京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

花橘

2008年04月30日 05時25分31秒 | 和菓子


「皐月待つ花たちばなの香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」
(旧暦五月を待つ花の花橘の香りをかぐと 昔つきあった人の袖の香りがする)

この歌はとても有名な古今集歌(夏・読み人知らず)で
印象的な歌ですね。
この歌はなかなかいわく因縁のある話があるんです。



ある香りを感じ、一瞬のうちに過去の幻影を見る。
なつかしくも儚い夢。
プルーストの『失われた時を求めて』も紅茶にマドレーヌを浸す一瞬に
さまざまなことを思い出す話だったな。



この和菓子は、京都鶴屋鶴壽庵「花橘」
そんな儚い夢を表現したものだろうか。



こなし、黒こしあん
調べてみると橘の花は、地味で目だたない白い小さな花らしい。
香りはするのだろうか。
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なんや?

2008年04月29日 05時43分03秒 | 社寺


これは、車折神社(くるまざきじんじゃ)の境内にある清めの社。



祓戸神(はらいどのかみ)または、祓戸大神(はらえどのおおかみ)とは、神道において祓を司どる神である。祓戸(祓所、祓殿)とは祓を行う場所のことで、そこに祀られる神という意味なんだそうです。





この場所で祓いをする。神職が祭祀の前にここで祓いをするのかな。
こうやって遠くからみると不思議なものですね。



この円すい形は、上賀茂神社でもみたな。
あれも同じような意味合いなんだろうか。
料理屋さんの玄関の盛塩もおなじような形状やね。
現在、ほとんど人は牛車に通ってないからあまり盛塩は意味ないけど・・・。
いまなら1リットル100円とか書いておく方が車は止まってくれそう。
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穀雨

2008年04月28日 05時18分39秒 | 和菓子


もう穀雨(こくう)も終いやね。
穀雨は、二十四節気の一つ。
4月20日ごろ。および、この日から立夏までの期間のこと。
※この頃降る雨は、穀物の成長を助ける雨なのでこのような名前がついている。



もう八十八夜か。新茶のシーズン。
この新茶、宇治の新茶やと思もてました。
でもね。宇治は特別に八十八夜に採れるようにしてあるものでないかぎり採れません。
ほとんど鹿児島あたりで採れる新茶なんやそうです。
それが証拠にようお茶をみていると火山灰が浮いていまっせ。
(これは冗談ですよ。念のため)



長久堂「薫風」



山芋つなぎきんとん、黒粒あん
やっぱり山芋入りのきんとんは美味しゅうございます。
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やっぱりカレーか

2008年04月27日 06時02分20秒 | 


先週は、2回大阪に行きました。
先日のしぐれがさの記事の時の「'08日本書芸院展」を見るためといつもの用事と2回大阪に行った。悲しいけどやっぱりカレーを食べてしまった。
なぜか大阪に行く時はゆっくり食事ができない。
でもカレーの写真を比べてください。
盛りが違うでしょ。
最初のが「レギュラー・卵」。



これが京男標準の「大・卵・ピクルス」ね。
最初のは、S画伯さんが食べたカレーなんです。
違いがわかるかな?



さて、これがインデアンのハヤシライス。
昨日(土曜日)は、たまにはハヤシライスをと注文。
これは「レギュラー」。



食べてみて思った。
やっぱりカレーがいいな・・・。
周りはみんあカレーを食べているしね。
写真が欲しかっただけで注文してしまった。

仕方なく、ハイシライスを食べながら、カレーの味の記憶をひっぱりだして、
舌や鼻がカレーと認識するようにしていただきました。
だから食べた後は、カレーを食べた感じになりました。
京男はそういうことができるんです。
結論、やっぱりここではカレーを食べよう!
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今年はじめての庚申堂

2008年04月26日 05時20分30秒 | 社寺


八坂庚申堂は久しぶりでした。
庚申(こうしん)って、干支(えと)の庚(かのえ)申(さる)を意味しています。
庚申日の夜、人間の体の中にいる三尸(さんし)の虫が、寝ている間に体から脱けだして、天帝にその人間が行った悪行を告げ口に行くんだそうです。
天帝は寿命を司る神さんやし、悪いことをした人間に罰として寿命を縮める。
そやから、その日は寝んと起きているのがいいんやそうです。



この八坂庚申堂のご本尊の青面金剛さんがこの三尸の虫を食べてしまハルんやそうです。
不思議な話やね。
なお、三尸の虫には種類があるそうです。
上尸・中尸・下尸の三種類で、上尸の虫は道士の姿、中尸の虫は獣の姿、下尸の虫は牛の頭に人の足の姿(なんやそれは!)をしている。
大きさはどれも2寸(6.06センチ)である。結構でかいやん。
人間が生れ落ちるときから体内にいるらしい。


↑観たくない


↑聞きたくない


↑言いたくない
そんなこといわんとチャンと観て、聞いて、言いなはれ!

この庚申さんのお使いが申(猿)なんやそうです。
だからこの八坂庚申堂には猿さんがいっぱいてハル。



この人は、賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)。
お釈迦さんのの弟子の中でも超能力者なんだそうです。撫で仏としてさすると御利益があるんやそうです。



タレコ封じ祈祷
下の世話にならず、元気にすごすための御祈祷で、とくに新品の下着を持参して頂き、庚申宝印を押して秘法を修します。代参や通信祈祷もできますので、新しい下着と共にお申し出下さい。タレコ封じ五色お守りを授与します。
と説明があります。
来月5月3日なんだそうです。
お心あたりのお方は行かはったらええかも。
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瓦屋根を支える邪鬼さん

2008年04月25日 06時05分30秒 | 社寺


このひと(?)たちは五重塔の瓦屋根を支えたハル。





このおひとは、「邪鬼(じゃき)」といいます。
邪鬼は、当然架空の生きもの。
「あまのじゃく(天邪鬼)」は「邪鬼」から転じた言葉。
反抗する、反発するという意味。
京男も昔からよういわれました。
車みたいな重いものを持ち上げるのは・・・「ジャッキ」(笑)



そのあまのじゃくの反発する力を昔の大工さんは利用した。
そういうことで第一層目の軒の四隅でこうやって背中で支えたはるんです。
なんとのう他人を見ている気がせえへんな。
でも長い年月これだけの屋根を支える反発力はすばらしい。
日本の国民も見習わないかん。
政府に踏みつけられても反発しないと。
それが国を支える元になるんやけどな。



今度、三重塔や五重塔を見かけはったらみやはったらええんとちがうかな。
長い歴史を屋根を支えながらみてきやはったんやろな。



このお方も踏んだはります。
ほんまは、どっちが偉いのかな・・・。
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恵比寿大黒

2008年04月24日 05時21分21秒 | 風景・和菓子


数年前の初夢で恵比寿さんが目の前で踊っているのを見た。
踊っている恵比寿さんの後ろで商品がどんどん売れている。
その夢を見ながら「恵比寿さん、私の商売理解してないな・・・」と思った。
商品を売る商売じゃないものね(笑)
それを記念して、黒柿(これも夢で見た木なんです)の恵比寿さんの像を手に入れました。
隣に大黒さんもいたんだけど、手に入れなかった。
後で恵比寿大黒は相方とわかった。そうなんだ!
恵比寿さんが漁の神さまで、大黒さんが豊作。お二人あわせて、招福、商売繁盛の商いの神ね。
以来、黒柿の展示(年に一度なんですよ)で探したけど、大黒さまとは、であわなかった。
今年やっと大黒さんを発見。来ていただいた。



大黒さんを持って松ヶ崎大黒天(妙円寺)に行き、この像に大黒天さんを魂(?)をいれてきました。
もちろん恵比寿さんは京都ゑびす神社に行きました。
話は、変わるけど「恵比寿歯」「大黒歯」って知ったハリます?
上の前歯の中央左側を大黒歯、右側を恵比寿歯っていうんやて。
この歯が欠けると金がこぼれていくと言われてます。



閑話休題
ということで恵比寿さんは相方を得て、商売繁盛に精進するのであった。
せっかく来てくれハッタので「清浄歓喜団」ごちそうしました。



清浄歓喜団の由来
略してお団と言い、遠く奈良時代遣唐使により我国に伝えられた唐菓子の一種で、数多い京菓子の中で、千年の歴史を昔の姿そのまま、今なお保存されているものの一つであります。
唐菓子とは「からくだもの」と呼ばれ、仏教と共に我国へ伝わり、天台宗、真言宗などの、密教のお供えもので、当時は、とても一般庶民は口にすることは出来ず、貴族のみに与えられたものであります。





七種の香を入れて包み、そのほのかな神秘な香は仏教で言う「清め」の意であり、八つの結びは八葉の蓮華をあらわし、形は金袋になぞらえ、たぎった上質の胡麻油で、揚げてあります。
伝来の当時は中身は栗、柿、あんず等の木の実を、かんぞうあまづら等の薬草で、味つけしたらしく、小豆餡を用いるようになったのは徳川中期の後であります。
弊店はその秘法を比叡山の阿闍梨(あじゃり)より習ったと伝えられ、月の一日、十五日を中心に調整します。勿論精進潔斎の上調進することは昔も今も変わりはございません。
お召し上がり乃斎、もう一度軽く焼かれますと一団と香味がございます。
創業元和三年(1617)亀屋清水



この清浄歓喜団は、ナントカ天さんの好物なんだそうです。
いつかの托枳尼天さんや魔王尊天さんにもごちそうしたのがこれね。
ご興味がおありの人は、京都に来られたら買ってみてはいかがでしょう。
大抵の百貨店に置いてあります。
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木の芽時期や

2008年04月23日 05時32分36秒 | 風景・和菓子


木の芽時期ってあんまりいい意味合いで使わないな。
変な事件も多くなるのもこの時期だしね。
確かに暑かったり、冷えたり極端だもの。



病気でも木の芽時期ってからだの中で眠っていた持病やアレルギーが吹きだす。
だんだん暖かくなるのにつれて人の体に備わっている陽気も増えてくる時期ね。
この陽気がうまく発散されないでいると、神経痛や皮膚病、のぼせる、カラダがだるい、のぼせる、不眠などを訴えてくるらしい。
できれば早寝早起き(日の入りと共に寝て日の出と共に起きる)を心がけ、歩くなどゆったり身体を動かし始めることが大切になります。そして、心身ともにのびのびとした気持ちで活動するのが、春気に応じるよい方法やね。
「五月病」などは典型的な春の病かも。
この頃、よく寝てしまうのもそうやろか・・・。
年中か(笑)。


嘯月(しょうげつ)「木ノ芽やき」
小さい時はこういう木の芽のついているお菓子やお寿司がきらいやったな。
味噌煎餅に木の芽がひっついていた。
剥がすのが一苦労やった。いまは、平気やけど。


上用、こしあん
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どんな音なんやろ・・・

2008年04月22日 05時51分34秒 | 和菓子

長久堂「寿々の音(すずのおと)」







これは、美しく愛らしい和菓子です。
なんか見ていてうっとりしてしまう。
桜の音ってどんな音なんだろう?
きっとおめでたい音なんだろうな。





この上生菓子はそんなイメージを与えてくれます。
職人さんありがとう。


こなし、赤こしあん
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若筍の季節

2008年04月21日 05時51分36秒 | 


桜のシーズンが終り、京都は新緑の季節の到来。
この季節にいいのが筍。
八百屋さんの店頭では、朝掘りのたけのこが並びます。
たけのこにはしろことくろこがあって、しろこのたけのこのほうがやわらかい。
ゆがくのは、きぬかわごとお米のとぎ汁か、一握りの糠をいれて、強火にかける。
あま~いたけのこのにおいが家中に広がる。
この頃ちょっと、高級品になってなかなか口にははいらへんけど。



これは、大黒屋の「若筍そば」。
若布とではじめの木の芽がのっています。



これがまた結構ソバとあいます。
木の芽の季節やね。


大黒屋本店地図
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やっぱり花より団子

2008年04月20日 06時27分12秒 | 社寺・和菓子


仁和寺の境内では、床几も借りれます。
ひとり500円やけど、これだけの桜を一日楽しめるから値打ちかも。
ここは、お弁当をもってきてもいいからゆっくりお花見ができますよ。
あまりドンチャン騒ぎをしたはるお人はいやはらへんかったけど。



床几にすわっていると花びらがいっぱい落ちてきます。
結構風流なものです。



お茶にも花びらがはいってきました。
もちろん団子も売っていました。





五重塔を見ながらいただきました。



ゆっくり桜を楽しむことができました。


塩芳軒「花見だんご」外郎(白餡)、こなし、餡玉
これは、上等の花見だんご。これならもっとよかっただろうな。
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わたしゃお多福

2008年04月19日 06時06分12秒 | 社寺


原谷苑から歩いて仁和寺に移動。
結構な山道でございました。
ここの桜はちょっと盛りを過ぎていた。





今年の開花はちょっと早かったみたいね。
むつかしい。
この日は天気がよかったから人もいっぱい。







桜は青空が似合うな。
御室の桜はお多福桜という別名が付けられている。
「わたしゃお多福 御室の桜 花(鼻)が低~ても 人が好く」
ここの桜は遅咲きで有名で、この木の丈が低いことから
花と鼻をかけた唄があるんです。









花がとても大きくボリュームがあるのが特徴。
もう少し早かったらな・・・。
また来年の課題やね。
これで京都の桜のシーズンは終りね。


長久堂「佐保(さほ)」
佐保って奈良の佐保川の古桜から名前が来ているんだろうな。


ういろう、備中白こしあん
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緑の桜・・・御衣黄

2008年04月18日 05時40分54秒 | 風景・和菓子






御衣黄(ぎょいこう)は、緑色の桜。
花びらにも葉緑体があるからなんだそうです。
ということは花びらでも光合成をするの?









鬱金(うこん)も同じような仲間ですが、葉緑体が少ないから黄色にみえる。
江戸時代に、仁和寺で栽培されたのがはじまりなんだそうです。
鬱金の名前の由来は、平安貴族の衣服の萌黄色(もえぎいろ)に近いため。
古くは「黄桜」「浅葱桜」などとも呼ばれていたらしい。
それが御衣黄なのか鬱金なのかは不明。


紫野源水「桜花」


煉切、白小豆こし餡
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これは、もう桜のジャングルね

2008年04月17日 05時27分14秒 | 風景






昨日の原谷苑の続き。
いっぱい写真を撮り過ぎてしまいました。
その場の臨場感を味わって下さい。
とても幻想的なんです。
人もたくさんいましたが、あまり気にならないぐらい桜の密度がすごいのです。
人はいっぱい写真に映っていましたが全部消してしまいました。
わからないでしょ。(笑)







圧倒的な桜のパワーにびっくりしました。
ここで宴会という気持ちになれないかも。
ここを歩くと土がとてもいいとわかります。
フワフワしてとても気持ちいい。
でもあまり踏み荒らしたらいけないというのも感じます。







ちょっと行きにくい場所ですが一度行く値打ちはありますね。
どう行ったって?
地下鉄の北大路駅からバスに乗りました。
1時間に1本ぐらいしかなかったので、40分ぐらい待ちました。
私としては珍しいかも。
タクシーで行っても道が詰まっているとバスよりイライラするだろうから
そういう方法でアプローチしました。
もう次の雨で終りになるだろうな。







原谷苑から仁和寺まで徒歩で20~30分。
下り坂を降りていきました。


長久堂「ひとしらべ」


上用、赤こしあん
原谷苑地図
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原谷苑の桜はすごい密度

2008年04月16日 05時38分47秒 | 風景


原谷苑は、個人所有の桜庭園で一山全てが紅枝垂れ桜。
知る人ぞ知る名所なんです。









ここの入苑料は、桜の開花に応じて時価なんだそうです。
この日は普通の日だったから1,200円。
高いのか安いのかようわかりません。
でもこれだけの桜の手入れは大変だからそのぐらいは必要なんだろうな。







吉野桜、彼岸しだれ、みどり桜、黄桜、御室桜などが見れるんです。
ちょっと辺鄙な場所にあるから、なかなか行く機会がなかった。
この間、思い切って行ってみました。





お天気が素晴らしく紅枝垂れ桜が迎えてくれました。
これほど密度の高い桜たちは珍しい。
桜のジャングルのような状態。
とても幻想的。


嘯月(しょうげつ)「御室の里」


こなし、こしあん
原谷苑地図
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