拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

グルベローヴァのヴァーグナーに心臓が止まりそうになった私(そして「さくら」も歌った)

2016-11-12 20:31:55 | 音楽
もうすごすぎて、何から書いていいか分からないので、時系列につらつら書く。グルベローヴァのチケットは3枚買ってあって、私的には今日のピアノ伴奏のリサイタルが最終日。ピアノはノルマもオペラアリアコンサートも指揮でエスコートしたヴァレントヴィチ。プログラム前半はチャイコフスキー、リムスキー・コルサコフそしてドヴォルザークの歌曲。ピアニッシモの至芸に酔う。後半はオペラアリア。アリャビエフの「ナイチンゲール」が入ってる。30年前のリサイタルでも聴かせてもらったっけ。そして締めはおなじみのアデーレ(Jシュトラウスのこうもり。二つあるアリアのうち、先日のオペラアリアコンサートのアンコールで歌ったのではない方=Mein Herr Marquis)。芝居っ気たっぷりなのはいつものことだが、なんと途中でピアニストが歌手をさしおいて、「ヤ、ゼア、コーミッシュ、ハッハッハッ」と歌い出した。大受け!私らもヤ、ゼア、コーミッシュ(とっても面白い)、ハッハッハッと大笑い。この時点で観客総立ちのスタンディングオベーション。さて、アンコール。スメタナのオペラのアリアを一曲歌った後、ピアニストを残してグルベローヴァがとっとと舞台裏に引っ込んでしまう。鳴り止まぬ拍手の中、困惑の風のピアニストが(これは演出)突如ラフマニノフを弾き始めた。上手い。思った。グルベローヴァが今回来日したのは故国の若い才能を紹介するためだったんだなぁ。拍手をしながら再登場したグルベローヴァが歌ったアンコール二曲目。序奏で私、心臓が止まるかと思った。な、なんとタンホイザー第2幕のエリーザベトのアリアだ。グルベローヴァのヴァーグナーを聴く日が来ようとは(故郷の先輩のルチア・ポップも晩年はヴァーグナーに向かった。エルザを歌って次はジークリンデだ、というときに病に倒れたんだった)。感動の嵐。いや、感動はまだまだ続く。またまた舞台袖に引き揚げようとするグルベローヴァについていかずにピアノの前にこしかけるピアニスト。ん?またピアノソロ?重々しい始まりはさっきのラフマニノフと似てる、と思ったら日本の童謡の「さくら」だった。で、なんと、舞台中央に戻ってきたグルベローヴァが「さーくーらー」と歌い出した。今思い出しても泣きそう。