ーももへの手紙ー
2012年 日本
監督=沖浦啓之 キャスト=美山加恋(宮浦もも)優香(宮浦いく子)西田敏行(イワ)坂口芳貞(大おじ)谷育子(大おば)山寺宏一(カワ)チョー(マメ)
【解説】
『人狼 JIN-ROH』で世界の注目を集めた沖浦啓之監督が、7年の製作期間をかけて完成させた感動の長編アニメーション。父から遺(のこ)された一通の手紙を胸に、瀬戸内海の島へと移り住んだ少女が体験する驚きに満ちた日々を生き生きと描き出す。作画監督に『千と千尋の神隠し』の安藤雅司があたり、作画を『AKIRA』の井上俊之や『猫の恩返し』の井上鋭らが担当する。肉親との離別を体験した主人公の再生のドラマがしみじみと胸に響く。
【あらすじ】
父親を亡くしたももは、11歳の夏に母と2人で東京から瀬戸内の小さな島へとやって来る。彼女の手には、「ももへ」とだけ書かれた父からの書きかけの手紙が遺(のこ)されていたが、その真意はついにわからずじまいだった。ももは仲直りできないまま逝ってしまった父親のことで胸がいっぱいで、慣れない場所での新しい生活になかなかなじめずにいた。(シネマトゥデイ)
【感想】
すごく宮崎駿アニメ、「となりのトトロ」や「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」なんかを意識した作品ではないでしょうか?
これって、オマージュというのかしら?
父を亡くして都会の暮らしを引き払って、瀬戸内の静かな島に引っ越してきたもも(美山加恋)と母のいく子(優香)。
ももは、父との最後の言葉が喧嘩別れだったことから、心を閉ざしてしまっている。
そして、「ももへ」と書き出しで終わっている父の書きかけの手紙を何度も見返して、父が自分に何を伝えたかったのかと、自問してはしまうことの繰り返し。
母は、自立のためにと、介護講習を受けに留守がちだった。
母もまた、夫の急死を受け入れられないでいた。
なれない土地でひとりぼっちのもも。
空から雨粒のような水滴が3粒降ってきて、ももに触れて地上に落ちた。
彼らは、ももの家の古い妖怪の書いてある古文書にもぐりこんで、イワ(西田敏行)カワ(山寺宏一)マメ(チョー)という妖怪に姿を変えて現れた。
どういうわけか、ももにはその3人の妖怪の姿が見えるのだった。
☆ネタバレ
この3人の妖怪は、父が天に上がるまでのももと母の見守り隊だという。
そして、もものせいで母のぜんそくがひどくなり、医者を呼びに嵐の中を別の島へ行くというももを助けるのだった。
まず、この妖怪たちの畑を荒らしたり、作物を盗むというのが最後まで続いて、納得できませんでした。
日本は豊かだから、これくらいはいいのかな?
イノシシを追いかけ回すシーンでも、いろんなものを壊して、後始末がない。
もう少し、作物を作っている人に敬意があれば良かったのにと思いました。
あとは、嵐の中を、まだ開通していない橋を渡って医者を呼びにいくということ。
ちゃんと描いてなかったけど、お医者さんはどんなふうに連れて来たのかな?
嵐でヘリも飛ばないと言っていたけど。
母はぜんそくで、医者が来ても薬を処方する程度じゃないのかなあ?
それなら、電話か無線でもすみそうな気もするし。
立ち入り禁止の橋を渡る危険を冒す必要があったのかどうかって、びっくりしてしまいました。
追いかけてきた幸市も、大人なんだから止めるべきではなかったのか?
子供も見る映画でしょうに、理由があればは決まりを破っても命の危険を冒してもいいというのはどうなのかな?
ラストは、瀬戸内の情景とともに、ももと父、母の心が通じて感動的だったけど、これでいいのかなあって思いが残りました。