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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

原子力規制委員会は前民主党政権の申し子-国会は人事の同意拒否を

2013年02月01日 15時36分27秒 | 日本政治
「規制委が再稼働阻止」 高い独立性、重い足かせ 自民内から不満(産経新聞) - goo ニュース
 原子力規制委員会の隠れた目的が、原発の再稼働阻止であることは、既に各方面から指摘されいます。それもそのはず、民主党政権が、原発ゼロの政策方針の下で人選した委員会なのですから。

 福島第一原発の事故を受けて新たに発足した原子力規制委員会は、独立性の高い第3条委員会として発足しました。その狙いは、当時野党であった自民党が、IAEAの意見などを参考に、政治的に中立な専門家で構成することを求めたことにあります。いわば、政府民主党の介入を防ぐことが目的であったのですが、委員会の人事権が政府に握られている以上、第3条委員会が、非政治的で中立的な専門家集団となる保障はどこにもありません。案の定、現メンバーには偏りがみられ、その判断は、科学的な見地よりもリスク感情に基づいているように見えます。”活断層である可能性は否定できない”という説明は、反証する側に悪魔の証明を求めることですし、証拠なき独断は、同委員会に対する国民の不信を深めています。しかも、”再稼働の審査は、1基半年から1年はかかる”と述べているそうですが、まさか、54期の原発を一基づつ審査するつもりではないかと疑ってしまいます。もしそうであれば、審査を待つ間に、大半の原発は、稼働年数を越えてしまうかもしれません…。自分で規制レベルを決めて、自分で判断するのですから、原子力規制委員会は、ブレーキなき独裁機関ともなりかねないのです。

 第3条委員会の人事が、前民主党政権の政策上の理由から決められたとしますと、設置法を改正し、第3条委員会の地位を剥奪するという方法もあるものの、目下のところ、有効な対抗手段は、議会による同意拒否しかありません。国会は同意人事権を用いて、原子力規制委員会の歪みを是正すべきと思うのです。

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コメント (8)
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