最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

医師が一部を否認する。父親の死亡診断書で虚偽について 

2022年08月07日 18時16分23秒 | 函館・道南情報
父親の死亡診断書に虚偽の死亡日を記載した死亡診断書を作成するなどしたとして、虚偽診断書作成、有印私文書偽造・同行使などの罪に問われた函館市西桔梗町、医師脇坂好孝被告(60)の初公判が4日、函館地裁(酒井孝之裁判官)であった。脇坂被告は「死亡診断書は、職員が勝手に書いた」と述べ、起訴内容の一部について無罪を主張した。
冒頭陳述で検察側は「被告は死亡した父親の遺体に保冷剤で冷却措置を講じ、遺体に輸血を行うなど、生存を装うための工作をしていた」などと指摘した。
起訴状などによると、脇坂被告は昨年11月29日、父親の幸男さん=当時91歳=の遺体を発見していたにもかかわらず、死亡日を同年12月1-日とする虚偽の診断書を作成するなどした。
(北海道新聞8月4日より)

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「おうちクリニック」開院。患者の人生に深く寄り添う在宅医療を目指す

2022年08月03日 17時18分15秒 | メディカルはこだて
第82号のスペシャル・リポートは「「おうちクリニック」開院。患者の人生に深く寄り添う在宅医療を目指す」

病院の外来に通うことが難しい人や病気を患いながら病院ではなく自宅などで過ごしたいと希望する人のために医師が定期的に患者の住まいを訪れて診療するのが訪問診療だ。往診が患者の急な体調不良等に対応して臨時的に行われる医療サービスであるのに対して、訪問診療は通院が困難な患者の住まいに月1回から2回以上の定期的な診察に伺い、医療サービスを提供する。緊急時には24時間365日、夜間休日問わず訪問する。近年は訪問診療を希望する患者が増加している。 
今年5月1日、訪問診療を中心とした「おうちクリニック)(函館市桔梗2丁目)がオープンした。院長の横倉基医師と看護師長の武藤昌子さんは函館稜北病院で約15年間訪問診療に関わってきた。事務長の吉泉晶さんはティーエスの役員との兼務。ティー・エス(本社は北斗市)は訪問介護事業や通所介護事業、小規模多機能型居宅介護事業、サービス付き高齢者向け住宅、介護付有料老人ホームなどを函館市や北斗市、七飯町、江別市で展開している。おうちクリニックはティーエスの敷地内に建てられたが、3人の夢と思いが結実して診療所が誕生した。
常呂町出身の横倉院長は父の転勤で紋別や北見などに移り住む。函館ラサール高校を経て早稲田大学法学部に進学。卒業後は住宅に困窮する勤労者のために住宅や宅地の供給をすることを目的に設立された特殊法人の日本住宅公団に就職した。「公的な法人形態に魅力を感じたのですが、官と民の両方の良くないところが集まっているような組織に思えました。赴任地は関西でした。仕事に気持ちが向かず、初心者ですが会社のラグビーチームに入ってボールを持って走っていました」
職場の先輩から別の価値観があることを教えられたことが転機となる。「人と関わり、なにか世の中の役に立つことをしたかったです」。受験勉強に苦労しながらも神戸大学医学部へ入学する。「大学病院に残ることは自分には合わないと思っていました」。神戸大学を卒業した時、横倉医師は36歳になっていた。

記事は4ページで紹介しています。


写真右から横倉基院長、吉泉晶事務長、武藤昌子看護師長





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函館渡辺病院は看護師ユニフォームの2色制を導入

2022年08月03日 16時48分49秒 | メディカルはこだて
第82号のトピックスニュースは「函館渡辺病院は看護師ユニフォームの2色制を導入」

函館渡辺病院は病棟の看護師のユニフォームを2色とし、日勤帯と夜勤帯の区別をする「看護師ユニフォーム2色制」を導入した。
病院にとって、看護業務の効率化は緊迫した課題となっている。日本看護協会が実施する「看護業務の効率化 先進事例アワード」は、看護業務の効率化に関する優れた取り組みを広く周知し、全国の医療機関における労働生産性を向上させることを目的としたイベントとして注目されている。
3年前の「アワード2019」の最優秀賞を受賞した熊本地域医療センター(熊本市中央区)の取り組みが看護師ユニフォーム2色制による業務の可視化だった。
同センターでは以前から残業に疲弊する看護師が多く、離職に至る例も少なくなかった。そのため中途採用は恒常的で、その教育のために中堅看護師が忙殺され、それが退職につながる「離職の悪循環」も生まれていた。そうした悪い流れを断ち切るために導入されたのが看護師ユニフォーム2色制だった。次勤務者へ引継ぎ可能な業務による残業の多さが課題であったが、ユニフォーム2色制の導入によって、日勤と夜勤の勤務者の区別を明確にした。この改善策によって、医師が指示を出す看護師が明確になり、職員のタイムマネジメント・働き方に関する意識改革が進み、その結果、時間外勤務の削減に顕著な効果が見られた。


写真右は日勤用ユニフォーム(東棟4階病棟看護主任の大清水千穂さん)
写真左は夜勤用ユニフォーム(東棟4階病棟の若山翔さん)


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「認定認知症領域検査技師」試験に合格

2022年08月03日 16時35分16秒 | メディカルはこだて
第82号のトピックスニュースは「認定認知症領域検査技師」試験に合格

市立函館病院の臨床検査技師、中河知里さんは昨年12月に行 われた難関資格の「認定認知症領域検査技師」試験に合格した。
厚生労働省は、日本の認知症高齢者は2025年には約700万人に達すると予測しているが、認知症を喫緊の課題と位置付けて、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定するなどさまざまな施策を打ち出している。認知症対策においては早期発見と早期治療はきわめて重要であるが、その中でも臨床検査は大きな役割を担っている。
中河さんが取得した認定認知症領域検査技師は2014年に創設された。試験内容は臨床検査の部分だけでなく認知症の概念や予防・治療での考え方など幅広い知識が求められる。今まで臨床検査技師が関係してきたさまざまな認定資格のような「特定の技術」だけを認定する資格ではなく、疾患領域での知識と技術を問う認定資格試験であることが特徴となっている。


「認定認知症領域検査技師」試験の内容を教えてくれる中河知里さんと全自動の核酸抽出・精製装置

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今年5月、訪問看護ステーション「エリー」を開設

2022年08月03日 16時05分27秒 | メディカルはこだて
第82号のトピックスニュースは「今年5月、訪問看護ステーション「エリー」を開設」

看護師が自宅を訪れて、療養生活を送っている患者の生活を支える訪問看護は在宅医療の柱の一つだ。患者や家族の意向に沿った在宅療養生活の実現に向けて専門性を発揮し、健康の維持や回復、QOLの向上を図り、安らかな終末期を過ごすことができるようにも支援する。
今年5月函館市内に新しい訪問看護ステーション「エリー」が開設された。事業所を運営するSmile All Support(スマイル オール サポート)の企業理念は「笑顔・感謝・支えあい」。代表の澤口慎太郎さんは「ご利用者様、ご家族の笑顔を引き出せるような看護を心がけ、常に感謝の気持ちを忘れずにご利用者様の気持ちに寄り添いながら自分たちも成長できるような環境作りを目指していきます」と話す。


「会社名のSmile All Supportもサザンオールスターズの頭文字と同じにしました」と話す澤口慎太郎さん

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「メディカルはこだて」第82号が発刊

2022年08月03日 04時46分12秒 | メディカルはこだて
函館・道南の医療・介護の雑誌「メディカルはこだて」第82号が発刊しました。
現在、函館市内および近郊の書店で販売中です。



【トピックスニュース】
今年5月、訪問看護ステーション「エリー」を開設。デイサービスに続き、福祉タクシーも開設予定
澤口慎太郎(Smile All Support 株式会社 代表取締役)

【トピックスニュース】
「認定認知症領域検査技師」試験に合格。患者と家族の不安軽減や正確な検査の実施に努める
中河知里(市立函館病院中央検査部遺伝子細胞生物検査センター)

【トピックスニュース】
函館渡辺病院は看護師ユニフォームの2色制を導入
時間外業務・時間外手当は大幅削減

昭和書房「松井社長」のオススメの本と雑誌
松井靖介(昭和書房代表取締役)

【ドクタークローズアップ】
身体科に入院中の患者の精神科疾患の診断や治療を中心に診療を行う
小田桐元(市立函館病院精神神経科科長)

【ドクタークローズアップ】
市立函館病院は眼科診療を再開。白内障は小切開の日帰り手術を実施
片山博康(市立函館病院眼科医員)

【ドクタークローズアップ】
専門分野は救急診療、小児救急・集中治療。北海道DMAT指定医療機関として認定
江濵由松(函館五稜郭病院救急科科長兼集中治療センター副センター長)

【ドクタークローズアップ】
救急医療や集中治療の経験を活かす。小児科全般、新生児や未熟児も診療
小田桐元(市立函館病院精神神経科科長)

身近な漢方医学の知識 高血圧症について(その1)
久保田達也 (久保田内科医院院長)

【トピックス・リポート】
「精神科領域専門医研修プログラム」の基幹型病院として2年目を迎えた函館渡辺病院
専門医を目指す専攻医2人が研修

【トピックス・リポート】
放射線読影レポート追跡システムによる見逃し防止策
函館五稜郭病院は2019年8月より取り組みを開始

【トピックス・リポート】
市立函館病院の病院局と看護局,看護学院が連携・協働
安心して働けるための「看護キャリア支援チーム」を設立

【トピックス・リポート】
「函館渡辺病院総合連携室」と「ゆのかわメンタルクリニック地域医療連携室」を統合
患者総合サポートセンターを開設

【スペシャルリポート】
「おうちクリニック」開院
患者の人生に深く寄り添う在宅医療を目指す
横倉 基(おうちクリニック院長)
武藤昌子(おうちクリニック看護師長)
吉泉 晶(おうちクリニック事務長)

冬の「雪かき」から解放。函館もロードヒーティングの一般家庭が増加
斉藤明紀(株式会社東商建設住宅事業本部設計担当部長)

私とコンピュータとの関わり。独自の歯科システムの作成・販売の会社を立ち上げ
村井 茂(みはら歯科矯正歯科クリニック院長)

これからの「歯列矯正」の話をしましょう 。「歯並び」と「正しい舌の位置・動かし方」
古田樹己(ふるた矯正歯科院長)

函館口腔保健センター事業。施設・企業・団体を対象とした口腔保健推進事業の活用を
川瀬 敬(川瀬デンタルクリニック院長)

歯科用顕微鏡で変化したもの。最大80倍の画像をモニターに映す
村田真介(吉田歯科口腔外科理事長)

東洋医学の治療院から〜歩行の重要性〜 健康になる歩き方のポイント
益井 基(益井東洋治療院院長)

楽しく楽ちんな母乳育児をトータルケア
子連れヨガは病棟勤務の助産師ではできない貴重な体験で、育児支援の基礎となりました
笠原視砂子(かさはら母乳育児助産院)

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ステージ4・緩和ケア医の挑戦

2022年08月02日 17時58分59秒 | 新聞コラム
海道新聞みなみ風の「立待岬」
7月8日掲載のタイトルは「ステージ4・緩和ケア医の挑戦」



 在宅緩和ケアのパイオニアである山崎章郎さんは2005年、東京にケアタウン小平クリニックを開設し、多くのがん患者たちの死に立ち合ってきた。今年6月発刊の新書「ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み」は、大腸がん患者となった山崎さんが自らを実験台にして、がんと共存できる方法を探し求めた経過と新提案の報告書である。
 大腸がんを手術で切除後、標準治療の抗がん剤を服用したが、ひどい副作用を伴った結果、両側の肺に多発転移があるステージ4となった。日常が壊れるほどの抗がん剤の激しい副作用を経験した山崎さんは標準治療である抗がん剤治療を選択しないことにした。
 抗がん剤治療を選択したくない患者にとって、恩恵の少ない現状の公的医療保険は不条理であるとの指摘はその通りだ。それでも山崎さんは抗がん剤治療を否定しているわけではない。
 2年間の試行錯誤を経て3つの治療法(MDE糖質制限ケトン食、クエン酸療法、少量の抗がん剤)を組み合わせた「がん共存療法」にたどり着くが、これはがん医療の現実の前で途方に暮れる「がん難民」に新しい選択肢を示したと言えるだろう。山崎さんはがん共存療法が臨床試験を経て、堂々と広く実践されることを目指している。現代がん医療の課題に気づいた山崎さんの挑戦に期待したい。(メディカルはこだて発行人・編集人)




ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み



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