール「Tools」など七項目がある。アボットジャパンでは栄養管理で全国的に活躍している医師をピックアップして同サイトを作成、北美原クリニックの岡田晋吾理事長も監修者の一人として参加している。

岡田晋吾理事長が監修した経腸栄養に関する手技ビデオ

「勉強する機会が少ないない訪問看護師などは、このサイトを利用することで基礎知識を得ることが可能になるでしょう」と岡田理事長は話す。監修したビデオは経腸栄養に関する手技マニュアルで、同クリニック看護師の駒谷末季さんと葛西亜希子さんの二人が手技を実演している。
撮影は北美原クリニックの透析室を使用して行われた。

 ビデオで手技を実演した駒谷末季さんと葛西亜希子さん

「東京から来たのは患者さん役のモデルやメーキャップアーチストなど十人くらいのメンバーで、土曜日の診療終了後から始めたのですが、終わったのは夜中の十一時過ぎでした」と駒谷さんは撮影時を振り返る。
「普段、行っていることをそのままビデオに撮っていくのですが、手技の場面毎に撮影するためにとても時間がかかりました。こういう経験は初めてで緊張しましたが、実技の演技は完璧でした」と話すのは葛西さんだ。
ビデオの概要を駒谷さんに説明してもらう。
「経管経腸栄養の手技や経管経腸栄養の日常のケア、流動食の固形化に分かれています。また、それぞれにバルーン・チューブ型やバルーン・ボタン型などPEGの種類毎に紹介していますので、担当する患者さんが使っているPEGについてすぐにわかるようになっています」
葛西さんは「ビデオ撮影は自分も勉強になりました。それとコメディカルにとっては患者さんの退院時に教育用としても利用できますよ」とアドバイスする。
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