ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

万定フルーツパーラー @東京・本郷

2014年04月08日 | 東京都(老舗)

有形文化財に指定された建物の宝庫「東京大学」。学生時代にいろいろな他大学構内に入ったが、東大は入った事がなかった。その頃はもちろん古い建物なんか全く興味がなかったし、本郷ってどこかも知らなかった。今思えばあの頃に見ておけばよかった、という建物は多いが、建物と同様に自分の興味も時代と共に移り変わっていくのは仕方がない。

 ↓写真は左上から「法文2号館(1938年)」、「赤門(1827年)」、「安田講堂(1925年)」、「工学部列品館(1925年)」

21938 1827

141925 1925

構内を散歩し、界隈の古い建物を見てまわった後、ひと休みに寄ったのが「万定フルーツパーラー」。創業は大正3年(1914)とのこと。

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フルーツパーラーといっても洋食(ハヤシライス・カレーライス・スパゲティー)と手搾り天然ジュースがメイン。昔はフルーツなども提供していたのかな。閉店までもう少しという時間だったので先客はなし。昔だったらかなりハイカラな雰囲気だっただろう店内は、床のツートーンのタイルや照明、衝立、楕円のカウンター、大きな手回し式レジスターなどがお洒落。歴代の東大生が通ったんだろうなぁ。店員は女性ひとり。壁に貼られた黒い用紙に白文字の手書きでメニューが書かれている。お腹が空いていたらカレーかハヤシにいくところだが、喉が渇いていたので食事ではなく別枠でメニューが描かれている「天然オレンヂジュース」を注文。「オレンジ」じゃなくて「オレンヂ」なのがなんかいい感じ。しばらくして丁寧に絞られたジュースが置かれた。しっかりとした甘味があるが、すっきりしていて旨い。そういえば濃縮なんとかばっかり飲んで、その場で絞ったフレッシュ・ジュース飲むのって久しぶり。むかし我が家にジュース搾り器(取っ手がついていて挟んで搾るやつ)があったのを思い出した。

勘定に立ってお金を払おうとしたら、女性の手で「ガッチャン、ガッチャン、チーンッ」と旧式レジスターが動きだした! なんと現役だった。となりに電卓が置いてあったので、もう壊れてオブジェと化しているのかなと思っていたのでビックリ。思わず「すごいですね」と声をかけると「うちが昭和9年に買った物なんですよ」と教えていただいた。すごい。(勘定は¥350)

 ↓写真は本郷近辺の古い建物 左上「鳳明館本館(明治40年代)」、右上「求道会館(1915)」、下「伊勢屋質店(1860)」

30_2  1915

1860_2

万定フルーツパーラー

東京都文京区本郷6-17-1

(まんさだフルーツパーラー)

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