昔、読んだ『江戸しぐさ』関係の本をいまダウンロードして聴いている。
どうも最近、日本人が生活の知恵のようなものを忘れているように思う。
名前ぐらいお聞きになった方も多いでしょうね。
↑本日の写真は、文章と連動しておりません。月ヶ瀬の甘味です。父親が珍しく氷でなくフルーツみつ豆だった。お腹が膨れていたのね。
いま、実行しても有効な・・・というより一昔前の日本人にとって当たり前だったことが、忘れてしまっているように思います。
江戸時代は、寺子屋で子供を教育していた。その基本的考え方をあわわす言葉がある。
「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる」というのである。
意味は、「三歳で素直な心を作り、六歳で節度ある振る舞いを覚えさせ、九歳で人様に聞かれても恥ずかしくないような正しい言葉を覚えさせ、十二歳できちんとした文章が書け、十五歳で道理(理屈)を理解することが人間教育の基本であり、これらのことを如何に理解し、実践出来るかによって、その子の将来は決定する」というような意味。
この基本が戦後、歪んできたように思う。
「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる」があってその上に「学問」「専門的教育」があるのだろう。
内容をよくよく聴いていると、都市生活のサバイバル術がいたるところで語られている。
例えば
◎傘かしげ
雨降りのとき、狭い横丁を傘をさして通行していたら、前方からも傘をさした人が来て、すれちがうとき、お互いが傘を道路の外側にかしげ、相手に雫がかからないようにします。こうすれば、お互い雨にかからず、トラブルをさけ、そして気持ちよくすれ違うことが出来ます。ほんのちょっと相手を思いやる優しさと譲り合いの心と気配りがあれば誰でも出来ることです。この傘かしげも肩引きと同様、自分だけでなく相手も同じ気持ちと行動をすることが必要です。しぐさはみんなが同じ気持ちと行動を取らなくては成立しないのです。
日傘も傘だと思います。すれ違う時、傘が怖いのです。傘を持つ時も考えないといけませんね。
↑私も寒天・・・関東の人からすると「黒蜜なんて」と言われそうだけど、私は黒蜜が好き。
もうひとつ
◎蟹歩き
横丁などの狭い道ですれ違う際は、肩引きしぐさをするのですが、もっと狭い道で人とすれちがうときのしぐさです。お互いが道路の内側を向いて横向きになって顔と顔と合せる格好ですれちがいます。これを「蟹歩きしぐさ」といいます。
◎七三歩き
「七三歩き」は、「七三の道」とも言います。道路を歩くとき真ん中をのっしのっしと歩くのではなく、道路の三割を使って歩き、残りの七割は急用の人など他の人のために空けておくということです。
特に現代は車社会です。右側を七三歩きすることによって、交通事故を回避するという効果もあります。人の為のはずの行為が自分のためにもなっていることになります。
◎階段では昇って行く人が譲る
江戸時代の階段は今と比較しても狭くて急勾配で危険です。そんな階段の途中で昇る人と降るひとがすれちがうときのしぐさです。江戸しぐさではこのとき、昇る人はその場で待機し、降りの人が同じ目線になったとき、軽く会釈をしてすれちがいます。そのとき、降りてきた人は感謝の気持ちをこめて会釈をします。
登山のときは江戸しぐさと逆です。降りてくる人がその場で山側の道の脇に寄って昇りの人を待ちます。そしてすれちがうとき昇りの人が「こんにちは、どうもすみません、ありがとうございます。」といい、軽く会釈します。すると降りの人が「こんにちは。どういたしまして。」と返します。これは山道で接触したら降りの人のほうが断然有利で、接触したら昇りの人は谷底へ滑落してしまうからです。
こういう暗黙のルールを小さい時から身に付ければいいと思います。
いま、数冊分の本のデータを聴いております。
どうも最近、人が多くいる場所の混沌が気になるのです。一人一人は善人だと思います。でもルールを統一して置かないとトラブルになります。
車の運転なんかもそうかも。
まだ、しっかり聴いてないのでまだ全体像を理解できていません。
観じたら書いてみますね。
| 和菓子 |
クリエーター情報なし |
河出書房新社 |
↑京男の和菓子本が新装版になりました。
初版を出版した2013年1月26日時の記事と
新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)000(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)
Twitter→@kyo_otoko