金森正臣先生のカンボジアの文化・教育・食べ歩き体験記
金森先生のカンボジア日記
優生保護法の問題の深淵
優生保護法の問題の深淵
優生保護法で強制避妊させられた皆さんの問題が、新たな時代に入った。
更に問題を考えてみると、もっと大きな問題がある。
私はサルの群れの観察を長らくしてきた。その中で新しい文化を開いて行くのは、常に平均的メンバーではなく、やや異常ともいえる行動力に優れた若オスたちである。箕面市のサルを調査していたころ、冬の寒い時期に工事に人の焚火にあたりに来たのは、群れからはみ出す行動の多い若いオスのサルであった。
またいろいろな国で調査していると、普通ではない人について極めて寛容である。エジプトでは、少々精神に問題があると思われる若者が、調査道具を持って手伝ってくれた。現地の皆さんも理解しているらしく、人の家に上がり込む彼を許容していた。南米のコロンビアでは、食事の後に残りものを店先において、障害者が食べるのを認めていた。世界的にはこの様な社会的弱者を、許容するのが普通と思われる。
更に人類の歴史を考えると、新しい世界を開拓してきたのは、普通の人では無く、やや外れた人が開いてきたと思われる。いろいろの障害なども、人間の歴史を考えると、大きな生き残りへの方法の一つと考えられる。アフリカで生まれた人類が、世界に出て行けたのは、決して普通の人によるものだけではないであろう。我々はもっと広い目で、世界を理解しなくてはならない。
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