港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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日本建築家協会主催の第8回MASセミナーが開催されました

2012-11-05 10:44:50 | 港区のできごとあれこれ
11月3日に、日本建築家協会主催の第8回MASセミナーが開催されました。
 祭日なので、参加者が少ないかなと心配していましたが、三田小山町3・5地区再開発を心配する会の方など一般の方がかなり参加したにぎやかな会合でした。
 セミナーは、一部、二部の構成になっており、一部では我々はどこに住むべきかというテーマで建築家の連さん、今井さん、大倉さん、鈴木さん、田中さんからそれぞれ提案がありました。連さんのバナキュラー性(土着性、地域性)が大事、大倉さんからイタリアの建物の保存について、鈴木さんから人間が何万年も持っているDNAが住むための基本になっている、今井さんからコルビジェのユニテのすごさを示され日本のマンションとの違いを説明、田中さんから若い時過ごした団地の説明をし、それぞれが持っている原風景の大切さを説明しました。
 画像や自分の作った建築作品も例にしながら、説得力のあるプレゼンテーションでした。
第二部は、ケーススタディとして、三田小山町の再開発に対して、建築家はどう考えるのかというテーマで議論しました。
 まず、安藤から三田小山町再開発のこれまでの経緯と再開発計画についての疑問と課題を提示し、「住民から提案し計画する街に」、「いろいろな案を検討してみよう」、「現在住んでいる人が住み続けられる街に」の提言をしました。
 今までの再開発は役所やディベロッパーが主導して計画づくりを行い、一つの案しか提示されず、今まで住んでいた人がかなり転居してしまう例が多かったので、このような提言をしました。
 建築家の方から、いろいろな視点でプレゼンがあり、連さんは住民が主導する赤坂のまちづくりの例をあげて説明し、今井さんは、個別の建て替えや複合用途の魅力的な開発の原型を示され、大倉さんは地域の資源をうまく生かした開発の例、鈴木さんから自然との調和する住居の例、田中さんからコミュニティを育てる広場や道のある長屋の作品を示され、最後に三田小山町にあてはめた計画の原型模型で説明されました。高層の建物と3階建ての長屋の建物を上手に組み合わせた素晴らしいプランでした。これなら今の小山町の街並みと違和感がなく住めると地権者の方も肯いていました。
 セミナー修了後もワインを飲みながら、議論に花が咲き楽しい懇談会でした。
 会場の方からもご意見がありましたが、このプレゼンテーションは充実しており、これだけで終わるのはもったいなく、もっと大勢の方に見てもらいたいと思いました。

田中俊行さんが提案された三田小山町再開発の原型模型
全体を長屋建ての一体的な建築にして道路の斜線制限を受けないように工夫している。コミュニティが育つ歩行者専用の路地がある。
コメント
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