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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



大阪国際美術館で小川信治の個展「干渉する世界」と1990年以降のヨーロッパ、アメリカの絵画展「エッセンシャルペインティング」をやっていたので、ある秋の休日にでかけて行った。

小川の個展の入場料は420円であったが、同時開催の「エッセンシャルペインティング」のチケット代840円を支払えば両方の展示を鑑賞できるという。



1959年山口県で生まれた小川信治は、1983年三重大学教育学部美術科を卒業している。

精緻な描写力で一貫して、見慣れた情景を改変して、私たちが普段見ているものとは別の世界の可能性を探ってきた画家と紹介されていたので、どういう作品を見せて貰えるのか興味深々の展示会である。

展示会場へ下りるエスカレーター



作品が展示されている国立国際美術館地下2階に入ると、一瞬モノクロ写真の展示会場に入り込んだのかと錯覚してしまった。

しかし作品に近づいて良く見ると、すべてが鉛筆で精密に描かれた、写真と見紛うような小川信治作品であった。

人物や建物などを二つ並べて描き込「PERFECT WORLD」シリーズ。

ピサ2



一つの風景が層状に組み換えられて別の風景を作り上げる「干渉世界」など、油彩・鉛筆画・映像の三つのメディアで、小川の作品は展開してきたという。

モアレの風景



ダ・ヴィンチやフェルメールといった西洋古典絵画からイメージの中心となる人物を抜き去って描き直した「WITHOUT YOU」シリーズ。

牛乳を注ぐ女




フェルメールのオリジナル



ラス・メニーナス



ベラスケスのオリジナル



今回の個展では、「WITHOUT YOU」シリーズから新作「モアレの風景」まで、約50点の作品を通して、複数の世界が互いに干渉するモアレとしての「多世界」を展示しているというが、小川の精緻な描写力は見事で一見の価値がある。


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