ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ふくべ (2) @東京・八重洲

2014年04月11日 | 東京都(老舗)

1939

以前伺ったときは予約した新幹線の関係でほんの短い時間しか店に居られなかった「ふくべ」。その短い時間でもしっくりくる店の良さを味わう事が出来たし、何しろ樽酒が旨かった。東京駅八重洲口から歩いてすぐという立地も有難い。今回は充分、時間に余裕があったので、また暖簾をくぐってみた。

早い時間でカウンター席にまだ空きがあったので座らせてもらい、今回も前回と同様に菊正宗の樽酒をぬる燗で注文。店の壁に小さくお知らせとして「創業75年の~」と張り紙がしてある。とすると創業はやっぱり昭和14年(1939)で合っていたんだな。何日かだけ特別に、普段の品書きにない「煮込み」を用意するそうだ(※終了しています)。もつの下処理やら手間がかかり過ぎて、主人の奥様しかやれないから、品書きから落ちているんだとか。

この日もお腹はすでにいっぱいだったので、つまみにはたたみ鰯を注文。でしゃばり過ぎない酒肴なので、酒を味わうにはもってこい。しみじみと旨い酒だ。幸せ。こういう酒を飲むと、純米酒至上主義(一時期、自分もそうなりかけたが…)が馬鹿らしく思えてくる。主人によるとこの店の樽酒の消費量はすごいらしいので、いつも新しい酒っていうのもいいんだろう。

そんな間にも常連さんをはじめ、次から次へと客ががやってくる。みんな早い時間からここで呑むのが楽しみなんだろうなぁ(自分もか)。主人と他愛もない話をしつつ、次の酒は…と品書きを見る。ここは全国の名酒を揃えているので、目移りしてしまう。けれど結局また樽酒を頼んじゃうんだよなぁ(笑)。全国の名酒は今では逆に手に入れる事は容易だけれど、この菊正宗の樽はないからね、他には。しかもこの風格ある店で飲まないと。自分の分の燗をつけている最中に店にややこしそうな電話がかかってきてしまい、ぬる燗のはずが飛切り燗に…。弘法も筆の誤り。追加でいか和えを頼み、徳利を空けてお開きにした。しまった、また名物「くさや」を頼むのをすっかり忘れていた。また来よう。

この日カウンターで隣に座っていた先客の方は飲んでいる間中、ずっとスマホを置いて操作していた。せっかくこんな渋い店で酒を飲む時くらいマナーモードにしてバッグに入れちゃえばいいのに。そういう自分もたまに飲んでいる最中に携帯電話を取り出してメールを確認したりすることがあるから、あまり人の事をとやかく言えないか…。自戒をこめて反省。まだこの店の箸袋に書いてある「通人の酒席ふくべ」の"通人"には程遠い。(勘定は¥2,500程度)

前回の訪問はこちら

ふくべ

東京都中央区八重洲1-4-5

コメント
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