マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

プリンセスと魔法のキス

2010-08-12 10:01:00 | 映画ーDVD

ープリンセスと魔法のキスーTHE PRINCESS AND THE FROG

2009年 アメリカ

ジョン・マスカー 、ロン・クレメンツ監督 アニカ・ノニ・ローズ(ティアナ)ブルーノ・カンポス(ナヴィーン王子)ピーター・バートレット(ローレンス)キース・デヴィッド(ドクター・ファシリエ)ジェニファー・ルイス(ママ・オーディ)マイケル=レオン・ウーリー(ルイス)ジム・カミングス(レイ(レイモンド))ジェニファー・コディ(シャーロット)ジョン・グッドマン(ビッグ・ダディ)テレンス・ハワード(ジェームズ)オプラ・ウィンフリー(ユードラ)

 

【解説】

アメリカ・ニューオーリンズを舞台に、ひたむきに夢を追う女性とカエルの姿に変えられた王子とのラブ・ストーリーを描くロマンチックなミュージカル・アニメ。監督は、『アラジン』『リトル・マーメイド/人魚姫』のジョン・マスカーとロン・クレメンツ。ヒロインの声を担当するのは、『ドリームガールズ』でメンバーの一人を演じたアニカ・ノニ・ローズ。リズミカルな音楽と真実の愛を説くストーリーが、心を高揚させてくれる。

 

【あらすじ】

いつの日が自分の手で夢を実現させたいと願う女性、ティアナ。ある日、ティアナの前に、言葉を話す一匹のカエルが現れる。かつて王子だったころ、のろいによって姿を変えられてしまったと語るカエル。そして、魔法を解くためにキスしてほしいとティアナに告げるのだが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

グリム童話の「かえるの王様」は、私のお気に入りのおとぎ話でした。

幼い頃の私は、かえるが好きだったし、遊び相手でもあったから、とても身近なお話に感じていました。


この作品は、「かえるの王様」が下敷きになっていますが、幼い頃、プリンセスに憧れたシャーロットが主人公ではなく、「かえるとなんて、絶対キスしないわ」という現実的なティアナがヒロインです。


この作品、いわゆるおとぎ話の常道である、貧しいけれど美しい娘がプリンスのキスで幸せになるという筋道は取っていません。


まず、背景はジャズのメッカ・ニューオリンズ。

しかもティアナは黒人の少女です。


幼い時から、現実的で、しっかりしたティアナ。

レストランを持ちたいという夢半ばで亡くなった父との夢をかなえようと、懸命に働いている。


周りの人たちは、小娘がいくら働いてもレストランなんか持てないと、バカにしています。


一方、プリンセスであるナヴィーンも、いわゆるプリンスとしてはふさわしいとは言えません。

マルドニアの王子ですが、放蕩が過ぎて勘当され、お金持ちの娘と結婚するしかないという状況です。

なのに、ジャズ好きで無責任な性格。

遊び癖が直らない。


こんなふうに、昔々のディズニーのお姫様ものとは違うけど、悪い魔術師が出て来たり、よい魔法使いが出て来たり、かえるに姿を変えられたりと、だんだんおとぎ話らしくなっていきます。


生真面目過ぎるティアナと、いいかげん過ぎるナヴィーンの距離もだんだん近づいていく過程も丁寧に描かれていて、わくわくします。


「夢は見るだけでなく、努力しないと…」ティアナのお父さんが言う通り、ティアナが努力と才覚で運命を切り開いていく姿が、今の時代に合っている感じがしました。


そして、ティアナは「パパは夢はかなえられなかったけど、大切なものは手に入れた、それは愛」だということに気がつくのです。


奇跡のキスが二人の魔法を解き、めでたし、めでたし…。


久しぶりに、おとぎ話を見て幸せな気分になりました。


一番いいなあと思ったのが、音楽。

とても素直に心にしみてきました。

ミュージカルの不自然さがなかったと思いました。

音楽はランディ・ニューマンです。


黒人の女性をヒロインにしたのは、とてもいいと思うんだけど、ただ黒人と言うだけで、それに伴うマイナス点が描かれていなかったので、黒人の人は不満が残るだろうなあ、とは思いました。

でも、あえて、リスクに挑戦した姿勢は勇気があると思いました。


あと、レイというティアナたちに協力してくれるホタル、とてもいいキャラクターですが、従来のディズニーではありえない過酷な運命が彼を襲います。


こんなふうに、観客の期待を裏切りながら、美しい絵と美しい音楽で、素敵なおとぎ話の世界へ誘ってくれる、とても素敵な作品だと思いました。


手書きアニメにこだわって「ディズニーアニメの王道ここにあり」という心意気も見せてもらった気がしました。


おとぎ話が好きだった昔の乙女たちにオススメです。


でも、ティアナとナヴィーンのかえるって、「ど根性ガエル」みたいだと思ったのは、私だけかな?