人生の戯言

人生の戯言

 

就職して間もないころ、菅平で体育学部のスキー実習があった。毎年のことであったが、根子岳に上るときに、先導を申し付けられていた。山岳部で世話になった監督さんが体育学部の非常勤講師になっていたので、オイと声をかけられると、いやだと言うわけにはいかない。学生の時にも体育学部の登山授業には、補助役として付いていったことがある。チャッカリ「シーズン体育」の単位もいただけて助かった。

 

体育学部の助手で、私より15歳ぐらい年上の方が、「いつまでも有ると思うな親と金、無いと思うな運と災難」などと言っていた。旨い事を言うものだと感心して聞いていた。その後彼は、東北地方の国立大学に移籍して行った。でもしばらくしてから彼が死んだと知った。元気者だったのに、あっけないものであると痛感した。災難に遭ったのかと思ったりしたが、原因は分からない。

 

浪人していた時に、東大を7年も浪人している人がいた。彼は結局亜細亜大学に特待生で入り、中国などに留学する機会もあったようだ。大きな予備校で、全国の模擬試験でいつも五番以内の成績であったが、東大には向かなかったようだ。彼曰く「世の中で、寝るほど楽は無かりけり、浮世のバカは起きて働く」などと言っていた。当時は若かったので、寝るなどは退屈だと思っていたが、年を取ると良く分かるようになった。当時も、確かにアルバイトで忙しく、時間があったら眠りたいと思っていたが。

 

人生は思いもかけないことを覚えていて不思議なものである。最近はすっかり認知症で、色々覚えるのは苦手になっている。しかし急いでも、冥途に早く着くだけだと思っているから、ばかなことを思い出して楽しんでいる。

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