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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

NPT体制の崩壊か北朝鮮の体制崩壊か

2013年02月12日 15時45分24秒 | 国際政治
北朝鮮が核実験強行 成功と発表(産経新聞) - goo ニュース
 国際社会からの制止を振り切って、またもや、北朝鮮は核実験を強行したと報じられています。金正恩体制の成立後、北朝鮮の街並みが欧米化したり、グーグルの会長が訪朝するなど、改革開放路線への転換の兆しが報告されてきまいたが、表面的なソフト化路線は、強面を隠すカモフラージュであったようです。

 北朝鮮の核実験は、核の管理を目指してきた戦後の国際社会の努力を、全て台無しにしています。第二次世界大戦末に、広島と長崎に投下された二発の原子爆弾は、都市そのものを一瞬のうちに破壊し尽くし、核兵器の恐怖を人類に植え付けることになりました。核の恐怖ゆえに、第三次世界大戦は勃発しなかったのですから、広島と長崎で犠牲となられた方々の尊い命が、今日に至るまで、全人類を、核戦争から守ってきたといっても過言ではありません。70年代に成立したNPT体制もまた、核の恐怖からの救済を意味したのです。ところが、北朝鮮は、NPT体制から”抜け駆け”をすることで、核の恐怖を以って他国を威嚇しようとしています。威嚇や脅迫どころか、実際に、ミサイルへの搭載が可能となれば、攻撃兵器として使用することも検討していることでしょう。

 制度に不備があるために、暴力主義の国が核兵器を持つことできるNPT体制の現状は、理不尽でもあります(NPT遵守国だけが核に脅される…)。国連安保理では、北朝鮮に対する制裁決議が検討されているようですが、北朝鮮の核保有を認めることは、NPT体制そのものの崩壊を意味しますので、北朝鮮の体制崩壊を視野に入れた徹底した制裁を科すべきです。国際社会は、NPT体制の崩壊か、それとも、北朝鮮の体制崩壊かの岐路に立たされていると思うのです。

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コメント (4)
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