ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

赤津加 @東京・秋葉原

2015年07月02日 | 東京都(老舗)

世界に名だたる電脳都市・秋葉原。もちろん現在はオタク文化を象徴する街であり、多人数女子アイドルグループの本拠地でもある(そっち方面全く興味無し)。街を歩いていても、メイド服姿や袴姿の女性がビラ配りをしていて、リュックを背負った若い男性がとても多く、近年は主に大陸からの外国人の数も多いようにみえる。そんなガチャガチャした街にも老舗の名酒場が残っている。それが今回訪れた創業昭和29年(1954)の「赤津加(あかつか)」。前から来たいと思っていたが、なかなか時間が取れず、今回もあまり時間に余裕は無かったが、足をのばしてみた。

少し外れた所にでもあるのかと思ったら、まるっきり電気街のど真ん中。周りはビラ配りのコスプレ女性や若者ばかり。その中に場違いなほど落ち着いた雰囲気の黒塀の店があった。暖簾をくぐると那智石を敷きつめた土間にコの字カウンターがあり、周囲にテーブル席。右側が厨房になっている。まだ口開けの時間とあって先客はまばら。厨房側のカウンターに腰を下ろし、菊正宗を燗してもらう。給仕の女性は木の升を使って計量し、徳利を銅壺に沈める。1杯目は白磁の徳利から猪口に注いでくれた。旨いなァ。普段どこででも呑める菊正宗なのに、なんでこんなに旨いんだろう。お通しは大好物のホタルイカ。これで相当呑めてしまう旨さ。周りの喧騒を忘れる落ち着いた空間で、液晶テレビは不似合いな感じだが、ひとりでゆっくり呑む時には意外に良かったりすることもある。土間が若干斜めに傾いた席で、音が出ていたかどうかも忘れてしまうくらいボケっと眺めながら呑んでいた。

次々と客が現れ、席が埋まって行く。自分のようなひとり客も多いが、3~4人のグループ客も多い。予約の電話もうるさいくらいひっきりなし。今はこういう古い居酒屋でも、入れないのを用心してか、みんな予約するんだなァ。この近くだったら色々選択肢があるから、来てダメだったら他所に行きゃいいのに、なんて思いながらお酒と塩辛を追加。口当たりが柔らかくとてもいい塩梅で、旨い塩辛だった(イカばっかり…)。わざわざココに来たい気持ちも分かるかな(笑)。腹は減っていないのでもうこのくらいにしておこう。落ち着いて呑めるいい酒場だった。また来たい。勘定をしてもらって外に出ると、また電脳都市に逆戻り。(勘定は¥2,000程)

 ↓ 風格ある屋根上の「菊正宗」の木製看板。大勢のコスプレ女性がビラ配りをする賑やかな電気街・秋葉原でこの店だけ異空間。

 

 ↓ 秋葉原から「万世橋」を挟んですぐの神田方面。神田司町にある東京で最も古い居酒屋のひとつ「みますや」(創業明治38年・1905・写真下右)。たまには昼間の写真も。

 

 ↓ こちらは多町にある「サカエヤミルクホール」(創業昭和20年・1945)(未訪)。前と店内の雰囲気が違うようだけれど改装した? どちらも基は耐火目的だという銅板の壁が圧倒的。

 

 

大衆割烹 赤津加

東京都千代田区外神田1-10-2

( 秋葉原 外神田 大衆割烹 あかつか 菊正宗 みますや 栄屋ミルクホール )


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