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生国魂(いくくにたま)神社
大阪の神社を歩く
/
2006年10月20日 21時17分31秒
生国魂神社の社伝によれば、神武天皇が九州より難波津に上陸した際、生島大神(いくしまのおおかみ)、足島大神(たるしまのおおかみ)を現在の大阪城付近に祀ったのが創祀と伝えられ、後に大物主大神(大国主命)が相殿神として祀られている。
神社の略誌によれば生島、足島大神は国土、大地の守護神で五穀豊穣、健康長寿、縁結び、商売繁盛、社運隆盛、家内安全の神徳があるオールマイティな神様らしい。
最新の研究では神武天皇は49歳のときに河内に入り、64歳のときに大和で即位したとされていて即位の年を西暦181年としている。
境内から見た鳥居と本参道
となれば、河内の難波津に上陸したのは西暦166年、生国魂神社は大阪に創建以来1840年が経過しているということになる。
神武天皇が難波に入った直後に創建したとなれば、10代の崇神天皇ゆかりの伊勢神宮、14代中哀天皇の皇后ゆかりの住吉大社も及ばない関西最古の神社と言えるのかもしれない。
摂社の天満宮
又、京都市内最古と言われる賀茂神社も神武天皇の御世に創建されたとされているので、神武天皇が日向から難波に上陸した直後、すなわち天皇として即位する15年も前に創建した生国魂神社の方が古いことになる。
日本書紀には645年に遷都された難波宮造営の際に「生國魂神社の樹を切りたまふ・・・」と記されているというので、創建時に植えた樹木が470年以上の年月を経て宮殿建設の用材として利用できるくらいに成長していたのであろうか。
摂社の住吉神社
927年に編纂された延喜式では難波坐生國咲國魂神社(なにわにいますいくくにさきくにたまじんじゃ)と記され、既に神祇官から幣帛が授けられる最高の待遇を受けた神社であったらしい。
中世に入り、1496年、本願寺八世蓮如上人が生國魂神社に接して石山本願寺を建立したため1580年、本願寺が織田信長に攻められた際に神社の社殿も焼け、灰燼となっている。
1583年、豊臣秀吉が大阪城築城をスタートさせた時、旧生国魂神社が築城に障害となったことから現在の鎮座地が秀吉より寄進され、1585年になって社殿が再建されたと伝えられている。
徳川時代になってからも徳川氏より保護を受けたことから大阪庶民の篤い信仰を集め、明治維新後の1871年(明治4年)官幣大社となっている。
しかしながら官幣大社の中の序列では住吉大社が上7社に次ぐ中7社という高い位置に入っているのに、生国魂神社の名前が下8社の中にも無いのはどういうことであろうか。
社殿は明治45年『南の大火』、昭和20年の戦災による消失、昭和25年の『ジェ―ン台風』による倒壊など幾度も被災と造営を繰り返し、現在の社殿は昭和31年に鉄筋コンクリートで建立されたものである。
拝殿
生国魂神社の造りは「生国魂造」といわれる本殿、幣殿の屋根が一つの流造りとなっている他に例のない様式で、正面奥に見えるのは拝殿、その奥にある幣殿と本殿とは回り廊下で結ばれている。
拝殿内部
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