<少し前に訪問した老舗覚え書き・2>
戦前に浅草広小路の屋台で鮨を握っていたのが発祥というお店「常寿司」。このお店を知ったのはある本に「江戸前づくし」というセット・メニューがあると載っていたから。浅草に寄る用事があった時が丁度昼時だった事もあり、飛び込みで店に入ってみた。外観は「ザ・街場の寿司屋」という感じで、店内は鮨ダネを入れるガラスケースのあるカウンターにテーブル席、小上がりがある。先代もお見かけしたが、現在は3代目が中心となって店を切り盛りしているようだ。
注文するメニューが決まっていたのでカウンターでなくテーブル席へ。店に入る前に雨が降ってきて少し濡れたので女将さんや3代目と天気の話などしながら鮨が握られるのを待つ。角皿にきれいに並べられた握りは「昔ながらの江戸前鮨」を再現したものらしく、鮪(赤身)、酢締めの光物、青柳、煮ツメを塗った煮穴子、煮烏賊などなるほど江戸前を連想させる手を加えた鮨タネばかり。こうしたテーマに沿ってお決まりの盛りを作るのはなかなかいいアイデアだと思う。値段が分かっているから若い人でも注文し易いし、ランチでいただくにも丁度いい。カウンターに座って3代目や朗らかな女将さんに昔からの浅草の様子など聞きながらお酒をいただいてみたいなぁと思えるあたたかいお店だった。(勘定は¥1,800)
常寿司 (つねずし)
東京都台東区浅草1-15-7
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