最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

ふるさとに待たせたままの風がある

2014年07月30日 14時41分11秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
7月28日掲載のタイトルは「ふるさとに待たせたままの風がある」。



 人を黙らせるのにはカニが最も有効だ。カニは進化の過程で外敵から身を守るためにかたい甲羅を得たが、一番の敵である人間には役立たなかった。最も賢明な進化は身をまずくさせることだが、カニがそれに気づいていないことは幸いである。
 名前にカニがつくだけでも心が騒ぐ。今金町のカニカン岳を登った日は霧雨の中。灰色一色の山頂でリュックからパンとマヨネーズとカニ缶を取り出してお昼ごはんとした。
 青森県の蟹田も気になる存在だ。太宰治は「津軽」で「蟹田のN君の家では、赤い猫脚の大きいお膳に蟹を小山のように積み上げて私を待ち受けてくれていた」と書いている。青函トンネルを抜け、列車が停車すると下車したい気持ちが膨らむ。小山のカニの正体は陸奥湾のトゲクリガニ。花見のお供に欠かせない春の味覚の漁が解禁されるのは一年のうち4月下旬からの短い期間。ようやく駅に降りた6月はすでに時期が過ぎていた。話を聞いた蟹田の女性は「かにみそや身がぎっしり詰まっている味を思い出すだけでよだれが出る」と教えてくれる。
 蟹田駅から国道を北へ歩くと小高い丘がある。海からの風が心地よい。この観瀾山(かんらんざん)の頂上には「風のまち川柳大賞」の句碑が並べられている。風の町を全国に知らせたのはやはり「津軽」の次の名文だ。「蟹田ってのは、風の町だね」。句碑を順番に眺める。「ふるさとに待たせたままの風がある」の前でしばらく立っていた。
                                 (メディカルはこだて発行・編集人)

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期待高まるロボットスーツのリハビリ最前線

2014年07月30日 14時29分40秒 | メディカルはこだて
脳梗塞などの脳血管障害や交通事故による脊髄損傷で歩くことが不自由になった人の「一人で歩きたい」という望みをかなえてくれるのが、筑波大学の山海嘉之教授が開発した「ロボットスーツHAL」だ。
第51号ではHALを導入し、歩行訓練などリハビリに利用している高橋病院(函館市元町)を取材した。
話を聞いたのはリハビリテーション科理学療法士の千田菜実子さん。
高橋病院では昨年 月より慢性期の脳卒中後で半身不随の片麻痺がある5人の患者にHALを用いたリハビリを実施してきた。千田さんは「HALの目的は筋収縮を促し、運動方向アシストによって運動パターンの改善や筋収縮向上による歩容・歩行パフォーマンスの改善です。対象の患者さんは週2回通院していますが、1日は通常のリハビリで、別の日にHALによるリハビリを行っています」と話す。「患者さんの年齢層は 代から 代までと幅広いのですが、5人とも歩行は杖や装具などがあれば可能な状態で、日常生活もある程度自分で行うことができます」。
HALはどういう結果が期待できるのだろうか。また、HALが歩行を補助する仕組みは一体どうなっているのか。
今後は病院独自の使用プログラムを作成しより効率的な効果を追求する高橋病院の取り組みを2ページで紹介している。


写真右よりロボットスーツの説明をする千田菜実子さん、HALを装着した宮野広太郎さん、パソコンでHALにアシストされている動きを確認する堀本瑞穂さん(3人は共に理学療法士)。



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道内から2人目の医療福祉連携士に合格

2014年07月30日 14時25分14秒 | メディカルはこだて
第51号では道内から2人目の「医療福祉連携士」に合格した函館五稜郭病院の尾関幸子さん(医療総合サービスセンター退院サポート室・保健師)を取材した。
医療福祉連携士は日本医療マネジメント学会の認定資格。
高齢の単身世帯や老夫婦世帯などの増加は、医療や介護の需要も急増することが予想される。
医療福祉連携士は地域の医療や福祉の円滑な連携により、質的な向上の貢献を目的に設立。医療や介護、福祉のさまざまな職種が専門の能力を発揮し、連携を図ることで、患者が必要なサービスを受けながら住み慣れた地域で暮らす手伝いをすることが主な役割。
「退院サポート室」で在宅復帰を目指す患者の退院調整を担当している尾関さんは「退院後に患者さんが自宅で安心で安全に暮らすためにはどのような問題点があるのか退院後の生活を一緒に考えることです。そして院内各スタッフとの相談、訪問診療の医師や訪問看護ステーションなどさまざまな職種の関係者と連携を深めて、退院後の生活を支えています」と話す。
病院から在宅への切れ目のない連携をどう構築していくのか。尾関さんにインタビューをした。


函館五稜郭病院の尾関幸子さん

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優れた効果を発揮する「陽子線治療」は究極のがん治療

2014年07月28日 16時12分38秒 | メディカルはこだて
夏号(第51号)の特集では、民間医療機関では全国初の陽子線治療施設として開設された「南東北がん陽子線治療センター」(福島県郡山市)を尋ねた。

 「放射線治療の一種である「陽子線」をがん細胞に照射する陽子線治療が注目されている。道内でも北海道大学病院が204年3月に陽子線治療センターを開所したが、既に治療開始前から多くの問い合わせが来ていた。
 陽子線治療が広く知られるようになったのは、小説家・作詞家のなかにし礼さんが体験した陽子線治療による闘病記の出版やテレビへの登場によるもの。食道がんb期の告知を受けたなかにしさんが「手術ありき」のがん治療に見切りをつけ、辿り着いたのが「陽子線治療」の文字だった。週に5日間、6週間で30回の照射を受けた結果は、照射終了1カ月後の画像で腫瘍はきれいに消失していた。この体験を公表して以来、全国の陽子線治療施設の中には患者受け入れ数が大幅に伸びていると報じられているところもある。
 がん治療の有効な選択肢の一つである陽子線治療は「痛くもかゆくもない治療」といわれているが、陽子線治療と一般の放射線治療との違いはどういうところにあるのだろうか。また、実際の陽子線治療はどのような装置や機器を用いて行われているのか。民間医療機関としては全国で初めてとなる陽子線治療施設として開設された南東北がん陽子線治療センター(郡山市)を取材した。話を聞いたのは、総合南東北病院陽子線治療研究所の晴山雅人所長。晴山所長は札幌医科大学名誉教授で、禎心会病院(札幌市)などを運営する禎心会放射線治療研究所の所長でもある。現在は脳神経外科中心の禎心会病院だが、来年秋にはがん、脳卒中、心臓病の三大疾病に特化した新病院「札幌禎心会病院」(仮称)を開設。がんについては道内で2カ所目となる陽子線治療も行う(治療開始は再来年を予定)。
 南東北がん陽子線治療センターは2008年総合南東北病院に隣接して開設された。同病院などを運営する南東北グループは1981年に開院した脳神経外科病院が出発点。現在は福島県のほか青森県や宮城県、東京都、神奈川県に 以上もの病院や診療所、介護老人保健施設、居宅介護支援事業所などの関連施設を有している。現在、日本には粒子線がん治療施設が13カ所(重粒子線4カ所、陽子線10カ所)あり(表2)、治療施設数においては世界で一番多い国となっている」(以上、本文より)。

 記事は6ページ。本文では、水素の原子核である陽子を光速近くまで加速するすることで透過力が大きくなる陽子線の解説。ブラッグピークと呼ばれる特性を持っている陽子線治療が、従来の放射線治療よりより高い効果と同時に正常組織に対する障害を減らすことが可能なこと。地下1階・地上4階建て、延床面積が6475平方mある南東北がん陽子線治療センターの陽子線治療の装置・機器について。陽子線治療に向いている「がん」の種類は?。センターのこれまでの治療実績と独自のがん治療への取り組み内容とは?。また陽子線の治療費などに関して、詳細な記事にまとめている。


シンクロトロン(加速器)
電圧と偏向電磁石の2つを同期(シンクロ)させることからシンクロトロンと呼ばれている。
なお、シンクロトロンで陽子は光の速度の67%まで加速される。
シンクロトロンで加速された陽子は全長70㍍の輸送所を通り治療室へと送られる。


回転ガントリー照射室(2室)
回転ガントリー照射室は寝台の周りを約200トンの回転ガントリーを360度回転させることができる。
このことにより任意の方向から陽子線を照射することが可能だ。
寝台も左右に90度まで回転させることができるので、ガントリーを寝台を組み合わせた治療計画を立てることで正常組織への被爆を抑えた陽子線治療を行うことができる。


水平照射室(1室)
水平照射室は加速器から送られた陽子を水平照射する治療室で、照射装置が水平に固定されているで陽子線は水平方向にのみ照射される。
主に前立腺がんの患者を対象に治療が行われる。
タイプの異なる治療室はそれぞれにメリットがあり、がんの種類によって使い分けられている。



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第51号が18日に発刊

2014年07月27日 13時06分39秒 | メディカルはこだて
「メディカルはこだて」の夏号(第51号)が18日に発刊しました。



【特集】優れた効果を発揮する陽子線治療は究極のがん治療
晴山雅人(総合南東北病院陽子線治療研究所所長)
    (禎心会放射線治療研究所所長)

【ドクター・クローズアップ】専門分野は未熟児・新生児や臨床遺伝
中島美佳(函館中央病院小児科医長)

【ドクター・クローズアップ】専門は変形性膝関節症などの下肢疾患
大本浩史(大村病院副院長)

【トピックス・リポート】脳卒中後遺症に悩む患者の症状に新たな治療手段
鈴木光則(函館新都市病院リハビリテーション科作業療法士主任)
蓮田純子(函館新都市病院リハビリテーション科作業療法士)

【トピックス・リポート】「北海道がん診療連携指定病院」に指定 地域のがん医療の推進に更なる貢献を
橋本友幸(函館中央病院病院長)

【トピックス・リポート】8月に石川町へ新築移転する大村病院 病院名も「函館おおむら整形外科病院」に変更
大村健久(大村病院院長)

【トピックス・リポート】大災害時の透析施設間の緊急連絡網にMCA無線
鈴木勝雄(五稜郭ネフロクリニック院長)

【トピックス・リポート】被ばく線量は大幅な低減を実現 新型X線は高画質で待ち時間も短縮
斉藤猛美(函館中央病院診療放射線技術科副技師長)

【トピックス・リポート】西武建設運輸が亀田中野町に建設中 注目の産業廃棄物焼却施設・処分場は10月開業
岸 寛樹(株式会社西武建設運輸代表)

【トピックス・リポート】ホルムアルデヒドの滅菌器を導入 処理時間は3分の1に大幅短縮
岡部 巌(函館中央病院中央材料室第1種滅菌技師)

【インタビュー】外科手術の中でも難しく合併症も多い「食道がん」
小林 慎(函館五稜郭病院外科科長)

【インタビュー】ホスピス病棟開設10周年を迎えた函館おしま病院
西野智子(函館おしま病院医療ソーシャルワーカー)

がんの超早期発見・治療を開始したアドバンス・クリニック函館の挑戦
函館・道南から、がん患者を撲滅する
平山繁樹(アドバンス・クリニック函館院長/平山医院理事長)

期待高まるロボットスーツのリハビリ最前線
千田菜実子(高橋病院リハビリテーション科理学療法士)

道内から2人目の医療福祉連携士に合格
尾関幸子(函館五稜郭病院医療総合サービスセンター退院サポート室)

ホスピス便り 「花見の季節、彼が振る舞っていたおでんは完食だった」
田邑昌子(函館おしま病院ホスピス病棟看護師長)

患者に寄り添う2人の認定看護師
村上佳美/中村深雪(北美原クリニック乳腺センター)

患者の心得帳 「決める」
細川直子

専門の血管診療では日帰りのレーザー治療が好評
小西宏明(こにし内科・心臓血管クリニック院長)

泌尿器診療では軟性鏡を用いた内視鏡検査を実施
武藤雅俊(むとう日吉が丘クリニック院長)

痛みとしびれに画期的な治療の「遠絡療法」とは
久米 守(久米整形外科院長)

貝原益軒の『養生訓』から(その3)
久保田達也(久保田内科胃腸科医院副院長)

「セラピア便り」  扇の要、函館から
平田 聡(特定非営利活動法人理事長)

The 矯正インタビュー Before&After ⑧
古田樹己(ふるた矯正歯科院長)

診断・治療に能力を発揮するマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
川瀬 敬(川瀬デンタルクリニック院長)

小臼歯の銀歯を白い歯へ CAD/CAMで加工した白い歯が保険適用
村田真介(吉田歯科口腔外科院長)

東洋医学の治療院から~臨床の実際 ⑨
益井 基(益井東洋治療院院長)

お薦めの一冊 「やってはいけないストレッチ」
日隠 修 (栄好堂美原店スタッフ)



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雨のブナ林

2014年07月25日 11時52分19秒 | 山歩き・散歩・温泉
雨が降った初夏の日曜日。
黒松内のブナ林を歩いてきた。
約92haの広さがある歌才ブナ林は、昭和3年自生北限のブナ林として国の天然記念物に指定された。
この歌才ブナ林は黒松内市街地の近くにあり、散策路は往復約2時間のコースになっている。



散策路はトドマツの林を15分ほど歩く。歌才川の小さな橋を渡るとブナ林の入口だ。
途中には急な坂もある。
雨の日はカタツムリによく出会う。
ブナの樹皮は斑紋が特徴的だ。
これは地衣類とよばれる藻類と菌類が共生した植物で、青っぽい灰色や濃い緑色などの様々な組み合せ模様は見ていて飽きることがない。
卵形の葉は先がキュッと尖っている。
このブナの葉の形も大好きだ。

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FMいるかに出演

2014年07月24日 18時18分49秒 | FMいるか
6月下旬、FMいるか(日本に初めて誕生した地域コミュニティ放送局)の「暮らしつづれおり」に出演。
パーソナリティは山形敦子さんだ。
4月に発刊した第50号の発刊を評価されてのもの。
前回の出演は3年前の10周年を迎えたときだった。
FMいるか「暮らしつづれおり」のブログでは出演者の写真も掲載しているが・・
http://www.fmiruka.co.jp/tapestry/
嫌がる山形さんを強引にくどいて一緒の写真にしてもらった。



山形さんのブログのコメントは下記の通り。

「あつこ’S コメント♪」
取材から編集・発行と全てをこなし続ける塚本さん。カジュアルなシャツに青みがかったグレイのサマージャケットがお似合いです♪
クールビズ?じゃないんですよね?
「脱サラしたのは、ネクタイをはずしたかったから」とにや~り。
お話も文章もひねりが魅力でございます♪(笑)
最新の地域医療や福祉・介護施設の状況を把握することは、暮らしの安心につながりますよね。
残念ながら、いざという時に古い情報は役に立たないのです。
地域の最新情報を押さえながら「いざ」に備える・・・
「ホームメディカル」の心強いサポーター・「メディカルはこだて」!一家に一冊・ご用意くださいね!
100号・・・遠そうだけどきっと!塚本さ~ん・ハーフタイムからの展開・楽しみしにていますね♪
ご出演ありがとうございました。
武器は4色ボールペン・・・編集魂に脱帽!@やまがたあつこ


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