職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

鶴橋駅には、近鉄鶴橋駅構内・ドトールコーヒーJR鶴橋駅構内・ロッテリアがある。きょうはドトールにいる

2011-01-19 15:42:48 | Weblog
2011
01.19
「この試験問題、5点、足りまへんで」これが学校経営だ




★僕の「時空間上の原点」の1つ=「天王寺区清水谷町」から、上町筋を渡り、空堀通商店街を抜け、松屋町筋を南下し、口縄坂に至ったとき、「原点」周辺風景のフラッシュバックを浴びた。

 信貴山の崖っぷちの木陰で、汗が噴き出る皮膚で油蝉の鳴き声を聴きながら眺める、清澄な空気に包まれた、青っぽく光る王寺の町の輪郭。

 震える機械音を発し、煙を噴き出し、気動車(キハ48)が立ち去っていった後の、JR八戸線・無人駅(白銀駅)のプラットホームの夕闇に、白く浮きだしてくる、周辺の家々の盆提灯。
 盆提灯のゆらめきに抗して「今、目をつむったら僕の存在が消える」と力いっぱい目を見開く。

 空に連なる金剛山への石段。魂たちのオーラに溢れる千早神社境内。

 太田山口の高村光太郎山荘等々――

★これらの「原点周辺風景」のフラッシュバックを浴びているとき、なぜか僕は、昔(30歳代の後半)自宅の2階の1室(といっても2部屋しかない、北側の)窓辺にある丸テーブルにひろげた、1枚の紙の上に、色えんぴつで「村」を創っていたことを思い出したのだ。

 丸テーブルの上の、1枚の紙の「村」から出勤し、仕事を終えると、また紙の地図に帰る……という精神上の操作をしていた。
 タバコ屋、薬局、柿本家(旅館)、七福食堂、東京庵(食堂)、理髪店、土産物屋、山楽(旅館)等々……。
 妻も、2人の子どもも地図の中にいた。
 みんなでよく東京庵にいった。
 休日には高山バスとケーブルカーと信貴電を乗り継いで、王寺の町にショッピングに出かけた。

 口縄坂の中途で起こった「原点周辺風景」のフラッシュバックを集積したところのイメージと、この「地図」が酷似している。

★ここで2つの問いが設定できる。

 まず、1つは、あの「地図」は何だったのか?

  たぶん、中学の国語教師で1年6組の学級担任である「僕」、夫である「僕」、親である「僕」、(大阪にいる母に対しては)息子である「僕」、E……である「僕」、F……である「僕」、G……である「僕」――これらの、現実の、空間軸上(主に人間関係)、時間軸上(主に僕の身の上&経歴)に、ガラスの破片のように(という比喩は大袈裟で痛々しすぎるが)いくつもに散らばった「僕」を、ただ、仕方がないのだと受け入れるのではなく、30歳代のわたしは、必死に、「地図」上の「村」に(なんといったらいいのか……)統一? 包括? 結合? 融合?させようとしていたのだろうか?

★もう1つの問いは、今、空間(水平)軸上の枠組み&時間(垂直)軸上の枠組みを撤去したところの「茫漠の時空間」を疾駆しはじめ、口縄坂に至った僕が、なぜ、あの「地図」に出くわさなければならないのか?

 今回の「茫漠の時空間」という概念は、昔の、空間軸&時間軸上に散らばった「僕」を1枚の「地図」上に結合しようとする企みの真っ逆さま(すなわち、空間軸&時間軸のリセット)の概念だからか?
 いや、そうではなく、2つの概念は、地球上を西向きにスタートしたものと、東向きにスタートしたものが出会うように、つまるところ、同じ結果に至るからか?

 わからない。
 わからないし、僕がいちばんイヤがっている「作法解説」めいてきたので、きょうはこれでやめる。

★鶴橋駅には、近鉄鶴橋駅構内・ドトールコーヒーショップとJR鶴橋駅構内・ロッテリアがある。
 ロッテリアは環状線の電車が目の前に見える。
 ドトールは人の流れしか見えない。
 気分によってどちらかを選択しているが、きょうは、ドトール(画像)。

★青森市立三内中学校の、2010年11/29/・12/1に行われた2年生の保健体育の期末テスト問題に関するトラブル。
 心を痛めている。
 「評価」は学校の重要な機能の1つだ。
 報道で取りあげられているような問題が作成される、また、チェック機能も働いていないというのであれば、学校の機能不全、学校経営がほとんどできていない状態といっていい(ノ△・。)。

★先日の、やはり同じ青森、黒石市内の中学校の「愚か者一覧」掲示問題も含め、こういう問題の頻発は、県、あるいは市町村教委が校長を集めて(「形式的に」……とはいわないが)指導するレベルを超えている。
 ニッポンの、あるいは県の義務教育がボロボロなのだ、メチャクチャなのだ、という自覚が必要だ。

★今、僕は、教員養成&採用まで問題をひろげるつもりはないが、まず、こういう経営を放置した、あるいはこういう管理職を採用した教委の責任は問わなければならないと思う。
 こういう(とても「経営」とはいえない)「学校経営」が行われているということは、きついことをいうようだが、教委もほとんど機能していないと考えるべきだろう。

★なお、念のためにいえば、普通、学校(中学校)には「試験(考査)規定」というものがある。
 そこには、通常、問題作成に関する規定から、作成期日、作成場所、チェック方法、保管場所、試験運営方法(配付の仕方、監督の仕方、集め方、採点、返却)に至るまで詳細にわたって記載されているはずだ。

★青森市立三内中・2学年保健体育期末テスト問題の報を聞いたとき、僕は瞬間的に、この「試験(考査)規定」を想起した。
 この規定がアマイのではないか? あるいは、この規定が守られていないのではないか?……と。
 しかし、臨時の保護者集会での「生徒に自分の行動を振り返ってもらうアンケート調査のような」&「設問を読んだが問題視はせず」という教師発言を聞き、根はもっと深いと認識し直した。

★さらに、念のために触れると、一般の方は試験問題のチェックといってもピンと来ないだろうが、経験的に、これが実にいろいろある(はずだ)。
 だから、チェックは、二重、三重に行われている。
 例=「合計が100点になりません。5点不足。」
 「去年も同じ問題を出題していますね。これは絶対に困ります。差し替え」
 「難度が高すぎます。差し替え」
 「問いの文末、不統一」
 「常用漢字外です。修正。」
 「この図を印刷した場合の鮮明度に問題があると思います。図の差し替え」等々……。
 期日が差し迫ったなかでの「差し替え」指示は、指示するほうも、されるほうも、結構、厳しい。
 でも、これが「学校経営」だ。
 くりかえす、「この試験問題、5点、足りまへんで」これが学校経営だ。

★BeFM様 しかし、twitterにおけるBeFM様の返信って、一般的で、普通っぽく、ま、いってみれば、役所風で、おもしろみもなく、鋭さもなく、さびしく、つまらない感じm(_ _)m。
 隠さないで、twitter上に、しもやんを出してくださいよ。


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