最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

「医療費のしくみ」をテーマとした「別冊」を発刊

2011年02月22日 18時15分03秒 | メディカルはこだて
昨年12月に予定していた「別冊」をようやく発刊することができた。



前回(2009年6月)は「救急」をテーマに函館市の救急医療体制や救急蘇生法の手順、
夜間や休日の当番医の調べ方、小児電話救急相談の案内、さらには頻度の高い急な症状やケガ、
こどもの急病にどのように対応するかを簡潔でわかりやすい形式にまとめたが、
今回は「医療費のしくみ」を取り下げ、「日本の医療保険制度」「医療保険制度の仕組み」
「医療費の患者負担」「評価療養と選定療養」「急性期病院は出来高請求からDPCへ」
「診療報酬の基本」「高額療養費制度」について解説した。

函館でも急性期病院の多くがDPCを導入したことから、胃がんなど手術・入院した患者の
医療費は「定額払い」により行われている。がん等の場合は医療費が高額となり、自己負担の
限度額以上を支払った際に、限度額を超えた分を払い戻してくれるのが高額療養費制度で、
公的健康保険に加入していると誰でも高額療養費の払い戻しを受けることができる。
それでは胃がんで手術した場合の実際の医療費はどのくらいかかるのか。
DPCを導入している市立函館病院、函館五稜郭病院、函館中央病院の実際の疾患例を基にして
医療費を算出してみた。具体例で取り上げたのは「脳梗塞の治療」「脊柱管狭窄の手術」
「急性心筋梗塞の手術」「腹部大動脈瘤の治療」「内視鏡的結腸ポリープの手術」
「胃がんの手術」「大腸がんの手術」「乳がんの手術」「子宮頸がんの手術」の9疾患。


また、今回は前回と同様に小誌の創刊号から最新の第37号までに掲載したものを疾患別にまとめた
「この病気には、この病院が、この医師が」、
函館や近郊にある病院と診療所の住所や電話番号、診療科目を紹介した
「函館市(北斗市・七飯町)の病院と診療所の一覧」、
病院や診療所を選ぶ際の参考となるように各医療機関の特色や、診療所であれば院長の経歴や
所属学会などの情報をコンパクトにまとめた「医療機関選びは、この詳細情報で」についても
再編集をして掲載している。

価格は880円で、道南の主要書店や函館市内や周辺のコンビニ(ローソン)で販売中。


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「箱館はじめて物語」を自費出版

2011年02月22日 12時26分50秒 | 函館・道南情報
郷土の歴史を学び、再発見をテーマに活動を続けている「箱館歴史散歩の会」を主宰する
中尾仁彦さんが、昨年12月に同会の活動50回を記念して「箱館はじめて物語」を自費出版した。

 「箱館はじめて物語」,B5版、88ページ、定価は600円

中尾さんは病院在職中の50代から『生きる糧』探しを始め、子供の頃から興味があった
『我が町・函館』の歴史を学ぶようになった。休日を利用して図書館へ通い、新聞の
スクラップや講演会への参加など、知識の習得に時間を費やしてきた。
平成17年に63歳で退職後は、いよいよ本格的な取り組みを開始するが、もう一つの趣味で
ある若い頃からのウオーキングとドッキングした活動を地域で取り組めないかと模索したのが
「箱館歴史散歩の会」の始まりとなった。
同会の活動の中心地は函館の発祥地・西部地区。いたるところに埋もれている歴史の
『再発見』をテーマに掲げていて、毎月2回、函館市地域交流まちづくりセンターから
約2時間半かけて高田屋嘉兵衛やぺリー、箱館戦争、石川啄木等の縁の地などを歩きながら
解説を行っている。
自費出版した著書は、小誌(メディカルはこだて)に計30回にも及ぶ連載を行った
「函館歴史物語り」に加えて、函館市地域交流まちづくりセンターの広報誌「はこまち通信」
などに掲載された分を加筆、修正したものである。
「今後も魅力ある函館の歴史と文化をありのまま後世に伝えていく語り部でありたい」と
中尾さんは話している。
「箱館はじめて物語」はB5判、88頁で1,000部発行した。
定価は600円で、函館市地域交流まちづくりセンタ1階のカフェ・ドリップドロップで販売中。

 
「箱館歴史散歩の会」で西部地区を散策しながら参加者に説明をしている中尾仁彦さん

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いらっしゃいませ、患者様

2011年02月22日 11時17分38秒 | 新聞コラム
北海道新聞の道南版「みなみ風」の「立待岬」。
2月3日の掲載は「いらっしゃいませ、患者様」。



題名にそそられて購入していたDVDの「いらっしゃいませ、患者様」を見る。
内容は病院経営がテーマのお色気コメディーだった。
無気力な近馬仲喜(渡部篤郎)が院長となった近馬記念病院は、医師に次々に去られ
倒産寸前。この病院に銃弾で撃たれた患者の恩地明郎(大友康平)が運ばれて来たが、
恩地は風俗業界専門の立て直し屋で、命を助けてもらったお礼にと病院の再建を買って出る。
恩地の経営方針は「病院はサービス業、患者様はお客様」。次々と導入されるエッチで
ユニークなサービスの提供によって患者の数は急増し、病院経営も回復するが、病院譲渡を
狙う債権者や国の監査官が病院へ乗り込んでくる。
キャストは原沙知絵や渡辺えり子、藤岡弘、小日向文世などぜいたくだが、高い点数は
付けられないストーリーだ。それでも「ナース指名制」「同伴人間ドック」「同伴CT
スキャン」「口移しバリウム」「ひざ枕点滴」といったサービスは、キャバクラ好きの
お父さんにはこたえられないものに違いない。
病院はサービス業とは一線を画すが、お客の立場になって親身に案内をする「コンシェルジュ」
はホテル業界だけではなく病院も採用するところが増えている。病院のコンシェルジュに
求められるのは患者をリラックスさせて気持ちよく治療に臨ませることだ。過剰なサービスは
必要ないが、心配りなら多過ぎても困らない。
(メディカルはこだて発行・編集人)

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第38号(冬号)が発刊

2011年02月22日 10時29分20秒 | メディカルはこだて
「メディカルはこだて」第38号(冬号)が1月下旬に発刊した。



特集は、「普及する鼻から入れる内視鏡検査、患者はもう苦しくない、経鼻内視鏡の利点と欠点」

従来の(経口)内視鏡に比べて、苦痛が少ない検査として急速に普及しているのが経鼻内視鏡です。
苦しくする原因の一つが咽頭反射による嘔吐感ですが、鼻から入れる経鼻内視鏡はその吐き気が
発生しません。また、医師と話をしながら検査を受けることができるため、 安心して受けられる
検査として支持されています。
最新の技術開発により画質や明るさも改善されていることで観察性能も向上しましたが、それでも
まだ経口内視鏡と比較して欠点もあるようです。経口と経鼻はどう使い分けをされていくのでしょうか。
また、患者のメリットはどういう点にあるのか、病院と診療所の11人の医師に話を聞きました。

■経鼻内視鏡でも高い精度の検査が可能になってきました
肥川浩之(亀田病院院長)

■当院のアンケート調査では95%が今後も経鼻内視鏡を希望
能戸久哉(協立消化器循環器病院副院長)

■経鼻内視鏡検査は人間ドックやスクリーニングに適しています
小林寿久(函館五稜郭病院消化器内科科長)

■辛くない検査が早期発見、早期治療につながります
紺野 潤(函館中央病院内科・消化器内科診療部長)

■嘔吐感のない経鼻内視鏡は検査のリピーターを増やします
犬童伸行(稜北内科・小児科クリニック院長)

■経鼻の普及により、定期的な検査を受ける人が増えています
岡田晋吾(北美原クリニック理事長)

■経鼻内視鏡の普及によって検査の選択肢が広がりました
久保田達也(久保田内科胃腸科医院副院長)

■内視鏡検査の経鼻と経口は「8:2」の割合になっています
後藤 琢(ごとう内科胃腸科院長)

■経鼻内視鏡の特性を理解して検査を行えば経口内視鏡と同等です
原 信彦(はら内科クリニック院長)

■食道がんや胃がんの発見率も経口内視鏡と遜色ありません
平田博巳(平田博巳内科クリニック院長)

■鼻の内視鏡は会話もできるのでリラックスして検査が受けられます
三原真美(みはら内科クリニック院長)


「医院建築を訪ねて」は昨年五月、札幌市内に開院した
「おひげせんせいのこどもクリニック」(札幌市豊平区、米川元晴院長)。
オープン直後から人気の小児科クリニックとして評判が高い。 

このクリニックには9個の診察室が設けられている。
患者は受付後に9個の診察室に分かれて入るが、それぞれの診察室には、テレビでディズニーや
アンパンマンなどの子供向けのビデオが視聴できるほか、絵本やおもちゃがあり、そこで診察の
順番を待つことになる。
「診察室が9個もあるのは感染を防ぐためです。順番になると電子カルテを持って私と看護師が
診察室に入ってきます。診察や注射、点滴、吸入等は全て診察室でそのまま行います。診察が
終わるとゆっくりと服を着ていただき、お会計をしていただく形となります」(米川院長)。
こうすることで、他の患者との接触をできるだけ防ぎ、クリニックで他の病気を
もらうことを防止している。
「全ての患者様が個室に入っていただく事で、予防接種や健診で来院された方も感染を防ぐことが
できるため、全ての時間帯で予防接種や健診を行っております」(米川院長)。


次号(第39号)は4月20日ころの発刊予定。

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