マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

上海の伯爵夫人

2007-01-11 10:45:53 | 映画ー劇場鑑賞
ー上海の伯爵夫人ー
2005年 イギリス/アメリカ/ドイツ/中国 ジェームズ・アイボリー監督 カズオ・イシグロ脚本 レイフ・ファインズ 、ナターシャ・リチャードソン 、ヴァネッサ・レッドグレーヴ 、真田広之 、リン・レッドグレーヴ 、アラン・コーデュナー 、マデリーン・ダリー 、マデリーン・ポッター 、イン・ダ 、リー・ペイス 、リョン・ワン 、ジョン・ウッド

【解説】
36年、激動の上海を舞台に、盲目のアメリカ人元外交官とロシアから亡命してきた美ぼうの伯爵夫人の運命を描くラブストーリー。監督は『ハワーズ・エンド』の名匠ジェームズ・アイヴォリー。主人公2人を『ナイロビの蜂』のレイフ・ファインズと『チェルシーホテル』のナターシャ・リチャードソンが演じる。ミステリアスな日本人役で登場し、英語のせりふもこなす真田広之の熱演と、30年代の上海を再現したゴージャスな映像美に注目。

【あらすじ】
上海でクラブのホステスとして働き、家計を支える美しいロシア人ソフィア(ナターシャ・リチャードソン)は、愛する家族を失い、視力さえもなくした元外交官のアメリカ人ジャクソン(レイフ・ファインズ)と出会う。ジャクソンは長年の夢だったバー、“白い伯爵夫人”をオープンさせ、ソフィアを“店の華”として雇うことに決める。 (シネマトゥデイ)

【感想】
大戦前夜の上海。
いろんな国の人が集まっている国際社会。
落ちぶれた人、のし上がった人、軍人、富豪、成金、やくざ、ちんびら、流れ者。
いろんな欲望や思惑が渦巻いている町。

その中で、テロで家族を失った盲目の元アメリカ外交官と、ロシアの没落貴族で伯父伯母、義母、義妹、そして愛する娘のために身を落として働く美貌の未亡人の恋。
きゃあ、すてき!!
と見に行きましたが、期待したほどゴージャスではありませんでした。
なぜだろう。舞台もキャストも揃っているのに…

失意の元外交官にレイフ・ファィンズ。
「ナイロビの蜂」の時と同じように、知的で孤高の人を好演していました。
白い伯爵夫人にナターシャ・リチャードソン、伯母役のヴァネッサ・レッドグレーヴの実の娘で、リーアム・ニーソンの奥さんですって。
とてもきれいな人でした。
ただ、カメラがわざときれいにとっている感じがしました。
フィルターがかかって、昔の映画みたい。
ちょっとやり過ぎじゃないかなあ。

自分たちが養われているのに、感謝もしないで、ひどい裏切りをする伯母・義母・義妹のいじわるぶりもすごくよかった。

真田広之が、全編英語のセリフなのに、何の違和感もなく、演じきっていました。
さすが、本場のシェークスピア劇場に出ていただけのことはあります。拍手!!
すごい。
それだけに、悪に徹しきれていなかったのかも。
映画の中では、彼が唯一の悪役です。
原作は日系のカズオ・イシグロなのに。
彼はジャクソンを最初から利用する気で近づいたのでしょうか?
そうは見えなかったなあ。
二人の間に友情があったと思いたいなあ。
実際、真田さんはいい人に見えてしまいました。
それが成功なのか失敗なのか??

あまりに出来過ぎたストーリーで、揃い過ぎたキャストで、あまりにドライに展開して行くので、感情移入しそこなったようです。
ドラマチックな展開も起伏もなくあっけなく終わってしまったように思いました。

中途半端な感じで、残念でした。