MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

危機一髪から脱出した「青筋揚羽の生命力」

2015年05月22日 | あらかると

大町公園内のベンチで休んで居ると、
目の前に青筋揚羽が飛翔してきた。

約10m先の葉の上に止まったが、
すでに何枚も撮っている蝶なので、
ベンチに座ったままその様子を見ていた。
が・・・・
様子がなんとなく変である。

その様子を見に行くと、蜘蛛の糸に捕らえられて翅をばたつかせていたのだった。
「あわれ」だが、手の届かない場所であり、
周辺には助けるための長い木の枝も落ちていなかった。


画像を原寸で見て判ったのだが、
ブレて写っている翅の右側の蜘蛛の糸の上には、
小さな蜘蛛らしきものが写っている。
この蜘蛛が小さかったことが蝶にはラッキーだったようで、
蜘蛛の糸でぐるぐる巻き(巣に掛かった獲物の動きを止める為)とはならなかった。

青筋揚羽は翅をばたつかせることを止めず10分以上も必死にもがいていた。
小さいながら、その秘められたエネルギーには驚かされたが、
いずれ、諦めて静かになるであろうと、観察していた。


写真を撮って居ると、そこに現れたのが10名ほどの「野外学習中の小学生」。
私がレンズを向けている方向に目をやり、その蝶を発見すると、
蝶の名前を聞いてきたので、その名と蝶の現状を説明してやった。
女子児童からは「かわいそう」などの声も聞こえてきたが、
私はそれには説明をせずベンチに戻った。

蝶はいつまで頑張れるのだろうと見ていたが、
飛んで居るときの数倍の羽ばたきを10分以上したのが功を奏したのか、
ついに自由の身となって、近くの葉の上に止まり体を休めていた。
前翅の先端や後翅が一部欠損しているが小鳥にでも襲われたのであろう。


写真を撮って居る私に気づいた蝶は直ぐに飛んで行ってしまったが、
蜘蛛の糸から逃れるためにあれだけのエネルギーを使ったのに、
更に飛翔できるエネルギーがあることに驚いてしまった。


人は限界に到達する前に諦めることも多いが、
昆虫達の世界には「諦める」というDNAは存在しないのかもしれない。
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