ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

中津軒 @三重県津市

2024年04月15日 | 三重県(老舗)

東海地方の100年を越すような歴史ある洋食店にしか残っていない不思議なメニュー「ミヤビヤ(ミヤベヤ)」。メディアでは現在残っているのは3軒(愛知・享楽亭、岐阜・あじろ亭、三重・中津軒)とするところが多いが、実際は他にまだあって、自分は岡崎の「安兵衛」、津島の「三すじ」でも食べている。ただ、もう閉店してしまった店も(名古屋「勝利亭」、瑞浪「満月」)。

今回は提供が確認出来ている店の中で、唯一まだ訪れていなかった三重県津市の「中津軒」へ。創業は明治44年(1911)で現在4代目とのこと。今回の津訪問はもちろんこの店が目当てだった。雨降る中、傘をさして店へ向かい、開店と同時に店に入った。同時に入った客は3組程。店内は天井高く、やや暗い照明のクラシックな内装で、建造年は分からないが床の具合からしても結構古いんじゃないかな(※戦後の建築だそうです)。ブラウン管テレビが置かれた店内はテーブル席がいくつもあるが、使っていないテーブルもある様子。厨房は全く見えなかったが、手洗いを借りた際に奥に入ったら遠い廊下の先にあった。途中に貴賓室と思われる部屋もあって気分が上がる。給仕を担当する女性は3人だったが、年齢的にいってご家族3代の女性かも。

メニューを眺める。古い洋食店のメニューほど興味深いものは無い。名前だけではどんなものか分からない品もあり、これを読んで色々想像するだけでお酒が呑めそう(笑)。悩んで悩んで選んだのは、まずもちろん”特別料理”と書かれた「メアベア」(※こちらの店でのミヤビヤの呼称)。そして「コキール」、ドリンクから「ポートラップ」。本当はもっと沢山選びたいのだが、それぞれの量が分からないし、この後も予定があったので控えめにしておいた。銘入りの紙ナプキンの上にカトラリーが用意される。厨房が遠いので、出来上がると奥から「ジリリーンッ」とベルが鳴って知らせが入る様子。

先に金属持ち手付きのグラスで「ポートラップ」が供された。少しハーブの香るホットワイン。中に沈んでいるのはクローブかな。アルコール度数はかなり低い(と思う)。あっさりとした味わいでなのでどの洋食にも合いそう。イイな、コレ。家でも試してみよう。

一度に数組入店したので出来上がりには時間がかかる。結局40分程経って「メアベア」が登場。グラタン皿でオーブン調理されていて熱々。中はチキン、大振りにカットした玉ねぎ、それにデミグラスソースの具材かもしれないがビーフも同居しているのが珍しい(←確認出来なかったが豚肉も入っているのだとか)。上には目玉焼が落とされている。デミソースにはしっかりとしたコクと独特の苦味があり、旨い。この料理はどの店も量は多くないが、こちらはほどほど。「ポートラップ」を啜りながら食べ進んだ。

遅れて「コキール」が登場。こちらは貝の形をした銀食器での提供。細かく刻んだチキン、海老、白身魚、玉ねぎが入っていてホワイト・ソースに合わせてある。こちらは控えめの量で、味付けも優しい。どちらも旨かった。まだまだ食べたい品が盛り沢山。やっぱりこの店だけで終わってしまおうかと悩んだが、グッと我慢して勘定してもらった。次は「オードウヴル」-「コンソメ」-「オムレツ(ビヤンド)」-「チキン・ア・ラ・キング」-「アスパラガス」-「エスカラップ」なんていうコースを組んでみたいなァ。(勘定は¥2,700)

 

 

レストラン 中津軒

三重県津市中央5−5

 

( 三重 みえ 津 つ なかつけん レストラン Restaurant & Coffee 洋食 絶滅危惧 マイアベーア Meyarbeyar 中津軒ホテル 上野精養軒 )

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三すじ @愛知県津島市

2024年01月01日 | 愛知県(尾張・老舗)

 

あけましておめでとうございます。

 


東海地方の100年を越すような歴史ある洋食店にしか残っていない不思議なメニュー「ミヤビヤ(ミヤベヤ)」。メディアでは現在残っているのは3軒(愛知・享楽亭、岐阜・あじろ亭、三重・中津軒)とするところが多いが、実際は他にまだあって、自分は岡崎の「安兵衛」などでも食べている。今回はまだ訪れていなかった愛知県津島市の「三すじ」を初訪問。創業は大正9年(1920)で現在3代目とのこと。まごうかたなき100年食堂だ。天気の良い暖かい日にバイクで出掛けた(訪問10月末)。広い駐車場もある店舗はまだ真新しい感じがする。店内はテーブル席が3つ、小上がり席が2つ、そしてカウンター席がある。メニューには看板通り和洋食が揃っており、セット、定食、丼物から刺身、麺類、そして酒肴まである。目当ての「ミヤベヤ」が見付けられなかったので、すわメニュー落ちかと心配したが、別紙にちゃんとあってひと安心。経験上「チキンミヤベヤ」だけでは足りないだろうと女将さんに「オムライス」も注文した。厨房の中までは見えないが、若い方も居るようだったので調理は主人と息子という感じだろうか。

まずは「オムライス」が登場。平べったいフォルムで玉子は下まで巻いてはおらず、かぶせてある感じ。メニューに”創業当時からの変わらない味、高級太陽ケチャップ使用」とあるように少し甘味のあるあの独特のケチャップがかかっている。中はチキンケチャップライス。旨い。歴史ある店に多いマヨネーズを使っていないポテサラが付いているのも良かった。

目当ての「チキンミヤベヤ」はグラタン皿に盛られて出てきた。メニューには”老舗の洋食店のみに伝わる幻の味”との記述がある。上から生卵が落とされているが、玉子の状態や焦げの有無からいくとオーブン調理ではないかも(未確認だが蒸しているという話も)。中身はチキン、玉ねぎ、キャベツ、ブロッコリー、しめじと多彩で、味付けはデミグラスソース。野菜類はシャキッとした歯応えを残していて、デミソースはちょっと甘味を感じる今までにあまり味わったことのないタイプ。ちょっと胡椒の風味もあるかな。誤解を恐れず言えばチョコレートのような甘さを感じて、甘味と苦味が同居。面白いなァ。次はそのデミソースを使っているだろう「特製ハヤシライス」か「かつ丼」、それと創業から受け継がれているという名物の「おでん」をいただきたいな。(勘定は¥1,650)

 

 

和洋食 三すじ

愛知県津島市江川町2-130-2

 

( 津島 つしま みすじ 和食 洋食 ミヤベヤ ミヤビヤ メアベア Meyerbear マイヤベーア きしめん 定食 丼ぶり )

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安兵衛 @愛知県岡崎市 (2)

2023年08月22日 | 愛知県(三河・老舗)

愛知県岡崎市内を散策。以前にも訪れてそのクラシックな洋食メニューに胸が湧きたった元能見町の「安兵衛」を再訪。正確な年は分からないが創業して70年程だそうだ。店は中心部から少し離れた街中にあり、かなり年季の入った外観だが、メニューには「エスカロップ」「ハイシビーフ」「ミヤビヤ」「フライタース」「カスタードミンチ」「フーカデン」等の今では見ることの少ない絶滅危惧メニューが揃っているという貴重な店(注・ただし現在は名前だけ載っているものの配膳されていない品も多い)。以前訪れた時には「チキンエスカロップ」と「トルコライス」をいただいた。

店内には先客の老夫婦が2組。メニューを凝視して再確認。というのも実は先日、某地図アプリでこの店の最近のメニュー表の写真を見たのだが、あの「チキンミヤビヤ」に値段が付いているのを発見!(※値段の表示してある品は提供可)。気になっての訪問となったのだった。以前の訪問時には付いておらず注文出来なかったので復活ということだろうか? ワクワクしながら、まずは給仕の年配女性にメニューに載っていないノンアルコールビールがあるか訊いてお願いした(車なので)。今回はのり塩のポテチ付き。そして改めて「チキンミヤビヤ」を注文した。

ご高齢の女将さんの姿が見当たらないなと思っていると厨房の中で調理をしていらっしゃった。以前は女将さんが給仕で、調理は違う方がやっていらっしゃったと思うのだが(未確認)。古びて薄暗い店内でノンアル(キリン零ICHI )を啜りつつ、出来上がりを待つ。ノンアルのビールってビール代わりに仕方なしに飲む人も多いと思うのだが、どうして瓶は量が少ないんだろう?…。

しばらくして「チキンミヤビヤ」が登場。少し深さのある平皿に盛られていて、具材はチキンの他、玉ねぎ、人参、椎茸。タケノコも入っているかな。上にのった目玉焼は黄身が流れ出るくらいの火入れ加減でグリーンピースが散らされている。早速スプーンを入れていく。味の基本はデミグラス・ソースのよう。旨い。不覚にも早く黄身を潰してしまったので混ぜ合わせながらもいただく。オーブン調理してあるかどうかは分からなかったが、コクのある味わいと歴史を味わった。こちら、まだ「テンドロアンステーキ」「イタリアンコロッケ」「イタリアンポーク」「イタリアンスパゲテー〔ママ〕「オムライス」など食べてみたい品が沢山。近くだったら絶対全メニュー制覇するのに。胃袋があと2つくらい欲しい…。

5年程前に名古屋最古の洋食店、円頓寺の「勝利亭」が閉店して、東海地方の歴史ある洋食店にだけ残る不思議なメニュー「ミヤビヤ(ミヤベヤ、メアベア)」を現在提供しているのは、岐阜「あじろ亭」、武豊「享楽亭」、津「中津軒」(未訪)の3軒だけだとメディアでは言われているが、ここや、瑞浪「満月」(※閉店)、津島「三すじ」(未訪)など、メニュー復活を含めて歴史ある店、あるいはその系譜にある店ではひっそりと提供している店がまだあるかもしれない。(勘定は¥1,200)

以前の記事はこちら (1

 

 


 

↓ 店のすぐ向かいにある理容店「澤田理容館」(建築詳細不明)。以前は気付かなかったが、よく見ると瓦屋根に不釣り合いな2階の欄干付きの格子窓や、1階の将棋の駒のような明かり窓、入口の斜め付け扉など、とても個性的。結構古い建物なんじゃ…。

 

 

↓ 周囲を塀で囲ってまるで城のような「浄誓院・松本観音」(建築詳細不明)。こちらから見ると寺なのに中に入るのを躊躇してしまう要塞(笑)(表側には普通に参道があります)。

 

↓ 参道が小さな商店街のようになっていつも活気がある「松應寺」(建築詳細不明)。来るたびに装飾が変わっていたり、若い人が集うカフェや飲食店があったり、小さい子も立ち寄るような商店があったりと面白い寺。誰か仕掛け人でも居るのかな。自分は誰も居ない蚤の市で盃を見付けてきた(皿の上にお金を置いてくるだけ)。

 

 


 

 

 

レストラン 安兵衛

愛知県岡崎市元能見町172

 

( 岡崎 おかざき やすべえ YASUBEI 洋食 洋食屋 洋風料理 欧風料理 レストラン ミヤベヤ メアベア マイアベーア マイヤベーヤ Meyarbeyar 松応寺 近代建築 )

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あじろ亭 @岐阜県岐阜市 (6)

2023年05月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の伊奈波神社参道にある創業明治40年(1907)の洋食屋「あじろ亭」へ。この日は年配の客でほぼ満席の盛況ぶり。一番奥の席だけ空いていたので給仕の男性(息子さん?)に案内された。品書きにテープで貼ってある、もうあと数日で提供が終わるだろう「特選カキフライ」をお願いする(訪問3月)。この日は小寒くてビールの大瓶は持て余しそうだったので「お酒(月桂冠特選)」もぬるめでお願いした。これが今季最後のカキフライだろうなァ。テーブルにお通しのなますとソース、お猪口が用意され、細身の徳利に入った”ちんちん”(※とても熱いさま)の「お酒」が届けられた(苦笑)。

酒にピッタリのなますをつまみながら、BGMもない静かな店内でチビチビやっていると「特選カキフライ」が登場。薄衣でころっとした太めの牡蠣が4つ。それに小さいコロッケと舞茸のフライ、レンコンの素揚げも付いている。付け合わせは千切りキャベツとトマト、きゅうりの昆布和え、カットレモン。タルタルソースは付いていない。まずはそのまま熱いのを口に放り込む。しっかり身の詰まった牡蠣で旨い。残しておいた酒ともいい感じ。後の粒はレモンをかけたり、酸味が強い特製のソースをかけたり、それにレモンを合わせたりして楽しんだ。(勘定は¥1,950)

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欧風料理 あじろ亭

岐阜県岐阜市伊奈波通1-65

 

( 岐阜 ぎふ いなば神社 あじろてい 洋食 洋風料理 欧風料理 ミヤビヤ ミヤベヤ 高等ライス 100年食堂 牡蠣フライ カキフライ )

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三河亭 @岐阜県岐阜市 (5)

2023年04月16日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

ある祝日に岐阜市役所北の洋食屋「あかつき」に向かうも閉まっている。以前は日曜以外は開いていたと思ったが…。仕方なく行き先を変更して、同じく日曜休みの八ツ寺町の「三河亭」へ。途中休業はあれど創業明治27年(1894)と岐阜市では屈指の歴史の店。店に入るといつもの娘さんでなく若い男性が給仕。「カキフライ」はあるか尋ねると、残念ながらつい先日終了したとのこと…。そこで「エビフライ」と、インスタに”裏メニュー的”とあった「オムライス」をお願いする。「少し時間がかかりますが…。」と言われたが問題無し。バス移動なので「瓶ビール」も注文。揚物を待つ間、冷えたビール(スーパードライ中瓶)で喉を潤す。

しばらくして「エビフライ」が完成。中サイズの海老で4尾。薄衣で綺麗に揚がっている。付け合わせは千切りキャベツにミニトマト、きゅうり。パセリの入ったタルタルソースでいただく。旨いなァ。もちろんこちら特製のソースでも。市内で同じく歴史のある「あじろ亭」のソースと共通する酸味のある焼肉のたれのような味わい(興味深い)。少しとろみのあるソースだが、いつも瓶が綺麗にしてあるのは感心する。そして「オムライス」が登場。カップスープとミニサラダ付き(←ゴマドレが…)。ふんわりとバターが香るこんもりと紡錘形の薄皮玉子巻きタイプ。上には何もかけていない。中はグリーンピースも入ったケチャップライス。優しい味わいで旨い。途中でこちらにも特製ソースを少したらしたりして楽しんだ。(勘定は¥2,300)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ オムライス 海老フライ 復活  ) 

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三河亭 (4) @岐阜県岐阜市

2022年11月08日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

途中8年間のブランクはあれど創業明治27年(1894)という長い歴史を持つ岐阜市八ツ寺町の洋食屋「三河亭」へ。日曜休みの店なのでなかなか寄れないが、この日はたまたま平日に車で店の前を通るとちょうど娘さんが店を開けているタイミングだったので店前の駐車スペースに車を入れた。だんだんメニューが増えつつあるこの店、時折インスタなどでそんな品が紹介されているが、限定なのかいつもある訳ではない様子。この日はレギュラー・メニューの中から前から食べてみたかった「カツサンド」と「珈琲(Hot)」をお願いした。

まずはゴマドレのかかったミニサラダとカップスープが供され、後から「カツサンド」と「珈琲」が登場。「カツサンド」は山型のイギリス食パンで作られていて3つにカットされている。なんでもパンは神田町の「パンシノン」のものだとか。ソースをくぐったカツだけのシンプルなサンドイッチで、揚げ立てのカツの脂身の甘味とこちら特有の酸味の強いソースの組み合わせがいい感じ。あっさりした味わいの珈琲と一緒にいただいた。次は「オムライス」「エビフライ」「カキフライ」といきたいけれど、まだレギュラー・メニューにはならないのかな。(勘定は¥950)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ 老舗 カレーライス カツカレー かつサンド 復活  ) 

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三河亭 (3) @岐阜県岐阜市

2022年06月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

休業からの復活後、だんだんとメニューが増えていっている岐阜市八ツ寺町の洋食店「三河亭」。創業明治27年(1894・うち8年間休業)。いつもつい日曜定休なのを忘れて訪れる機会を無くしてしまう。今回はたまたま覗いた店のインスタグラムで「チキンカツハヤシ」の提供が始まったと知って、ある天気の良い祝日の昼に訪問した。まだ開店して間もない時間。カウンター席に座り、早速「ビール」と目当ての「チキンカツハヤシ」を注文する。

ビールはアサヒのスーパードライの中瓶。まずは1杯グイッと。決して便利な場所でもないが、もう数組後客が入ってきている。しばらくして「チキンカツハヤシ」が登場。ランチではカップのコンソメスープ付き。薄い衣で揚げられたチキンカツの上にトマトケチャップで炒めた玉ねぎがたっぷりのっている。そう”ハヤシ”といってもデミグラスソースがかかっている訳ではない珍しいタイプ。これも昔からこういう仕様だったのかな。軟らかく揚がった胸肉と甘めの味付けの玉ねぎを一緒に口に放り込む。旨いなァ。チキンカツの端の玉ねぎがのっていない部分にはこちらの特製ソースをかけて楽しむことも出来る。この酸味の強いソースは2代目のレシピそのままなんだとか。付け合わせの千切りキャベツ、トマト、きゅうりにもこのソースをかけていただいた。なんでも「オムライス」も復活したらしいが、まだ通常メニューではなさそう。次はそれを狙って。(勘定は¥1,300程)

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↓ 同じ八ツ寺町にある丸窓のある建物(建築詳細不明)。場所柄、三業に関わる建物だったろうか。

 

↓ 年季の入った佇まいが渋い神田町の「篠田紙店」(建築詳細不明)。現役なのが素晴らしい。そういえばその隣の明治創業の麺類食堂「常〇」はずっと店を閉めたままだが…。(※令和4年5月末、主人の健康上の理由から閉店されたそうです)

 

 


 

欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ 老舗 カレーライス カツカレー 復活  ) 

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あじろ亭 (5) @岐阜県岐阜市

2022年05月18日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

桜は咲いたが残念ながら雨が降って小寒い岐阜市の伊奈波神社参道(訪問4月初旬)。今年は桜が咲いてからも寒い日が続き、花は少し長持ちしたようだ。ただし休みの日は雨ばかりでうんざり。創業明治40年(1907)の洋食屋「あじろ亭」で昼食。店に入ると先客は1組のみ。静かな店内のテーブル席に腰を下ろし、メニューを眺める。まずは「ビール」を注文。煮豆とたつくりがお通しとして添えられるのが嬉しい。グイッとやって単品の「ビーフカツレツ」と「アスパラサラダ」をお願いする。この日給仕を担当していたのは初めて見かける高齢の女性。給仕を担当するのは初めてのようでバタバタしているので、他の客の応対を見ていてもこっちがヒヤヒヤする(苦笑)。店内はテレビも音楽も流れておらず、聞こえるのは調理場から漏れ聞こえてくる音と、他の客の静かな喋り声のみ。落ち着いた雰囲気がいい感じ。

「アスパラサラダ」が運ばれた。アスパラが並んでるのかなと思いきや、新玉ねぎ、レタス、トマト、ブロッコリー、ポテサラ、玉子焼き、苺と盛り沢山。アスパラは細いグリーンアスパラガスだ。ただせっかくの豪華なサラダにゴマドレが最初からかけてあったのが残念。もうどこもかしこもゴマドレで嫌になってしまう(味は嫌いじゃないけれど…)。入っていたポテサラはマヨネーズで和えていないのがいい感じ。フライ物が来るまでにビールを飲み干してしまうのをグッと堪えていると「ビーフカツレツ」が登場。付け合わせ野菜は千切りキャベツとトマト。もちろんこちらの特製ソース瓶が添えてある。カツはしっかりめの揚げ具合で、脂身もある部位。旨いなァ。すかさずビールで追っかける。ビーフカツの他に蓮根や舞茸のフライも添えてあるが嬉しい。酸味のある生姜の効いた特製ソースをかけながら味わい、のんびりとした休日の昼を楽しんだ。(勘定は¥2,250)

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欧風料理 あじろ亭

岐阜県岐阜市伊奈波通1-65

 

( 岐阜 ぎふ いなば神社 あじろてい 洋食 洋風料理 欧風料理 ミヤビヤ ミヤベヤ 高等ライス しだれ桜 老舗 100年食堂 )

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三河亭 (2) @岐阜県岐阜市

2021年12月03日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

8年ものブランクがあったが、めでたく復活した創業明治27年(1894)の洋食店「三河亭」を再訪。当初「高等ライス」などカレーのメニューだけだったのが、「ハヤシライス」の提供が始まったと聞いていたので寄ってみた。店に入ると叔母様のグループ客と、昼間からビールをやっている男性2人組がテーブル席を占めていた(ウラヤマシー)。カウンター席に腰掛け、即座に「ハヤシライス(ミニサラダ・スープ付き)」をお願いした。

当然最初にミニサラダとスープが来るかなと思っていたら、しばらくしてどういう訳か全て同時に配膳された。平皿に盛られたハヤシライスは玉ねぎと牛肉片が濃い色をしたソースに溶け込んでいる。さっそくスプーンで持ちあげてみると、しっかりとしたとろみ。なのでもったりとした口当たり。玉ねぎの甘さ、そして苦味。苦味が思いのほか強い。おそらく玉ねぎを炒めた時のものだろうが、ここまで強い苦味のハヤシライスは覚えがない。ちょっと好き嫌いは分かれそうだ。甘さもしっかりあって、ある意味重いのでピクルスとからっきょうとかの付け合わせがあるといいかも。ミニサラダは千切りキャベツにミニトマト。最初からゴマドレがかかっている…。ハヤシライスが甘いのでドレッシングはもっとキリッとしたフレンチ・ドレッシングのようなものの方が合うと思う。カップのスープはセロリとかの香味野菜の風味が出ていて旨かった。次はこれまた提供され始めたという「カツサンド」にしてみよう。(勘定は¥950)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ 老舗 カレーライス カツカレー 復活  ) 

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三河亭 @岐阜県岐阜市

2021年08月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の旧市役所近くの洋食屋「三河亭」が8年もの沈黙を破って再開したと聞いて行ってみた。こちら創業明治27年(1894)という岐阜市内で最も古いと言われる洋食屋。自分はちょうどその8年前、絶滅危惧メニュー「ミヤビヤ」を食べ歩いていた時に寄った事があったのだが、店の前まで来た時に運悪く仕事の電話が入り、仕方なく次の機会にしようと店を離れたところ、そのすぐ後に休業状態になってしまったという苦い経験がある。何度も寄ったがシャッターはずっと閉まったまま。もう完全に廃業したと諦めていた。店の再開は娘さんの希望によってのものらしい。名前だけの復活ではなく、主人もちゃんと厨房に入っているようだ。

訪れたのは再開してまだ確か2日目くらいだったので混雑を予想していたが、ほぼ満席ではあったもののカウンター席に空きがあった。店内は明るくリフォームされている。給仕を務めるのがその娘さんだろう。L字のカウンター席に腰掛け「高等ライス」を注文した。とある新聞の記事で「高等ライス」の名前の由来は、当時カレーが高級料理だったからそう呼ばれたと記述されていたが、どちらかというと玉子が貴重だったからじゃないのかな。玉子抜きだったら普通のカレーライスな訳だし。開店記念のサービスとしてドリンクが付くというのでアイスコーヒーでお願いした。

しばらくして蓋付きで銘入りの小振りな丼で「高等ライス」がミニサラダとカップスープ付きで供された。「高等ライス」にはガラス瓶に入った特製ソースが添えられている。蓋を開けると一面のカレーの上にいい具合に黄身の軟らかい目玉焼がのっている。さっそくスプーンでひと口。もったりとした口当たりのカレーは辛味抑えめで味わいもマイルド。ガラス瓶の蓋を取り、ソースを垂らしてまたひと口。お勧めの食べ方とあってソースの酸味が加わっていい感じに。次は目玉を潰し黄身を流してひと口。そして次は多めにソースを垂らして玉子部分を混ぜこんで、と順番に楽しんだ。サラダにはコブサラダのようなドレッシング、スープはパセリが浮いたコンソメ・スープ。

メニューは「高等ライス」と「カレーライス」「カツカレー」のみと絞ってあるため”老舗洋食屋”の復活とまでは言えないかもしれないが、歴史ある店の名物がまた食べられるようになったのはめでたいこと。店には主人を知る客らが厨房に向かって声をかけていく姿が何度も見られた。以前のように「チキンミヤビヤ」「メンチボール」「オムライス」なんかも復活させてくれないかな。(勘定は¥900)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ 老舗 カレーライス カツカレー 復活 ) 

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