港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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海外の街あるきの報告もあります。

世界の街から14--オーストラリア アデレードに学ぶ 生活を楽しむ都市のありかた

2011-08-13 21:04:17 | オーストラリアの街から
>オーストラリア アデレードに学ぶ生活を楽しむ都市のありかた

住宅地にある池の風景

アデレード航空写真
アデレードに5年滞在しているOさんの案内であちこち歩き回った。オーストラリア人は、よほどのことがない限り残業しない国民で、働きすぎるより生活を楽しむことを優先する。そんなオーストラリア人が生活を楽しむためにあるアデレードの街をご紹介したい。
アデレードは、1836年、イギリスの軍人ウィリアム・ライトにより計画された都市である。計画して、200年足らずで100万人都市となっている。
ウィリアム・ライトの銅像が街の真ん中に建てられている。都市計画を行った人物が銅像で飾られているのは、この人だけであろう。

ウィリアム・ライトの銅像
● 都市の構成
オーストラリアの都市に多い碁盤目状の道路を基本とした構成となっているが、この計画には以下のようななかなか優れた点がある。
1 中心市街地を広いオープンスペースで環状に取り囲んで、グリーンベルト構想を実現している。グリーンベルトは、比較的中心市街地に近く、ちょっと歩けば公園に接することができ、その外側に住宅地が展開している。
2 市街地を分断する大きな川のまわりに広い緑地帯を確保し、公共施設やゴルフ場を配置している。川のまわりの景観が広々として中心市街地の魅力を引き出している。
3 都市軸ともいえる広い道路を都市の中心部に配置している。
  交差点を広いロータリーにして、道路の中に広場を確保している。
4 賑わいのあるショッピングモールがある
5 海も都市の中で生かされている
もし、世界の中で一番生活を楽しみながら住んで見たい都市はどこかと問われた時、アデレードが上位に入ることは間違いない。一年中気候がよく、スペースがどこもゆったり作られて、緑と水にあふれた美しい都市であるが、100万人都市の賑わいもある。
● 水を生かした住宅地3題
1 池と公園と住宅地
 池と公園を中心に配置し、そのまわりに住宅地がある。池には、かもが泳ぎ池のまわりに花が咲いている。池には橋がかかり、ぐるりと一周できるようになっている。こんなに美しい住宅地は見たことがない。

住宅地にある美しい池

住宅地の景観

住宅地の景観

住宅地の景観

住宅地の景観

水をきれいにの看板


2 水路沿いの住宅地

 川から引き込んだ水路沿いに住宅地を配置している。ボートでも行き来ができるようだ。
対岸から見た連続する住宅地の景観は素晴らしい。





3 クルーザー係留付きマンション
 建てられたばかりの海にクルーザーやヨットを係留できるマンションである。ヨットやクルーザーを楽しむために造られている。別荘のような利用をされているかも知れない。

係留権付きマンション

計画図
● 川沿いのオープンスペース
 川沿いは広いオープンスペースを確保し、ゴルフ場もある。主要な公共公益施設も配置している。川もボートなどで楽しむ場となっている。市民が楽しむレクリエーション空間となっている。

川沿いのオープンスペースの看板




● 中心市街地を囲むグリーンベルト地帯
中心市街地を囲むグリーンベルト地帯は、公園のようなオープンスペースが連続している。その一部のボタニックガーデンを訪れた。南半球の植物を集めた美しい庭園もあり、市民の憩いの場でもある。手入れの行き届いたオープンスペースとなっている。

ボタニックガーデン全体図

ボタニックガーデン

ボタニックガーデンのバラ園
● 賑わいのあるショッピングモール
長く連続する大きなショッピングモールがあり、ほとんどの買い物はここですることができる。ベンチや彫刻などの飾り、噴水など空間を楽しむ仕掛けが多くある。

ショッピングモール

ショッピングモール
● 広い道路空間
車道、歩道とも広く、ところどころに広場があったりして開放的である。

都市軸道路

道路が広がり広場になる

市街地を循環する無料バスもある
夜も昼も土日すらも忙しく働いている日本人にとって、想像もできないようなのんびりした生活を楽しむ都市がある。いずれは日本もこのようになるだろう未来の生活を垣間見たような気がした。
コメント
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