最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

第45号が発刊しました

2012年11月30日 21時40分50秒 | メディカルはこだて
「メディカルはこだて」第45号が発刊した。



特集は「重要性が高まるがんのリハビリテーション」
機能障害やADLの回復、あるいはQOL向上を目指した医学的リハビリテーションの重要性は一般にも浸透してきたが、がん医療の分野でもリハビリテーションの取り組みが必要とされている。がんは「不治の病」から「治る時代」へと進んできたが、それと同時にがん患者は年々増加し、リハビリテーションの医療現場でも、がんにともなう身体障害の軽減や運動機能低下の予防等はリハビリテーションの主要な治療対象となってきた。
2010年度診療報酬改定で、がん患者リハビリテーション料が新設された。がん患者が手術・放射線治療・化学療法等の治療を受ける際、これらの治療によって合併症や機能障害を生じることが予想されるため、治療前あるいは治療後早期からリハビリテーションを行うことで機能低下を最小限に抑え、早期回復を図る取り組みを評価するもの。がん患者リハビリテーション料の届出をしている函館の3病院のセラピストに話を聞いた。
インタビューしたセラピストは下記の3人です。
■成田芳行(市立函館病院中央医療技術部リハビリ技術科理学療法士)
■森山武(市立函館病院中央医療技術部リハビリ技術科理学療法士)
■武藤綾郁(函館五稜郭病院リハビリテーション科理学療法士)

「詳しく知りたい」のコーナーは軽症うつ病に関して。
日本うつ病学会は7月に国内初となるうつ病のガイドラインを発表した。うつ病の治療に関しては、10年以上前にまとめられた精神科薬物療法研究会の「気分障害の薬物治療アルゴリズム」が広く浸透してきたが、この10年間でうつ病患者が増加しているほか、軽症うつ病での新規抗うつ薬の有効性をめぐり国際的な議論もあった。そのため、最新のエビデンスを盛り込み、さらに現在の医療体制や日常臨床の実情を考慮した学会としての初めてガイドラインが作成された。今回はこのガイドラインから主に軽症うつ病について、伊藤メンタルクリニックの伊藤匡院長に話を聞いた。

「Interview(インタビュー)」は下記の話題をピックアップ。
■函館五稜郭病院は肝がんに腹腔鏡手術で50例の実績
舩渡治(函館五稜郭病院外科主任医長)
■血液で調べるABC検診は手軽さがメリット
原田博幸(はらだ内科消化器科クリニック院長)
■地震や津波などの大災害に備える体制作りの取り組み
鈴木勝雄(五稜郭ネフロクリニック院長)

「メディカルはこだて」第45号は市内及び近郊の書店やコンビニ(ローソン)で発売中。

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鳴海周平さんの著書「健康の基本~心と体を健康にするカンタン習慣63」が出版

2012年11月29日 09時53分57秒 | 函館・道南情報
 「メディカルはこだて」創刊時からの知人で、私が尊敬する一人でもある鳴海周平さん(札幌市在住)の初めての著書である「健康の基本~心と体を健康にするカンタン習慣63」がワニ・プラスから出版された。
 乙部町出身の鳴海さんは「自然の恵みそのままお届けしたい」というコンセプトで、こころとからだを癒す本物商品の開発を行っているエヌ・ピュア(札幌市)を経営しているが、同時に健康や養生法を研究し、道内の情報誌やテレビ、ラジオなどで「心と体の健康」について情報発信を行ってきた。
 鳴海さんの著書が誕生するきっかけは、健康情報の連載のエッセンスをブログやツイッターで発信していた内容が出版社の目に留まったこと。興味をもった編集者から「面白いので本にしませんか?」と依頼された鳴海さんは約3カ月を費やして準備を進めてきた。
 鳴海さんが大切な理念としてきたものは「自然の摂理に適った生活」。自然の一部である人間は自然の摂理に適った食べものなどで心身ともに本来の健康体となることができるという想いからの理念である。本書はこうした理念のもとで鳴海さんが今まで出会った健康情報の中から実践してみて勧めることのできるものや長寿者の例、自然界の法則などから学んだことに基づいて紹介している。
 「からだが教えてくれること」「快食のコツ」「漢字が教えてくれること」「快眠と快便のコツ」「先人たちが教えてくれること」「長寿者に学ぶ健康のコツ」「自然が教えてくれること」の7つの章に分かれているが、どの章から読み始めても「自然の摂理」に適うような生活へと導いてくれる。
 また、人間をまるごと診る「ホリスティック医学」の第一人者である帯津三敬病院の帯津良一名誉院長が監修者となっていて、各章毎に帯津氏の「養生講話」と巻末には帯津氏との対談も掲載している。この対談「いのちのエネルギーを高める養生法」については、「メディカルはこだて」でも2回に分けて紹介する。
 帯津氏は本書について「養生法の真髄がこれほどわかりやすく書かれていることに感心して読みました。こころとからだと魂が癒される素晴らしい本」と絶賛している。
 本書の価格は1,470円で全国の書店で販売されている。

「健康の基本~心と体を健康にするカンタン習慣63」(ワニ・プラス)

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死者のおくりかた

2012年11月21日 19時23分35秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。11月1日掲載のタイトルは「死者のおくりかた」。



 人類初の月面着陸に成功し、8月に死去した米宇宙飛行士のニール・アームストロング氏が故人の遺志で海に水葬される。このニュースから水葬をイメージしていると、奥会津での土葬の風習を取り上げたTV番組を思い出した。特に縦長の木棺に手足を曲げて座らせるように入れる場面は印象に残った。
 葬送は時代とともに変化してきたことや様々な方法があることを「世界の葬送」(松濤弘道監修)は教えてくれる。戦前までは日本も土葬が一般的だったが、日本の土葬には体を伸ばした姿勢で埋める方法と、私が見た手足を曲げる屈葬があった。屈葬の理由は胎児姿勢説と死霊の動きを拘束するという説が有力視されている。
 閉所恐怖症も理由のひとつだが、死んで火葬炉に入りたくない。自然まかせに風化させる風葬や鳥が天高く肉体を運んでくれる鳥葬が好ましい。
 「世界の葬送」によると、風葬は沖縄の神の島と呼ばれている久高島で1960年代まで行われていた。この島の風葬地の光景ばかりか棺のふたを開けて遺体を撮影、発表したのが岡本太郎だったと初めて知る。島の人々は激しいショックを受けた。遺族の中には精神に異常をきたす人もいてそれ以降、風葬は廃止される。日本には水葬もあった。昔、出雲では子どもや妊婦が亡くなると、再生を願い遺体を石棺に入れて宍道湖に沈めた。
 宍道湖は心にしみる色をしているが、再び訪れるときには別な色に感じるかもしれない。
                         (メディカルはこだて発行・編集人)

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