ーソルトーSALT
2010年 アメリカ
フィリップ・ノイス監督 アンジェリーナ・ジョリー(イヴリン・ソルト)リーヴ・シュレイバー(ウィンター)キウェテル・イジョフォー(ピーボディ)
【解説】
二重スパイの容疑をかけられたCIAエージェントをアンジェリーナ・ジョリーが熱演するアクション・サスペンス。潔白を証明したいヒロインが、CIAの追跡をかわしながら真犯人を探し出すまでをスリリングに描く。メガホンを取るのは、アンジェリーナとは『ボーン・コレクター』以来のコンビとなるフィリップ・ノイス。共演は『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のリーヴ・シュレイバー、『2012』のキウェテル・イジョフォー。CIAに立ち向かう孤高のヒロイン、アンジェリーナのリアルなアクションに注目だ。
【あらすじ】
CIAエージェントのイヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)は、何者かの陰謀によってロシアスパイの嫌疑をかけられてしまう。逃走を図ったソルトはCIAの追跡をかわしながら、自らの容疑を晴らすべく、たった独りで真相究明に乗り出すが……。(シネマトゥデイ)
【感想】
試写会のチケットをいただいて、仲良しの近所のご夫婦と一緒に、公開前に鑑賞しました。
(アップが遅くて反省中です)
見終わって、みんな大喜びでした。
ストーリーも、アクションも何もかもとてもよかった。
特に、アンジーのアクションも演技も最高でした。
もちろん、映画のできとしてはそれで十分なのですが、それだけでは言い切れないこの映画の魅力があると思いました。
だって、アクションがいいだけではキョービ、なかなか満足できないからです。
☆ネタバレ
映画の予告編を見る限り、イヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)はロシアのスパイかアメリカのスパイかということに焦点が当てられているようですが、映画のテーマや興味はそんなところにはありません。
イブリン・ソルトという過酷な運命を背負ったひとりの女性スパイの、生き様の物語でした。
ロシアで生まれ、両親を亡くし孤児となった少女が、スパイ教育を受け、アメリカに送り込まれ、2重スパイとしてCIAのエージェントとなる。
あるとき、北朝鮮に潜り込むために蝶の研究家に近づき、北朝鮮に渡る。
スパイ容疑をかけられて拷問を受けるが、研究家の活動により、釈放される。
イブリンはその研究家と結婚する。
結婚記念日を祝うのを楽しみに、会社(CIAの隠れ蓑)を出ようとした時、ロシアのスパイが出頭して来て、イブリンにその尋問をするよう命令される。
尋問か終わり、尋問室を出ようとした時、「ロシアのスパイの名はイブリン・ソルトだ」と言われ、イブリンは疑わしいものとして拘束される。
イブリンは、スパイは家族も殺されるということを知っているので、夫のみを案じ、CIAから逃亡する。
家に戻ると、やはり夫の姿はない。
「自分は自分の使命を果たすことしか、夫を助ける道はない」と悟り、本来の使命である、ロシア大統領の暗殺を成し遂げる。
このミッションの最終的な目的は、ロシア大統領をアメリカのエージェントに暗殺させることによって、アメリカとロシアを混乱に陥れ、最終的にはアメリカ大統領を利用して、核を手に入れることであった。
第一段階のミッションを成功させて、ロシアのスパイのもとに戻ったイブリン。
夫は、彼らに囚われていたが、目の前で射殺される。
眉一つ動かさないイブリン。
でも、その後の行動は、夫殺しへの復讐だった。
果たして、イブリンはアメリカを救えるか?
ロシアとアメリカ、二つの権力の狭間で、自分の正義を貫いた女の物語。
イブリンの悲しみは、愛する者を奪う者へ、怒りとなって向けられる。
そこが、観客の共感を呼んだのだと思います。
それが、作品の深さになっていて、見るものの心をとらえるのだと思いました。
アンジーの目の演技、それがすべてを語るのですが、とても素晴らしいです。
アンジーはもはや、お色気が売りの女優から完全に脱皮しましたね。
人間の深さも感じる、いい作品だったと思いました。