この間、山科をオープンカーで走っていて、写真のようなものを発見。
何かわからなかった。ガマ(蒲)の穂というやつね。
水辺でもないのにあるのが不思議でした。
最初見た時はカマキリの卵かと思いました。
俳句では、「蒲」や「蒲の穂」というのは夏の季語。
「蒲の穂絮(ほじょ/穂綿)」というと秋の季語になるそうです。
つまりこの穂が綿をほぐしたようにほころび、風で綿毛をつけた種が飛んでいく。
因幡の白兎の話で大国主が白兎に「蒲の穂にくるまりなさい」というのは、この綿毛のことでしょう。
話はこうです。
昔々、気多の岬(鳥取県)に一匹の白ウサギが住んだはりました。 ある日、大洪水が起き、白ウサギは沖の島へ流されてしまい帰れなくなってしもうた。えらいこっちゃ。そんな時、ワニ(海の鰐鮫)と出会いました。白ウサギは,ワニを騙して向こう岸に戻ろうと思い 「ワニさん、あんたらの仲間とうちらの仲間と、どっちが多いか比べてみいひん」 とうまいこといわはって、沖の島から気多の岬まで一列に並ばせ、ワニの背中を「一匹、二匹、三匹・・・」踏み数えながら渡って行かはったん。
もう少しで岸に着くというときに、白ウサギはつい 「あんさんらは騙されはったん」 といわはった。えらい怒らはったワニは、白ウサギの毛をむしって丸裸にしてしまいました。(いや~ん)
毛をむしり取られ、白いバニーガール状態の白ウサギが砂浜で泣いていると、大勢の神様(大国主の命の兄たち)が通りがかり、「どないしたんや?」と聞かはった。
事情を聞いた悪ガキの神さんたちは、
「海水でその身を洗い、風に当たってよく乾かし、高い山の頂上で寝とうきやす」といわはりました。白ウサギは言われた通りにしやはったけど、海水が乾くと皮がひび割れてかえって痛くなりました。
白ウサギが泣いていると、大きな袋を担いだ大国主の命(みこと)が通りかかりました。袋の中身は兄たちに担がされた荷物です。わけを聞いた大国主の命は
「河口の水で体を洗い、蒲の穂を敷いてくるまりなさい」と教えはった。
ウサギがいわれたとおりにすると、痛みが消え、毛が生えてすっかり元通りの体になりました。(私が思うに蒲の穂が濡れた身体についただけかもね)白ウサギはとても喜び、お礼に美しい八上比売(やかみひめ)の所に大国主の命をお連れしたそうです。そして大国主の命は八上姫と結婚することができました。この大国主さん、八上姫と結婚しやはったけど、ほかにもいっぱいの女神さんと結婚してはって、子どもが180人もいやはるそうです。やるな~。
あやかっとこう♪
この「大国」さんはダイコクとも読めることから、同じ音の大黒天(大黒様)と習合して民間信仰になっています。習合というても集まれというんじゃないですよ。それは集合や~。
神仏集合いうたら神無月やね。出雲に集合してハル。そやけど集まらハルのは国津神(くにつかみ)系で、天津神(あまつかみ)系の神さんは来はやらへんのどす。このあたりが歴史のダークな部分でやね。
神仏習合は、土着の信仰と仏教信仰を折衷して、一つの信仰体系として再構成(習合)することなんです。
仏教が552年ぐらいに伝来してきて、地元の神道系の神さんと仲良しにならはった。
よくお寺の中に神社があったりするでしょ。ああいうことです。
なんか蒲の穂から神仏習合にまで話しが飛んだね。
私は最初、シークカバブを思い出してしまいました。