港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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世界の街から20 オーストラリア メルボルン

2011-09-09 15:28:36 | オーストラリアの街から
世界の街から20  オーストラリア メルボルンところどころ
 メルボルンは300万人を超える大都市であるが、私の好きな都市の一つである。4日間程度の滞在なので、ところどころ、見て歩いた印象を述べる。
 メルボルンは、気候は温暖ですごしやすいが、「メルボルンは一日に4つの季節を持つ」という格言があり、一日の中で暑かったり、急に寒くなったりすることがある。エコノミストの「世界で最も住みやすい都市」で1位になったことが2度もある。住みやすそうな都市である。
都市としての魅力は次のような点である。

メルボルンの中心市街地地図 赤い線が無料のシティサークルトラム
1 トラム(路面電車)の街
 中心市街地の構造は碁盤目状であり、道路は広い。歩道が広く気持ちがよい。歩道に許可されているのか、花屋、果物屋、カフェなどの店がでて、街の魅力を高めている。

トラムが縦横に走っている

歩道で商売する果物屋

歩道で商売する花屋
碁盤目状の道路の200~300m間隔にトラムが縦横に走っている。それは、伸びて郊外の住宅地まで連絡する。また、ゾーン内は同一料金で乗り換えが自由にできる。切符は1日券、2日券、一週間券、1ヶ月券とどんどん安くなる。トラムは頻繁にくるので、あまり待つ時間がない。まさに、トラムが市民の足として気軽に利用できるシステムになっている。
また、観光用に中心市街地を一周するトラムもあり、これは無料である。

無料のトラムの内部
 トラムと歩行者だけのトランジットモールがあり、大勢の人が滞留する広場のようなところに、ゆっくりトラムが走る。
港区でも「ちーバス」は、安く便利に利用できるよいシステムだと思うが、メルボルンに習い、もう一歩進んで、切符の種類を増やすこと、乗り換え自由にするとさらに利用しやすくなるのではないだろうか。

歩行者とトラムのトランジットモール
2 新旧の建物が共存するまち
 メルボルンは、オーストラリアでは早い時期に開発された都市である。古い建物が多く残されている。また、高層の建物も最近増えているが、古い建物を上手に生かしながら、開発を進めている。新旧の共存が図られている。アメリカで言えば、ボストンに似ている。

古い建物を生かしている

黒川氏の設計メルボルンセントラル
 黒川紀章が設計した建物メルボルンセントラルに、古い建築物をガラスで被ったものもある。面白い大きな看板を見つけた。100年前の街の情景を写した写真である。古い街の景観をいつまでも、記憶に留めておこうという意味だろうか。港区でも、100年前の街の風景の写真を街角においたら面白いのではないだろうか。


100年前の写真を街角に示している
3 川とオープンスペースが美しいまち
 メルボルンの中心部を流れるヤラ川沿いは景観に配慮し、とても美しく歩いて楽しめる
港区の古川沿いの景観を考えるとあまりの違いに落胆する。
また、オープンスペースとしての公園が多くあり、手入れが行き届いて素晴らしい。中心地区にあるフィツロイパークを歩いてみた。どこもきれい花が植えられ、芝生の手入れもよく、家族で集まってパーティをしていたり、公園の利用を市民が楽しんでいるようだ。

ヤラ川沿いの景観

ヤラ川沿いの歩道

フィッツロイパーク

フィッツロイパーク



4 計画的な面開発
 ヤラ川沿いなど開発は面的に、きちんと計画されているようだ。完成予想図が工事用の看板に大きく書かれている。日本では、工事中のところに、完成予想図が描かれたものはあまり見ない。周囲の住民を刺激しないよう秘密裏に進められる。
 メルボルンはどんどん成長しているが、うまくコントロールして開発が進められているように思う。

開発計画図を公開している
5 多様な文化が混在するまち
 街を歩いている人も各国から来ているようで、多様である。特に、アジア系の人が目立つ。レストランも中華、ベトナム、タイ、ギリシャ、インドなど豊富である。大学も多く、学生も多いようだ。

おわりに
 メルボルンは大都市にありながら、とりすました感じがなくカジュアルで親しみやすい。
成長しながらも、街は美しく保たれ、古いものを大切にしている。いろいろな文化が混在しているのが、魅力を高めている。
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