ヨーロッパの街の構造が日本と決定的に異なっているのは「広場」の存在だろう。街は広場を中心に形成されているようで、例えばバルセロナの市街図を眺めていると、先ず地域のヘソのような位置に広場が定められ、そうした広場と広場を結ぶ道路を幹線として街が広がって行ったように思える。その、まず始まりの広場がカタルーニャ広場だったのではないか。噴水が上がり、公園のようでもあるが公園ではない。広場なのである。 . . . 本文を読む
スペインの奇跡の成長は、すでに翳りを見せているのだろうが、バルセロナはおしゃれで活気に満ち、市民生活は豊かで楽しそうだった。地下鉄ではスリに注意するよう、日本語でもアナウンスされていたけれど、街は清潔に保たれていた。店員たちはおしゃべりが過ぎるものの、道を尋ねるとみんな親切に教えてくれた。もちろんこんな印象は、行きずりの旅人が垣間見たわずかな断面に過ぎないが、私はバルセロナがすっかり気に入った。 . . . 本文を読む
