日本人の変化  自分の人生

日本人の変化  自分の人生

 

最近気になる人に会った。その結果、いろいろな人の行動や表情を見ていると、多くの人が自分の人生から離れているような気がすることに気が付いた。

 

現象として、自分の人生を持っていない人ではないかと思われる。自分自身のしたいことをするのではなく、理想と思われる人物像を想像し、その像に合わせて行動している。注意してみていると、テレビで活躍している人に多い。最近私が会った人は、いかに自分を理想像に近づけようかと話し、行動するので、本人の意思が感じ取れない。また本人がどのように生きたいかも感じることはできない。

 

社会生活では、特に困ったこともなさそうであるが、人生の終わりになると困ったことになろう。無意識の心理学的には、ヒトの多くは社会生活では自分の本心ではなく仮面をかぶり、トラブルを少なくする効果がある。しかしもともと自分の本心を自覚していないと、認知症になる確率が高い。

 

どの様にして、このような現象が多くなったか。多分本人の中の興味がまとまっておらず、なんとなく社会に適応してきた結果であろう。この現象は、子どものころに自然と接する機会が少なくなることによって起こっていると思われる。私は40年以上前から心配していた。そのために子どもを野外に連れ出す活動をしてきた。自然には人工的な水田や畑であっても、先生や家族が準備する教材とは異なった多様性がある。ジャン・ジャック・ルソーもこの自然の多様性に気が付いていたようで、子ども時代に自然と接触することを進めている。この自然の多様性に接することによって、子どもたちは興味が喚起され、自分の興味についてまとまりが出てくる。これは自然科学に限らず、文学でも芸術でもこの興味についての集中力が必要になると思われる。この興味こそが、意欲である。

 

現代の子どもたちは、自然に接することから離れて久しい。家族が意識的にしている家庭では、結構自分の興味に集中することができる子どもたちがいる。子ども時代の遊びは、意外なところに影響すると思われる。

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