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土佐いく子の教育つれづれ~子どもらの作文に見る明日に生きる希望

2022年09月07日 | 土佐いく子の教育つれづれ

あっちゃんとおねしょのかみさま      一年 藤井貴子
 きのう、あっちゃんのおかあさんが、おねしょのふとんをほしていたから、わたしが、
「どうしたの。」
といったら、あっちゃんのおかあさんがいった。
「あっちゃんがおねしょしたのよ。」
ていった。そして、あっちゃんが、いった。
「ぼくしてないよ、おねしょのかみさまが、あっちゃんのおふとんにはいってきて、おねしょをしたの。」
 わたしは、あっちゃんのこのはなしをしんじています。

         ◆  ◆  ◆

 「わたしは、あっちゃんのこのはなしをしんじています」という貴ちゃんのかわいらしさにほっこりしますよね。
         ◆  ◆  ◆
お父さんのことば          三年 島下房子
 夜、お父さんは、いつも同じことばでしゃべる。まだごはんのしたくができていない時には、すぐに
「めし。」
という。お母さんがほかのことをしててもいう。わたしはどうしてだろうと思う。
 こんどは、お父さんがおふろに入りたかったからすぐに
「ふろ。」
という。手つだってやっても、つぎからつぎへとお母さんにたのむ。お母さんが、
「人にたのまんと自分でし。」
とお父さんに言う。
 お父さんは、おふろから出たら、すぐにふとんに入る。それまでにふとんをひいてなかったら、大きい声で
「ふとん。」
という。ねるときは、少しだけテレビを見る。ねむくなったらお母さんに
「でんき。」
という。
 お父さんはそれだけのことばしか知らないのかな?
 わたしはいつも思う。
 お父さんは昼まだけはちゃんとしゃべってるんかな。どないしてるんやろ。
 お母さんごくろうさま。
   ◆  ◆  ◆
 思わず笑ってしまいます。ほほえましい家族の笑い声まで聞こえてきます。
 父ちゃん昼間はしっかりしゃべって仕事がんばってまっせ!

   ◆  ◆  ◆
私ってどんなイメージ?         五年 穂乃佳
 私ってどんなイメージなのかなあと時々思う時があります。
 なぜそんな事を考えるかというと…。
 二組の米山先生は生徒の名前を下の名前で呼んだりしています。例えば龍田さんだと「じゅり」って呼んだりしていました。でも私を呼ぶときはなぜか「出口さん」やほかにも米山先生は、給食のワゴンを運んでいくときに、
「出口さんお通りください。」
などと言われたりします。
 米山先生以外には、じゅくの先生にも一度だけ、テスト返しの時、生徒の名前をおもしろおかしく変えて呼んだことがありました。
 まりえちゃんなら「マリエッティー」
 みさきちゃんなら「みちゃき」
 私はなんて呼んでくれるのだろうと楽しみに待っていたら、やっぱり「出口さん」でした。「ほのかちゃん」ぐらい言えんかー!と思いました。お母さんに話したら、
「かたくて、いじりにくい性格なんかなぁ」と言われてショックをうけましたが、私は私のキャラでこれからも生きていきます!!
   ◆  ◆  ◆
 「ショックをうけましたが、私は私のキャラでこれからも生きていきます!!」。この爽やかな明るさが素敵!子どもがすくっと育つ瞬間です。

 子どもの作文は、おもしろい。読んであげてください。なにわ作文の会『教室で読みたい綴り方』の注文先は土佐(090・1952・0671)。
(とさ・いくこ和歌山大学講師)

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