北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
10月19日掲載のタイトルは「野鳥の山ガイド」。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/7c/fc97035510c86689748287103137f9ae.jpg)
羊蹄山を下山中、5合目近くで木の根に足がひっかかり、太ももがつりそうになった。その後は遅いペースがさらに遅くなる。
前日に雨が降った登山道は麓から3合目まで、ぬかるんで滑りやすい。1合目の標識が見えた。ほっと安心して滑って転びそうになるが、どうにか転ばずに堪えることができた。立ち止まってすっかりぬるくなった水を飲んでいると、あたりはすでに薄暗くなっていた。森の夕暮れは駆け足でやってくる。
歩き出すと登山道の数メートル前に野鳥が突然現れて、前をピョンピョンはねながら歩いていく。ときどきこちらを振り返るが、ずっと私と同じペースで進んでいる。10分ほど歩くと少し急な箇所になった。後ろを追いかけるようにしながら歩く。急坂が終わると登山口まではもう少しだ。野鳥が振り返り、「もう大丈夫だよ」とでも言いたげな様子で森の中へ消えた。
登山道を先導する野鳥の記録はネット上では珍しくない。私も登山中に何度か体験したことがあるが、これほど長い時間を一緒に歩いたことや、しきりに後ろを気にするそぶりを見せる野鳥と出会ったのは初めてだった。
おぼつかない足取りが野鳥を心配させたのだろうか。下山後は山の神様へのお礼と一緒に野鳥にも「ありがとう」と伝えた。その日はニセコ近くの宿に泊まる。雨音を聞きながら目を閉じると野鳥の姿が浮かんできた。
(メディカルはこだて発行・編集人)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/5d/d51b258f897266074cf8308e45bd12f4.jpg)
9合目では小雨になるなど天気はよくなかったが、外輪山に出て、少しすると雲が突然晴れた。
父釜(火口)の中央奥が頂上。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/0c/caf720ef1048f6fde2d2c3469d59d122.jpg)
避難小屋が見える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/e0/7bf8ae0073d63eab868cbd2dafce6082.jpg)
手前が新しい避難小屋。奥の古い小屋は撤去されずに放置されたままだ。
10月19日掲載のタイトルは「野鳥の山ガイド」。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/7c/fc97035510c86689748287103137f9ae.jpg)
羊蹄山を下山中、5合目近くで木の根に足がひっかかり、太ももがつりそうになった。その後は遅いペースがさらに遅くなる。
前日に雨が降った登山道は麓から3合目まで、ぬかるんで滑りやすい。1合目の標識が見えた。ほっと安心して滑って転びそうになるが、どうにか転ばずに堪えることができた。立ち止まってすっかりぬるくなった水を飲んでいると、あたりはすでに薄暗くなっていた。森の夕暮れは駆け足でやってくる。
歩き出すと登山道の数メートル前に野鳥が突然現れて、前をピョンピョンはねながら歩いていく。ときどきこちらを振り返るが、ずっと私と同じペースで進んでいる。10分ほど歩くと少し急な箇所になった。後ろを追いかけるようにしながら歩く。急坂が終わると登山口まではもう少しだ。野鳥が振り返り、「もう大丈夫だよ」とでも言いたげな様子で森の中へ消えた。
登山道を先導する野鳥の記録はネット上では珍しくない。私も登山中に何度か体験したことがあるが、これほど長い時間を一緒に歩いたことや、しきりに後ろを気にするそぶりを見せる野鳥と出会ったのは初めてだった。
おぼつかない足取りが野鳥を心配させたのだろうか。下山後は山の神様へのお礼と一緒に野鳥にも「ありがとう」と伝えた。その日はニセコ近くの宿に泊まる。雨音を聞きながら目を閉じると野鳥の姿が浮かんできた。
(メディカルはこだて発行・編集人)
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9合目では小雨になるなど天気はよくなかったが、外輪山に出て、少しすると雲が突然晴れた。
父釜(火口)の中央奥が頂上。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/0c/caf720ef1048f6fde2d2c3469d59d122.jpg)
避難小屋が見える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/e0/7bf8ae0073d63eab868cbd2dafce6082.jpg)
手前が新しい避難小屋。奥の古い小屋は撤去されずに放置されたままだ。