春の嵐で千切られた八重桜(品種は関山)が、
芝生の上に花を咲かせたごとくに散らばっていたので、
これを拾い集め漬け込んで桜茶に加工した。
時折しも立夏で、保存容器に入れたものを1つ取り出し、
「春を惜しみ」ながら淹れてみた。
出来立てなので桜の色も良く、やや強めの香りも立ち昇ったが、
それは満開のときに花下で包まれた香りとおなじだった。
淹れてから5分も経つと花の桜色は徐々に無くなっていったが、
代わりに白湯の色が淡い桜色に染まった。
来年の厳冬期には、桜茶の香を楽しみながら春を待つことになるだろう。