北海道新聞の道南版「みなみ風」に「立待岬」というコラムのコーナーがあるが、
そのコーナーの新しい執筆者の一人として定期的に原稿を書くことになった。
第1回目は先週の土曜日に掲載されたが、「ホスピスのドラえもん」というタイトルで
函館市内のO病院に勤務する看護師のSさんのことを書いてみた。
原稿は600字と短いことろが却って難しいのだが、小誌の編集後記とは違った雰囲気も
自分も楽しんでみたいと思っている。
5月16日付北海道新聞「みなみ風」
「ホスピスのドラえもん」
急増する医療訴訟の現状を打開す
るため、患者や家族と医療者側の間
で中立的な立場から介入する医療メ
ディエーターという役割とメディエ
ーターマインドのある医療の実践が
期待されているが、医療の現場では
ホスピスマインドこそもっと重視す
べきである。
五年前、F院長の熱意が実を結び、
函館市内のO病院にホスピス(緩和
ケア病棟)が誕生したが、同病院に
福岡からやってきたのが、道南初の
認定看護師となったSさんだ。大学
病院の勤務時代、末期がん患者へぎ
りぎりまで行う治療への疑問と、終
末期医療の本との出会いによりホス
ピスケアへの道を進んできた。
ある日、病棟で小走りしていたS
さんを見て「ドラえもんのようだ」
と口走った。ドラえもんのイメージ
と重ねたのは姿形のことではない。
疼痛コントロールは身体的な痛みを
単独で考えるのではなく、常に精神
的・社会的・スピリチュアルな側面
からも考えなければいけない。Sさ
んが患者や家族に寄り添っていると
き、話の内容こそわからないが彼女
が信頼されていることはよくわかる。
彼女のポケットにはさまざまな痛み
を取り除くためのたくさんの道具が
入っている。
ホスピスとは死にゆく人と家族を
全人的に支えていくケアのプログラ
ム。ホスピスマインドは相手を思い
やる心だ。Sさんはポケットから最
良のケアプログラムを選んで取り出
すが、ホスピスマインドはポケット
にはない。思いやる心は彼女自身だ
からである。
そのコーナーの新しい執筆者の一人として定期的に原稿を書くことになった。
第1回目は先週の土曜日に掲載されたが、「ホスピスのドラえもん」というタイトルで
函館市内のO病院に勤務する看護師のSさんのことを書いてみた。
原稿は600字と短いことろが却って難しいのだが、小誌の編集後記とは違った雰囲気も
自分も楽しんでみたいと思っている。
5月16日付北海道新聞「みなみ風」
「ホスピスのドラえもん」
急増する医療訴訟の現状を打開す
るため、患者や家族と医療者側の間
で中立的な立場から介入する医療メ
ディエーターという役割とメディエ
ーターマインドのある医療の実践が
期待されているが、医療の現場では
ホスピスマインドこそもっと重視す
べきである。
五年前、F院長の熱意が実を結び、
函館市内のO病院にホスピス(緩和
ケア病棟)が誕生したが、同病院に
福岡からやってきたのが、道南初の
認定看護師となったSさんだ。大学
病院の勤務時代、末期がん患者へぎ
りぎりまで行う治療への疑問と、終
末期医療の本との出会いによりホス
ピスケアへの道を進んできた。
ある日、病棟で小走りしていたS
さんを見て「ドラえもんのようだ」
と口走った。ドラえもんのイメージ
と重ねたのは姿形のことではない。
疼痛コントロールは身体的な痛みを
単独で考えるのではなく、常に精神
的・社会的・スピリチュアルな側面
からも考えなければいけない。Sさ
んが患者や家族に寄り添っていると
き、話の内容こそわからないが彼女
が信頼されていることはよくわかる。
彼女のポケットにはさまざまな痛み
を取り除くためのたくさんの道具が
入っている。
ホスピスとは死にゆく人と家族を
全人的に支えていくケアのプログラ
ム。ホスピスマインドは相手を思い
やる心だ。Sさんはポケットから最
良のケアプログラムを選んで取り出
すが、ホスピスマインドはポケット
にはない。思いやる心は彼女自身だ
からである。