ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

あじろ亭 @岐阜県岐阜市 (6)

2023年05月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の伊奈波神社参道にある創業明治40年(1907)の洋食屋「あじろ亭」へ。この日は年配の客でほぼ満席の盛況ぶり。一番奥の席だけ空いていたので給仕の男性(息子さん?)に案内された。品書きにテープで貼ってある、もうあと数日で提供が終わるだろう「特選カキフライ」をお願いする(訪問3月)。この日は小寒くてビールの大瓶は持て余しそうだったので「お酒(月桂冠特選)」もぬるめでお願いした。これが今季最後のカキフライだろうなァ。テーブルにお通しのなますとソース、お猪口が用意され、細身の徳利に入った”ちんちん”(※とても熱いさま)の「お酒」が届けられた(苦笑)。

酒にピッタリのなますをつまみながら、BGMもない静かな店内でチビチビやっていると「特選カキフライ」が登場。薄衣でころっとした太めの牡蠣が4つ。それに小さいコロッケと舞茸のフライ、レンコンの素揚げも付いている。付け合わせは千切りキャベツとトマト、きゅうりの昆布和え、カットレモン。タルタルソースは付いていない。まずはそのまま熱いのを口に放り込む。しっかり身の詰まった牡蠣で旨い。残しておいた酒ともいい感じ。後の粒はレモンをかけたり、酸味が強い特製のソースをかけたり、それにレモンを合わせたりして楽しんだ。(勘定は¥1,950)

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欧風料理 あじろ亭

岐阜県岐阜市伊奈波通1-65

 

( 岐阜 ぎふ いなば神社 あじろてい 洋食 洋風料理 欧風料理 ミヤビヤ ミヤベヤ 高等ライス 100年食堂 牡蠣フライ カキフライ )

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三河亭 @岐阜県岐阜市 (5)

2023年04月16日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

ある祝日に岐阜市役所北の洋食屋「あかつき」に向かうも閉まっている。以前は日曜以外は開いていたと思ったが…。仕方なく行き先を変更して、同じく日曜休みの八ツ寺町の「三河亭」へ。途中休業はあれど創業明治27年(1894)と岐阜市では屈指の歴史の店。店に入るといつもの娘さんでなく若い男性が給仕。「カキフライ」はあるか尋ねると、残念ながらつい先日終了したとのこと…。そこで「エビフライ」と、インスタに”裏メニュー的”とあった「オムライス」をお願いする。「少し時間がかかりますが…。」と言われたが問題無し。バス移動なので「瓶ビール」も注文。揚物を待つ間、冷えたビール(スーパードライ中瓶)で喉を潤す。

しばらくして「エビフライ」が完成。中サイズの海老で4尾。薄衣で綺麗に揚がっている。付け合わせは千切りキャベツにミニトマト、きゅうり。パセリの入ったタルタルソースでいただく。旨いなァ。もちろんこちら特製のソースでも。市内で同じく歴史のある「あじろ亭」のソースと共通する酸味のある焼肉のたれのような味わい(興味深い)。少しとろみのあるソースだが、いつも瓶が綺麗にしてあるのは感心する。そして「オムライス」が登場。カップスープとミニサラダ付き(←ゴマドレが…)。ふんわりとバターが香るこんもりと紡錘形の薄皮玉子巻きタイプ。上には何もかけていない。中はグリーンピースも入ったケチャップライス。優しい味わいで旨い。途中でこちらにも特製ソースを少したらしたりして楽しんだ。(勘定は¥2,300)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ オムライス 海老フライ 復活  ) 

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三河亭 (4) @岐阜県岐阜市

2022年11月08日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

途中8年間のブランクはあれど創業明治27年(1894)という長い歴史を持つ岐阜市八ツ寺町の洋食屋「三河亭」へ。日曜休みの店なのでなかなか寄れないが、この日はたまたま平日に車で店の前を通るとちょうど娘さんが店を開けているタイミングだったので店前の駐車スペースに車を入れた。だんだんメニューが増えつつあるこの店、時折インスタなどでそんな品が紹介されているが、限定なのかいつもある訳ではない様子。この日はレギュラー・メニューの中から前から食べてみたかった「カツサンド」と「珈琲(Hot)」をお願いした。

まずはゴマドレのかかったミニサラダとカップスープが供され、後から「カツサンド」と「珈琲」が登場。「カツサンド」は山型のイギリス食パンで作られていて3つにカットされている。なんでもパンは神田町の「パンシノン」のものだとか。ソースをくぐったカツだけのシンプルなサンドイッチで、揚げ立てのカツの脂身の甘味とこちら特有の酸味の強いソースの組み合わせがいい感じ。あっさりした味わいの珈琲と一緒にいただいた。次は「オムライス」「エビフライ」「カキフライ」といきたいけれど、まだレギュラー・メニューにはならないのかな。(勘定は¥950)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ 老舗 カレーライス カツカレー かつサンド 復活  ) 

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三河亭 (3) @岐阜県岐阜市

2022年06月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

休業からの復活後、だんだんとメニューが増えていっている岐阜市八ツ寺町の洋食店「三河亭」。創業明治27年(1894・うち8年間休業)。いつもつい日曜定休なのを忘れて訪れる機会を無くしてしまう。今回はたまたま覗いた店のインスタグラムで「チキンカツハヤシ」の提供が始まったと知って、ある天気の良い祝日の昼に訪問した。まだ開店して間もない時間。カウンター席に座り、早速「ビール」と目当ての「チキンカツハヤシ」を注文する。

ビールはアサヒのスーパードライの中瓶。まずは1杯グイッと。決して便利な場所でもないが、もう数組後客が入ってきている。しばらくして「チキンカツハヤシ」が登場。ランチではカップのコンソメスープ付き。薄い衣で揚げられたチキンカツの上にトマトケチャップで炒めた玉ねぎがたっぷりのっている。そう”ハヤシ”といってもデミグラスソースがかかっている訳ではない珍しいタイプ。これも昔からこういう仕様だったのかな。軟らかく揚がった胸肉と甘めの味付けの玉ねぎを一緒に口に放り込む。旨いなァ。チキンカツの端の玉ねぎがのっていない部分にはこちらの特製ソースをかけて楽しむことも出来る。この酸味の強いソースは2代目のレシピそのままなんだとか。付け合わせの千切りキャベツ、トマト、きゅうりにもこのソースをかけていただいた。なんでも「オムライス」も復活したらしいが、まだ通常メニューではなさそう。次はそれを狙って。(勘定は¥1,300程)

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↓ 同じ八ツ寺町にある丸窓のある建物(建築詳細不明)。場所柄、三業に関わる建物だったろうか。

 

↓ 年季の入った佇まいが渋い神田町の「篠田紙店」(建築詳細不明)。現役なのが素晴らしい。そういえばその隣の明治創業の麺類食堂「常〇」はずっと店を閉めたままだが…。(※令和4年5月末、主人の健康上の理由から閉店されたそうです)

 

 


 

欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ 老舗 カレーライス カツカレー 復活  ) 

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あじろ亭 (5) @岐阜県岐阜市

2022年05月18日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

桜は咲いたが残念ながら雨が降って小寒い岐阜市の伊奈波神社参道(訪問4月初旬)。今年は桜が咲いてからも寒い日が続き、花は少し長持ちしたようだ。ただし休みの日は雨ばかりでうんざり。創業明治40年(1907)の洋食屋「あじろ亭」で昼食。店に入ると先客は1組のみ。静かな店内のテーブル席に腰を下ろし、メニューを眺める。まずは「ビール」を注文。煮豆とたつくりがお通しとして添えられるのが嬉しい。グイッとやって単品の「ビーフカツレツ」と「アスパラサラダ」をお願いする。この日給仕を担当していたのは初めて見かける高齢の女性。給仕を担当するのは初めてのようでバタバタしているので、他の客の応対を見ていてもこっちがヒヤヒヤする(苦笑)。店内はテレビも音楽も流れておらず、聞こえるのは調理場から漏れ聞こえてくる音と、他の客の静かな喋り声のみ。落ち着いた雰囲気がいい感じ。

「アスパラサラダ」が運ばれた。アスパラが並んでるのかなと思いきや、新玉ねぎ、レタス、トマト、ブロッコリー、ポテサラ、玉子焼き、苺と盛り沢山。アスパラは細いグリーンアスパラガスだ。ただせっかくの豪華なサラダにゴマドレが最初からかけてあったのが残念。もうどこもかしこもゴマドレで嫌になってしまう(味は嫌いじゃないけれど…)。入っていたポテサラはマヨネーズで和えていないのがいい感じ。フライ物が来るまでにビールを飲み干してしまうのをグッと堪えていると「ビーフカツレツ」が登場。付け合わせ野菜は千切りキャベツとトマト。もちろんこちらの特製ソース瓶が添えてある。カツはしっかりめの揚げ具合で、脂身もある部位。旨いなァ。すかさずビールで追っかける。ビーフカツの他に蓮根や舞茸のフライも添えてあるが嬉しい。酸味のある生姜の効いた特製ソースをかけながら味わい、のんびりとした休日の昼を楽しんだ。(勘定は¥2,250)

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欧風料理 あじろ亭

岐阜県岐阜市伊奈波通1-65

 

( 岐阜 ぎふ いなば神社 あじろてい 洋食 洋風料理 欧風料理 ミヤビヤ ミヤベヤ 高等ライス しだれ桜 老舗 100年食堂 )

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三河亭 (2) @岐阜県岐阜市

2021年12月03日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

8年ものブランクがあったが、めでたく復活した創業明治27年(1894)の洋食店「三河亭」を再訪。当初「高等ライス」などカレーのメニューだけだったのが、「ハヤシライス」の提供が始まったと聞いていたので寄ってみた。店に入ると叔母様のグループ客と、昼間からビールをやっている男性2人組がテーブル席を占めていた(ウラヤマシー)。カウンター席に腰掛け、即座に「ハヤシライス(ミニサラダ・スープ付き)」をお願いした。

当然最初にミニサラダとスープが来るかなと思っていたら、しばらくしてどういう訳か全て同時に配膳された。平皿に盛られたハヤシライスは玉ねぎと牛肉片が濃い色をしたソースに溶け込んでいる。さっそくスプーンで持ちあげてみると、しっかりとしたとろみ。なのでもったりとした口当たり。玉ねぎの甘さ、そして苦味。苦味が思いのほか強い。おそらく玉ねぎを炒めた時のものだろうが、ここまで強い苦味のハヤシライスは覚えがない。ちょっと好き嫌いは分かれそうだ。甘さもしっかりあって、ある意味重いのでピクルスとからっきょうとかの付け合わせがあるといいかも。ミニサラダは千切りキャベツにミニトマト。最初からゴマドレがかかっている…。ハヤシライスが甘いのでドレッシングはもっとキリッとしたフレンチ・ドレッシングのようなものの方が合うと思う。カップのスープはセロリとかの香味野菜の風味が出ていて旨かった。次はこれまた提供され始めたという「カツサンド」にしてみよう。(勘定は¥950)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

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三河亭 @岐阜県岐阜市

2021年08月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の旧市役所近くの洋食屋「三河亭」が8年もの沈黙を破って再開したと聞いて行ってみた。こちら創業明治27年(1894)という岐阜市内で最も古いと言われる洋食屋。自分はちょうどその8年前、絶滅危惧メニュー「ミヤビヤ」を食べ歩いていた時に寄った事があったのだが、店の前まで来た時に運悪く仕事の電話が入り、仕方なく次の機会にしようと店を離れたところ、そのすぐ後に休業状態になってしまったという苦い経験がある。何度も寄ったがシャッターはずっと閉まったまま。もう完全に廃業したと諦めていた。店の再開は娘さんの希望によってのものらしい。名前だけの復活ではなく、主人もちゃんと厨房に入っているようだ。

訪れたのは再開してまだ確か2日目くらいだったので混雑を予想していたが、ほぼ満席ではあったもののカウンター席に空きがあった。店内は明るくリフォームされている。給仕を務めるのがその娘さんだろう。L字のカウンター席に腰掛け「高等ライス」を注文した。とある新聞の記事で「高等ライス」の名前の由来は、当時カレーが高級料理だったからそう呼ばれたと記述されていたが、どちらかというと玉子が貴重だったからじゃないのかな。玉子抜きだったら普通のカレーライスな訳だし。開店記念のサービスとしてドリンクが付くというのでアイスコーヒーでお願いした。

しばらくして蓋付きで銘入りの小振りな丼で「高等ライス」がミニサラダとカップスープ付きで供された。「高等ライス」にはガラス瓶に入った特製ソースが添えられている。蓋を開けると一面のカレーの上にいい具合に黄身の軟らかい目玉焼がのっている。さっそくスプーンでひと口。もったりとした口当たりのカレーは辛味抑えめで味わいもマイルド。ガラス瓶の蓋を取り、ソースを垂らしてまたひと口。お勧めの食べ方とあってソースの酸味が加わっていい感じに。次は目玉を潰し黄身を流してひと口。そして次は多めにソースを垂らして玉子部分を混ぜこんで、と順番に楽しんだ。サラダにはコブサラダのようなドレッシング、スープはパセリが浮いたコンソメ・スープ。

メニューは「高等ライス」と「カレーライス」「カツカレー」のみと絞ってあるため”老舗洋食屋”の復活とまでは言えないかもしれないが、歴史ある店の名物がまた食べられるようになったのはめでたいこと。店には主人を知る客らが厨房に向かって声をかけていく姿が何度も見られた。以前のように「チキンミヤビヤ」「メンチボール」「オムライス」なんかも復活させてくれないかな。(勘定は¥900)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

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あじろ亭 (4) @岐阜県岐阜市

2019年04月04日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

未確認の情報だが、名古屋の円頓寺商店街にある老舗洋食店「勝利亭」が近々閉店するかもしれないのだという(間違った情報でありますように…)。日露戦争の勝利にちなんで名付けられたという店名が歴史を感じさせるこの名店だが、最近は不定休になり夜の営業もほとんどなかったりして、店前まで行っては振られることも多く、足が遠のいている。そんな創業110年を誇る店と同じく、112年もの歴史がある岐阜市の洋食屋「あじろ亭」へ(両者に共通するのは東海地方にわずかに残る料理「ミヤビヤ(こちらではミヤベヤ)」)。雨が降りそうな空の下、バス停から店まで歩いて行く。まだ早い時間だったが、店に入ると先客は1名。奥のテーブル席に座りメニューを眺めた。最初はビールでも呑もうと思っていたが、気分が変わってご飯物をと「オムライス」を注文した。この日給仕をやっていたのは年配の男性。

まずはいつものように大根やらのピクルスの小皿が運ばれ、後から「オムライス」が登場。給仕男性が「うちで作っているソースです。よかったら使って下さい。」とソースの瓶を添えていった。このソースはテーブルにも置いてあったので前にも味見をしたことがある。「うち」という言い方が血縁を想像させる。ひょっとしてご子息だろうか。調理は別の女性のようなので先行きは分からないが、この店にはなんとか続いて欲しいものだと思う。白い平皿に盛られた「オムライス」は薄焼き玉子タイプでライスをきれいに覆っている感じ。同じ皿にはちょこんとサニーレタスが添えられている。ライスは色付いているが味付けはごく薄め。中にはブロッコリー、マッシュルーム、玉ねぎ、ハムなどが見える。ブロッコリーって珍しいナ。勧められたソースを少したらしてみた。ソースは酸味が強めのもので、大雑把に言うと”焼肉のたれ”のような味の組立のもの。淡い味付けのオムライスに使うといい感じになる。このソース前提の薄味なんだろう。旨かった。(勘定は¥700)

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欧風料理 あじろ亭

岐阜県岐阜市伊奈波通1-65

 

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あじろ亭 (3) @岐阜県岐阜市

2018年05月11日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

久々に岐阜市の伊奈波神社参道にある創業明治40年(1907)の洋食屋「あじろ亭」へ。近所を散歩して街のところどころに見つかる歴史あるものに目を向けつつ、開店時間を待って店の中へ入り、テーブル席に腰を下ろす。給仕の女性が1人。女将さんの姿は見当たらなかったが、厨房にも2人居るようなので跡継ぎでも出来たのだろうか。この日はわざわざバスに乗ってやって来たので「ビール」と「メンチボール」を注文した。お通しは大根と人参のなます。ビールはキリンラガーの大瓶。ビールにはひじきの小鉢も付いてきた。昼一の極上の1杯を呑み干しゆっくりとした時間を過ごす。相変わらずBGMも無い静かな空間が貴重だ(なので厨房の声まで丸聞こえだが・笑)。しばらくして2組の後客が入ってきたが、みな落ち着いた年齢で、会話も声を落としているのでいい感じ。

しばらくして「メンチボール」が運ばれた。自分の経験からいくと古い洋食屋で「メンチボール」というのは大抵、今で言う”ハンバーグ”のこと。逆に「ハンバーグ」と名付けられていると目玉焼きがのせられている事が多い。作り方が違うのかどうか知らないが何だか面白い。自分の浅い経験から言うと「メンチボール」の方が玉ねぎなどの繋ぎが少ないものが多いような気がするが…。こちらの「メンチボール」は付け合わせが豪華。インゲン、タケノコ、カボチャ、ニンジン、ズッキーニ、ジャガイモ、レンコンと多彩な野菜がソテーされている。古い洋食屋の「メンチボール」はしっかりと肉の詰まったタイプのものが多いが、こちらは軽い感じのもの。ソテーされた玉ねぎののった優しい味のデミグラスソースで味付けされている。各テーブルに用意されている瓶に入った淡い茶色のソースも基本は同じものかしらん。独特のコクと酸味があって旨い。ビールを呑みながらゆっくりとやっつけた。老舗洋食屋をこんな風に使うと何となく贅沢な気分。(勘定は¥1,500)

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↓ 店のはす向かいに建つ建物(建築詳細不明)。今まで気付かずにいたが、表だけ洋風なのは以前何かの商店だったのだろうか。

 

↓ 前を通る度に写真を撮ってしまう存在感抜群の「石原美術(旧・日下部合資会社事務所)」(大正2年・1912・建築)。「石原美術」の看板が外されていたが…。

 

 

↓ 近くの通りの路地に入っていくとこんな風情のある建物がまだあちらこちらに見つかる。こちらは「御料理・徳廣」(建築詳細不明)

 

↓ 古い建物にあった玄関灯。昔の建物に付属するこういった照明器具は多くが1点物や少数生産物で、どれも本当に個性的で素敵だ。

↓ 登録有形文化財にも指定されている「松喜(旧・松喜仏壇店)」(明治44年・1911・建造のち増改築)。今はもう商店としてはやっていない様子。

 

 


 

 

欧風料理 あじろ亭

岐阜県岐阜市伊奈波通1-65

 

( 岐阜 ぎふ いなば神社 あじろてい 洋食 洋風料理 欧風料理 ミヤビヤ ミヤベヤ 高等ライス 老舗 近代建築 国登録有形文化財 )

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マカロニ軒 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2018年03月11日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市三番町の「のはら湯」(創業明治27年)で汗を流した後、JR岐阜駅に向かい、最近円相グループが出した日本酒が呑める店に向かうも、ランチが終わりかけの時間帯でまだ店が呑む雰囲気でなく、店の外に出ていたメニューを眺めたものの何か違うなァという気になって、同じビルで同グループの洋食屋「マカロニ軒」へ。こちらもまだ出来たばかりの新店。店の前まで行くとすぐ前のウエイティング用のベンチで酒片手に弁当を食べている剛の者(年輩)が…。店の人、そこは注意してもいいでしょ(笑)。店に入ると意外と簡素な内装。そつのない店造りをする会社なので、洋食屋としてもう少し雰囲気のある店なのかなと思っていたので意外(いわゆる”レトロ”っていうのを避けたのかな)。厨房前のカウンター席に案内されたので、腰かけてすぐに生ビールと「マカロニサラダ」を注文した。

喉がカラッカラなので五臓六腑にビールが滲みていく。「マカロニサラダ」はとても安い値付けなのにしっかりとした量があり、ねっとりとしたマヨネーズ和えにパセリが散らしてある。ビールのつまみにちょうど良かった。新しい店はどこもそうだがオーダーを含めてハンディ機器を使ってシステマチックに事が進んでいく。それだけならいいのだが客にはやや慇懃無礼。そして店員同士は「オーダー入りま~すっ!」「ハイヨーッ!」「〇×いただきました~っ!」「ハイヨーッ!」とかまびすしい。まるでどこかのラーメン屋のよう…。しかもカウンター席の頭の上に厨房があるような配置なので余計に…。世間がこういうのを求めているのかもしれないし、これを”明るく元気な接客”と評する浅慮な人も居るのだろうが、何でもかんでも大声を張り上げるのは幼稚過ぎないか。居酒屋じゃないんだから(←オイオイ居酒屋使いしてるじゃないかっ)もう少し落ち着いた大人の接客をして欲しいものだ。

こちらのメニューの特徴は何といっても主に中部地方の老舗洋食屋などに残る絶滅危惧メニューを取り上げているところ。「エスカロップ」「チキンミヤビヤ」「チキンマーブル」など、自分のように老舗食堂を食べ歩いている人間にはグッとくるものばかり(ただ「包み焼きハンバーグ」は銀座の「つばめグリル」か京都の「東洋亭」かな)。若干あざとさも感じるが、なかなかいいところに目を付けたなァと思う。仕掛人は言うまでもなくかなりの切れ者だ。そんなメニューの中から現在4店(名古屋市「勝利亭」、岐阜市「あじろ亭」、武豊町「享楽亭」、津市「中津軒」)に存在している「チキンミヤビヤ」と「角ハイボール」を注文した。ワクワク…。

しばらくして運ばれた「チキンミヤビヤ」は浅い丸皿に入れられオーブンで焼かれているのだろう。具はチキン、玉ねぎ、きのこ、グリーンピース、パセリ、そこに玉子が落とされている。老舗と違ってかなり濃い色のデミソースで煮込み焼かれているのだが、ソースはサラッとしていて少なめ、具材の切りも小さめ。玉ねぎは薄いのだが口に残る食感がある。これは一番外皮に近いところかな…。落とされた玉子は白身も透明なのでほとんど生卵の状態。全体的に具材の量も少なく、見た目からいくとオーブンでの火入れが長いよう。後発なのでもっと料理的な完成度を上げてくるのかなと思いきや…、若い客が興味で試してみてもこの値段で2回目があるかどうかちょっと心配。この材料だったらもう少しヴォリュームを持たせてもコストはさほど上がらないのでは。とは言っても、こういった岐阜市内にも残る絶滅しそうな貴重なメニューが日の目を見たのは快挙。次は「高等ライス」ですかね(笑)。(勘定は¥2,200程)

※同グループの「エリックサウス」開店に伴い閉店されました

 

 


 

↓ 前に建っていた建物が更地になり、”アッパッパ”になってしまった創業明治27年(1894)の銭湯「のはら湯。この日はスチーム湯が壊れていたのが残念。

 

 


 

BISTRO マカロニ軒

岐阜県岐阜市橋本町1-10-1 ACTIVE-G 2F

 

( 岐阜 ぎふ 岐阜駅 アクティブG ビストロ 洋食屋 洋食 円相フードサービス 円相グループ イナダシュンスケ 老舗洋食 ミヤベヤ マイヤベーヤ 閉店 )

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