山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)。
大乗仏教の真理。仏性は人間だけにあるのではなく、
すべての生きとし生けるものばかりか、山や川すら仏になれるとする考え方」。
↑若冲「老松白鳳図」の一部。羽のところにある赤がハートに見えるのが不思議。
これはすべてのものが自然の一員であって魂を持っている。
個々には永久的ではないけれども滅したのち次のものに生まれ変わる生命循環という流れの中で永久的であり、お互いに助け合い共生し自然のバランスを保っているという考え方。
先日の若冲展を観に行き、まさしく「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」を体感してきた。
動植物がすごい密度で描きこまれ、命というものを表現していた。
その個々の命が大きな命に繋がっていく。
だから自分や周りの命も大切にしていかなければならない。
いま、人類に欠けているものは、こういう考え方かも。
具体的な環境対策も必要だけど、もっと精神的な考え方が必要。
三十三幅の絵を通じて若冲さんは言っているように思う。
釈迦三尊の三幅と残りの三十幅の絵が120年ぶりに「いま」いっしょになり展示されたことは、
現在の日本にとり、とても大切なことのように思いました。
願わくば、恒久的に展示して、子供たちにも見せてあげたい。
そして「命の尊さ」を感じてほしいな。
絵としても結構面白いしね。
↑若冲「老松白鶏図」。若冲さんは鶏がお好きだったのかな。この絵とは違うけど「群鶏図」というやつは鶏インフルエンザで処理された鶏さんたちが怒っているように見えました。
なんで若冲さんが相国寺に寄進しやはった絵が120年ぶりに合体したのかというと、120年前、廃仏毀釈の影響で相国寺が没落の危機に陥り、宮内省(当時は省でした)に献上、下賜金として一万円だったそうです。
それで相国寺が救われた。すごい話ですね。
どのぐらいの価値だったのかな・・・。
それにしてもすごい人気でしたよ。
6月3日までです。
「若冲展」