マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

トニー滝谷

2006-08-15 10:14:23 | 映画ーDVD
2004年 市川準監督 イッセー尾形 、宮沢りえ 、篠原孝文 、四方堂亘 、谷田川さほ

【解説】
村上春樹の短編「トニー滝谷」を『つぐみ』『竜馬の妻とその夫と愛人』の市川準監督が映画化した作品。主演はイッセー尾形、宮沢りえ。第57回ロカルノ国際映画祭で、審査員特別賞、国際批評家連盟賞、ヤング審査員賞とトリプル受賞をはたした作品。

【感想】
坂本龍一の音楽が映画とすごくマッチして、その詩的な世界を構築していました。
トニー滝谷という、一風変わった名前を持つ男性の孤独をテーマにした映画。

肉親の愛情から遠く離れて生きてきて、ひとりぼっちを寂しいと感じることもなかった彼が、ある女性に出会い、恋をする。
それは、素晴らしい恋。
愛し愛される至福のひととき。
しかし、その幸せは長くは続かなかった。
彼女は買い物依存症で、彼のためにその欲望を抑えようと努力し始めた時、事故で急死してしまう。
その後にトニーに襲ってくる孤独感。
その描き方がとてもいい。
トニーは新しい一歩を歩みだすことができるのでしょうか。

大いなる休暇

2006-08-15 09:51:48 | 映画ーDVD
2003年 ジャン=フランソワ・プリオ監督 レイモン・ブシャール 、デヴィッド・ブータン 、ブノワ・ブリエール 、ピエール・コラン 、リュシー・ロリエ

【解説】
カナダ・ケベック州の小さな島を舞台に繰り広げられる、島民たちの騒動を描くコメディ。監督はカンヌ広告映画祭でシルバーベアー賞の受賞歴もあるジャン=フランソワ・プリオ。出演は、数々の人気ドラマに出演し、輝かしいキャリアと受賞歴を誇るレイモン・ブシャール、テレビドラマやオペラ製作など多分野で活躍するブノワ・ブリエール。そぼくな島の風景にとけこむ島民のキャラクターは秀逸。

【感想】
無医村の悩み、とはちょっと違う動機だったけど(本当は工場の誘致の条件に医者の常勤がいる)、なんにしても、医者に住みついてもらうために、120人の住人の涙ぐましい騙しの物語。
その悪戦苦闘ぶりには、笑わずにはいられないけど、ターゲットとなった医者も、よく考えてみれば、ちょうどいい人間でした。
そう言う意味で、相性は抜群。
それにしても、盗聴は犯罪、やり過ぎです。

日本でも、無医村の問題、地方の過疎、高齢化は深刻な社会問題ですが、もっと身近にも、小児科医不足、産婦人科医不足もあって、遠い話とは言えないようです。

医者が「クリケット覚える気がありますか」と聞いて、町長が「ノー」と答え、それが映画の幸せな結末に落としていくところが、この脚本のすばらしいところ。
心がふんわか癒される作品でした。

シャロウ・グレイブ

2006-08-14 12:47:52 | 映画ーDVD
1995年 ダニー・ボイル監督 ユアン・マクレガー 、ケリー・フォックス 、クリストファー・エクルストン 、キース・アレン 、ケン・スコット

【解説】
共同生活を送る3人の若者に、降って沸いたような大金と死体をめぐる、ブラックなサスペンス。監督はテレビ演出から本作で長編映画デビューしたダニー・ボイルで、この「シャロウ・グレイヴ」と次作「トレインスポッティング」の2作のヒットで一躍注目を集めた。

【感想】
友達のお薦めで見ましたが、面白かったわ。
最初、軽いノリではじまって、まさかそう言う展開になるとは!
そうこうしているうちに「OUT」みたいなことになってきて、人間関係がぐちゃぐちゃになって、結末は最悪で、でも、どんでん返し、だものね。
なかなか気に入りました。
ヒューゴとデイビッドの死体、なかなかよかった。
ヒューゴの死体がぼかしてあったのが、ちょっと残念でしたが。ほほ。

ダニー・ボイル監督はこのあと「トレインスポツティング」をユアンと撮るのね。
私が見たのは、「ザ・ビーチ」と「ミリオンズ」ぐらいだけど、確かにそうやって並べると作品に個性があります。
この監督の作品も気にしながら見たいと思いました。


ユアン・マクレガーのファンは必見だと思います。
若くて、すごくかわいい。
女装もいいけど、私はドラム叩いている姿が良かった。
最後、床にくぎ付けになりながら笑っている顔も、すごくキュートでした。
こんな可愛い時もあったんだなあ。

パイレーツオブカリビアン/デッドマンズチェスト        4回目鑑賞☆思い切りネタバレあり☆

2006-08-14 09:03:57 | 映画ー劇場鑑賞
ピカピカのペアチケット(写真)を使うために、デッドマンズチェスト帰省中の娘と4回目、行ってきました。
今回気になったのは、最後ジャック一人で逃げようとボートをこぎながらコンパスを見て、結局ブラックパールに引き返してきたこと。
彼のことだから、ただの正義感からだけではないでしょう。
コンパスが何かを指して、それを実現するために帰ってきたのね。
クラーケンと対決するために。



エリザベスがあんな行動をしようと、ジャックには関係なかったんだわ。
そうすれば、クラーケンの口に勇ましく飛び込んだという行動も理解できるよね。

いまさら、こんなことを言っているなんて、みんなとっくに気づいていた?

沈まぬ太陽

2006-08-12 20:12:42 | 読書
新潮文庫全5巻 山崎豊子著
【解説】
日本を代表する航空会社の凄まじいまでの腐敗。85年の御巣鷹山事故の衝撃を出発点に、その内実を描いたノンフィクション・ノベル。全5巻の大作ながらベストセラーになった。労組活動を「アカ」呼ばわりされ、海外の僻地勤務を命じられた主人公・恩地に、リストラ社会を生きる人々の共感が寄せられたのが一因だろう。だが、もっと重要なのは、だれもが知るあの会社をモデルに実在人物をも特定できる形で汚点を紡いだ「蛮勇」ではないか。たとえ事実と創作の混線ぶりが気になるにしても。「白い巨塔」の財前や「不毛地帯」の壹岐でなく、企業内で黙々と働く恩地が英雄という閉塞時代に、私たちはいる。(藤谷浩二) Amazon.co.jpより

【感想】
この本が出版されてベストセラーになった時、読みたいなあ、と思っていたのですが、延び延びになっていました。
この春頃、ライブドアの堀江さんが拘置所で読んで感動して、保釈後御巣鷹山に慰霊登山をしたという記事を読んで、いよいよ読んでみようと思いました。
折しも今日は、日航機墜落21年目。
今日なら、私にも何か書けることがあるかもしれません。

1985年当時は、すごい事故が起きたと、ニュースを熱心に見ていましたが、幸い身近に被害者もなく、日々記憶が薄れていました。
日航機墜落を書いた本、と言う認識があったので、アフリカから始まる物語はちょっと奇異に感じましたが、そこは山崎さんの筆の力で物語に引き込まれていきました。

圧巻は第三巻も御巣鷹山編です。
ここには、遺族の方が実名で出て来るし、頭の中にあの救出のシーンが映像として浮かぶので、熱い涙があとからあとからこぼれ出て、読み止めることは不可能です。
大事故に遭われた遺族の方はみな同じでしょうが、亡くなった方と一緒に、生きている遺族も死んだと同じです。そこで時が止まってしまうのですから。
「とくダネ」でも特集していましたが、日航の元社員で山を守っている方も、人生が大きく変わった人たちです。
その気高い精神に胸を打たれます。

しかし、事故後も会社の体質は変わることがありません。
後半はさらに醜い陰謀、策略、裏切り、陥れなど卑劣な行為が闇の中で繰り返されて、暗澹たる思いになります。
しかも、主人公の恩地はまたもアフリカに追いやられてしまいます。
救われない結末です。

私は、社会や組織に疎いので、この小説がどこまでが事実で、どこからフィクションか、あるいは、誰をモデルにしたのか、詳しくはわかりません。
でも、この小説が名誉毀損などの告発を受けているとは聞いていないので、ある程度確信のある事実に基づいていると思われます。
そうだとすれば、すごいことがあの事故の裏に隠されていたんだと言うことになります。
何も知らずに、犠牲になられた方の悔しい気持ちはいかばかりでしょう。
残された遺族の思いはいかばかりでしょう。
21年も経ってしまいましたが、その思いは決して消えないと思います。

毎年、お盆を迎える日、せめて犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。

そして、小説の冒頭に書かれてあるように、多数の関係者を取材して、事実に基づいて小説的に再構築するという、私からは考えもつかないような手法でこの本を著した、山崎豊子という才能に敬意を表します。

Dear フランキー

2006-08-11 13:25:05 | 映画ーDVD
2004年 ショーナ・オーバック監督 エミリー・モーティマー 、ジャック・マケルホーン 、メアリー・リガンズ 、ジェラルド・バトラー 、シャロン・スモール

【解説】
息子のためについていた嘘が現実となり、とまどう母と喜ぶ息子を優しいまなざしでとらえた感動作。監督は本作が長編第一作目となるショーナ・オーバック。主演は『猟人日記』のエミリー・モーティマーと『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラー。息子を思う母親の姿に涙を誘われる。

【感想】
友達に薦められてやっと見ることができました。
待った甲斐あり、いい映画でした。

子役のジャック・マケルホーン、うまいね。
難聴児でただでさえ難しい役なのに、ちゃんと感情表現もできて、すごいね。
とても無邪気な面と、おとなびた面と演じ分けていました。


ジェラルド・パトラーがいいですね。
寡黙な海の男。
愛を語るのに言葉はいりませんね。
こういう男が、男らしい男っていうんです。

それに比べて、実の父親は死を前にしても、なにもわかっていません。
どんなに自分が人を傷つけて生きてきたか。そのせいで、リジーはどんな思いでフランキーを育ててきたか。
でも現実には、こういう自分勝手な男が多いのでしょうね。
女は苦労します。

リジーの経済状態はどうなっているのかなあ、とかストーリーを離れて心配しました。
おばあちゃんの年金で暮らしているのかもしれませんね。

フランキーはいつ真実を知ったのでしょう。
やっぱりマリーがうっかり口を滑らしたのを聞こえてない振りをして聞いていたのね。

ストレンジャーがマリーの弟とわかって、フランキーも真実を知っているとわかって、リジーにも幸せがやってくるかもしれない、と言う余韻を残して映画は終わりました。

見終わった後も心が温かくなる、いい作品でした。

銀河ヒッチハイク・ガイド

2006-08-11 09:02:48 | 映画ーDVD
2005年 ガース・ジェニングス監督 マーティン・フリーマン 、サム・ロックウェル 、モス・デフ 、ズーイー・デシャネル 、ビル・ナイ

【解説】
伝説的SF小説「銀河ヒッチハイク・ガイド」を、原作の世界観をそのままに、空前のスケールと大胆なビジュアル・センスで完全映画化した作品。監督は、ミュージック・ビデオとコマーシャルの分野で活躍するガース・ジェニングス。脚本は、2001年に他界した原作者ダグラス・アダムス自身が執筆した幻の遺稿を採用。オリジナリティに満ちたSFエンターテインメントの傑作。

【感想】
こういう映画はその世界観にすっと入っていけるかどうかで評価が変わりますね。
私の場合は、退屈じゃなかったけど、入り込んで楽しい、というところまではたどり着けませんでした。
原作を読んだら、もう少し入り込めるのかなあ。
英語の会話をもっと理解できたら、名前も含めて、もっと笑えたのかもしれないなあ。
ビル・ナイが惑星を作っている工場を案内するシーンは、遊園地の乗り物に乗っているようでとても楽しかった。

テーマソングも、ヴォゴン人も、キャラクター全部面白かったのに、笑えなかったのが残念でした。

ハイジ

2006-08-09 20:18:23 | 映画ー劇場鑑賞
2005年 ポール・マーカス監督 エマ・ボルジャー 、マックス・フォン・シドー 、ジェラルディン・チャップリン 、ダイアナ・リグ 、ポーリン・マクリン

【解説】
日本のアニメ「アルプスの少女ハイジ」でもおなじみの不朽の名作を映画化した感動作。アルプスの山麓(さんろく)を舞台に、心優しい少女ハイジと彼女が出会う人々の心温まる交流が描かれる。ハイジを演じるのは『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』のエマ・ボルジャー。ハイジをこよなく愛するおじいさんを『マイノリティ・リポート』の名優マックス・フォン・シドーが演じる。アルプスの大自然と、原作やアニメのファンも納得の絶妙なキャストが魅力。

【感想】
「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」でもかわいかったエマ・ボルジャー。
帰省中の娘と見に行ったのですが、帰り道、二人で「ハイジ、かわいい~」と何度言ったことでしょう。
ただ、すっくと立っているだけでかわいい、絵になるハイジでした。

そして、そのけなげさ。
再びおじいさんの元へ帰ってきたハイジがおじいさんに謝るシーン。
自分はちっとも悪くないし、心を病むほどおじいさんを慕っていたのに、それでも、おじいさんに謝るいじらしさ。
お涙ちょうだいでなく、小さくても自立しているハイジの、原作の良さをうまくあらわした作品だと思いました。
ロッテンマイヤーさんがやっつけられるたび、劇場は笑い声に包まれました。
原作のイメージを損なわず、アルプスの自然と調和した人間の温かさを、映像で見せたよい作品だと思いました。

幸せのポートレート

2006-08-09 20:14:32 | 映画ー劇場鑑賞
2005年 トーマス・ベズーチャ監督 サラ・ジェシカ・パーカー 、ダイアン・キートン 、クレア・デインズ 、レイチェル・マクアダムス 、ダーモット・マローニー

【解説】
恋人の実家に招かれた女性と、彼女を迎えた一家が繰り広げる騒動を通して、本当の幸せとは何かを問うヒューマンドラマ。主人公の女性をTVドラマ「SEX AND THE CITY セックス・アンド・ザ・シティ」のジェシカ・パーカーが演じる。また、彼女を迎える一家の母親役、『恋愛適齢期』のダイアン・キートンの好演も光る。ユーモラスでありながら、温かい涙もこぼれる珠玉の感動作。サラ・ジェシカ・パーカーが本作でゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされて話題となった。

【あらすじ】
ニューヨークで働くキャリアウーマンのメレディス(サラ・ジェシカ・パーカー)は、恋人のエヴェレット(ダーモット・マローニー)とともに彼の実家を訪れた。しかし、エヴェレットの母親シビル(ダイアン・キートン)をはじめとするストーン家の面々は全員、自由奔放なボヘミアン・タイプで、堅物のメレディスは何をやっても浮いてしまう。

【感想】
サラ・ジェシカ・パーカーというと、思い出すのが「マーズ・アタック!」の犬なんで、この人はコメディの人だと思っているんですが、この作品も、彼女の真骨頂がい遺憾なく発揮されている!!とうれしくなりました。
「セックスアンドシティ」は見たことがないので。
昨日、「アサシン」で見たばかりのダーモット・マローニー、なかなかE男でしたね。
ルーク・ウィルソンは相変わらず肩の力が抜けた演技でよかったわ。
ダイアン・キートンがうまい!!
泣かされました。

いつの時代、アメリカであっても、家族にフィアンセを紹介するという儀式は大変なものなのですね。
特に、このストーン家は兄弟が多いし、障害者もゲイもいて、お母さんは大病を抱えている。
妹は意地悪。

私は、サラの役、メレディスのことをそんなに嫌な女と思いませんでした。
私も経験あるもの。
みんなが鵜の目鷹の目で待っているところへ単身乗り込んでいくのは大変なことです。
愛情を持って彼女の意見を聞けば、メレディスの言うことも一理あると言うか、ただの一般論として笑い飛ばすこともできるはず。

物語の結末は、「こんなのあり!?」でしたが、みんなが幸せになるなら、これもあり!!だと思いました。
ハートウォーミングな家族の映画でした。

アサシン

2006-08-09 09:10:03 | 映画ーTV
1993年 ジョン・バダム監督 ブリジット・フォンダ 、ガブリエル・バーン 、ダーモット・マローニー 、アン・バンクロフト 、ハーヴェイ・カイテル

【解説】
死刑因の少女が政府秘密組織の女工作員となる姿を描くサスペンス・アクション。90年に製作されたリュック・ベッソン監督のフランス映画「ニキータ」のハリウッド版リメイク。

【感想】
ブリジット・フォンダが、若い女性工作員の悲哀を巧みに表現していて、切ない映画でした。
過酷な運命にも、立ち向かっていく彼女ですが、組織の非情さが彼女をどんどん追いつめていきます。
せっかく出会った最愛の人とも別れて、彼女はこの先、どうやって行きていくのか?
激しいアクションやスピーディな物語の展開など、ヒットメーカー、ジョン・バダムらしい娯楽作品です。
楽しめました。
オリジナルの「ニキータ」も見ないとね。