「渓流釣り礼讃」(根深誠著)を読む
いろんな雑誌に発表された渓流釣りについての散文です。
良い釣り師とは、魚を増やしてから釣るという言葉を思い浮かべながら読み進めましたが、いつまでも渓流釣りという遊びをしたいなら、こうしたことも多くの釣り師は考えなくてはならないのだろう。
民俗学者 折口信夫(おりくちしのぶ)の文章が紹介されていたので記します。
「遊びとは何かといえば、古くは、体の中へ清らかな美しい魂を入れることをいった神道宗教のうえでは、人間がよいことをするにはよい魂がはいらなければならぬ、新しく生きていくためには清らかな魂が体の中にはいらなければならぬと考えられた。ひとくちにいうと鎮魂である。つまり、魂が体の中へ静まらなければならぬ。その魂を体の中に運んで鎮めるために行われる動作、それを遊びといった。」(255頁)