「日本の弓術」(オイゲン・ヘルゲル著)をサラッと読み返してみました。
古町谷操三氏の文章の中に「的前の射をやる時には、先生は的に当てようとしてはいけない。また当てようとして放してもいけない、と必ず注意をした」というのがあります。
オイゲン・ヘルゲン氏の文章の中にも同じようなことが書かれてありますが、要するに瞑想をしているような感覚で矢を射りなさいということらしい。
何も思考しないで射ることがどれだけ難しいことなのかは、本書に詳しく書かれています。
逆に振り子の原理で、思考するときには精一杯思考するということなのかもしれません。
私たちの幸福は高揚感を求めがちですが、幸福とはそんなところにあるのかもしれません。