アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

小さな声でサヨウナラ

2009年10月29日 | 読書日記 その7
「いじめと不登校」  河合隼雄著  新潮文庫 を読む。

「そして最後の日に、治療者の人が、「もうきょうで終わりやねえ。元気で明るくサヨナラしようね」と言うと、子供が首を横に振るんです。それで、あ、この子はまだ来たがっていると思ってうれしくなって、「どうするの?」と聞いたら、「小さい声でサヨナラしよう」と言うんです。
 それでぼくが言ったんだけれども、別れるときに、なんで元気で明るい声を出さなくてはいけないのか。大人の常識というのは知らんまにそうなっているんです。」(本文より)

イジメはなくさなければならない、と著者は語り、反面、神代以来、イジメの途絶えたことななく、逆にイジメによって生きる力を得ることもあると記す。

問題なのは、際限のない陰湿なイジメであって、それは心まで殺しかねない。

最小限のイジメであれば、受け入れてもいいのかもしれない。
加害者も被害者も、イジメの「最小限」という単位を考える。
考えている時点でイジメも消滅しているかもしれない。

人間30歳を過ぎたら、生きる意味も価値もありゃしない。
だから嫉妬心や欲望も持つ価値もありゃしない。
声を大にして、自分を誇示する必要もありゃしない。

コメント (2)
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